フィリピン企業を低リスクで買収(M&A)して事業継承する3つの方法

フィリピン現地のローカル企業を〝低リスクで買収(M&A)〟し、事業を継承するための3つの方法をご紹介します。
ここで述べている〝低リスク〟とは、実際に買収に踏み切る前にワンクッション入れること、つまり「様子見からスタート」することにより、リスクを大幅に軽減させることです。
この「様子見からスタート」することで、買収を検討しているフィリピン現地企業の運営状況、また該当企業の市場における現地の主要プレーヤーや、文化・実務面から現地ビジネスを理解することができ、将来の買収や自社設立の判断に役立たせることができるのです。
▼ フィリピン企業を低リスクで買収(M&A)して事業継承する3つの方法
1. 買収方法① 戦略的パートナーシップ / ジョイント・ベンチャー
自社がフィリピン現地企業にない付加価値を有していることが前提
1つめの買収(M&A)方法は「戦略的パートナーシップ / ジョイント・ベンチャー」による事業継承方法です。
この方法では、まず貴社が現地フィリピン企業にはない付加価値を有していることが前提です。
例えば、現地で販売または製造する特定の製品の知的財産権を保有している場合などになります。また、エンジニアリング、製薬、発電など高度な技術分野で、現地に熟練した人材がほとんどいないような場合、技術移転契約に類似した形で、貴社の技術やノウハウを活用することも考えられます。
この「戦略的パートナーシップ / ジョイント・ベンチャー」という買収方法は、基本的に両者にメリットがあります。
貴社側にとっては、新たな市場を見つけることであり、現地パートナーにとっては、事実上競合のない新ビジネスを構築することになります。また、事業が存続不可能と判明した場合や、面倒な事案が起きた場合に備えて、双方合意のもと、特定の清算手続きを伴う期間限定の契約にすることもできます。
したがって、戦略的パートナーシップは、可能な限り低いリスクとリソースのコミットメントを維持しながら、後で企業を買収すべきかどうか、あるいは自社を設立すべきかどうか、十分な情報に基づいた決定を下すデータが収集できる最善の方法です。
戦略的パートナーシップやジョイント・ベンチャーという方法は、それ自体が目的ではなく、低リスクで買収するための最初のステップとして非常に有効です。
2. 買収方法② デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)
自社製品・サービスがフィリピンで新たな市場を創出するほどユニークでない場合
2つめの買収(M&A)方法は「デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)」です。
デット・エクイティ・スワップ(DES)とは、債務(Debt:デット)を株式(Equity:エクイティ)に交換(Swap:スワップ)する金融取引です。具体的には、企業が負債を持っている場合、その債権者が債権を放棄し、代わりに企業の株式を受け取る取引を指します。
貴社製品・サービスが参入国であるフィリピンに新たな市場を創出するほどユニークなものでない、具体的には、現地の既存製品と比較して多少優れているか、単に補完的なものでしかないというケースだとします。
一方、現地のパートナーが、すでにある程度の牽引力と流通システムを持っているものの、そのシステムをさらに拡大するための資本が不足していたり、関連商品や補完的な商品販売のサプライチェーンを最大化できる資本が不足しているとします。
こういった場合に活用できるのが、2つめの方法である「デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)」です。具体的には、現地パートナーにとって価値ある資本を提供するパートナーとして参入するという方法です。
「デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)」であれば、フィリピン現地企業の流通システムやサプライチェーンを活用できるだけでなく、もし何か問題が発生した場合、債権者や従業員にも支払いを済ませた後、貴社は債権者として回復する権利を持つこともできます。
3. 買収方法③ 事業部門のスピンオフ
現地パートナーと自社の長期的意向が一致しない場合
3つめの買収(M&A)方法は「事業部門のスピンオフ」です。
よくあるケースとして、フィリピン現地パートナーの長期的な意向と貴社のそれとが一致しないことがあります。一致するのは特定の製品や特定の市場だけで、フィリピン現地パートナーから見れば完全な売却、あるいは貴社から見れば完全な買収を行う意欲がない場合があるかもしれません。
この場合、特定の事業や製品ラインアップを別会社に分離させることが解決策となります。それが「事業部門のスピンオフ」です。こうすれば、双方が自由に事業計画を進めることができ、それと同時に、貴社が関心を持たない他の事業のリスクを負うこともありません。
これは、スピンオフ会社にとって理想的です。両者がメリットを得るには、双方がスピンオフ会社にどれだけの資本や技術支援を注ぎ込むか合意することが必要となります。
また、将来そのスピンオフ会社の現地パートナーの持分を取得するオプションを設定し、事業が実行可能であることが証明された場合、その会社を100%所有することもできます。
4. フィリピンの企業買収(M&A)ならハリーコンサルティング事務所におまかせください
フィリピン現地のローカル企業を、低リスクで買収するための3つの方法について解説しました。
ハリーコンサルティング事務所には、12年間のフィリピン滞在中に培った、フィリピン現地の独自ネットワークやビジネスのノウハウがございます。
フィリピンビジネスに課題をお持ちの方は、ぜひハリーコンサルティング事務所にご相談ください。
本稿が、皆様のフィリピン事業計画のご参考になれば幸いです。
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グローバル22拠点✕800名体制で、現地に根付いたメンバーによる伴走型ハンズオン支援
<概要>
・アジアを中心とする世界21拠点、コンサルタント800名体制を有する、日系独立系では最大級のコンサルティングファーム(東証上場)
<サービス特長>
・現地に根付いたローカルメンバーと日本人メンバーが協働した伴走型ハンズオン支援、顧客ニーズに応じた柔軟な現地対応が可能
・マッキンゼー/ボストンコンサルティンググループ/ゴールドマンサックス/P&G/Google出身者が、グローバルノウハウを提供
・コンサルティング事業と併行して、当社グループで展開する自社事業群(パーソナルケア/飲食業/ヘルスケア/卸売/教育など)の海外展開実績に基づく、実践的なアドバイスを提供
<支援スコープ>
・調査/戦略から、現地パートナー発掘、現地拠点/オペレーション構築、M&A、海外営業/顧客獲得、現地事業マネジメントまで、一気通貫で支援
・グローバル企業から中堅/中小/スタートアップ企業まで、企業規模を問わずに多様な海外進出ニーズに応じたソリューションを提供
・B2B領域(商社/卸売/製造/自動車/物流/化学/建設/テクノロジー)、B2C領域(小売/パーソナルケア/ヘルスケア/食品/店舗サービス/エンターテイメントなど)で、3,000件以上の豊富なプロジェクト実績を有する
<主要サービスメニュー>
① 初期投資を抑えつつ、海外取引拡大を通した円安メリットの最大化を目的とする、デジタルマーケティングを活用した海外潜在顧客発掘、および、海外販路開拓支援
② 現地市場で不足する機能を補完し、海外事業の立ち上げ&立て直しを伴走型で支援するプロフェッショナル人材派遣
③ アジア圏での「デジタル」ビジネス事業機会の抽出&評価、戦略構築から事業立ち上げまでの海外事業デジタルトランスフォーメーションに係るトータルサポート
④ 市場環境変動に即した手触り感あるインサイトを抽出する海外市場調査&参入戦略構築
⑤ アジア特有の中小案件M&A案件発掘から交渉/実行/PMIまでをカバーする海外M&A一気通貫支援
⑥ 既存サプライチェーン体制の分析/評価/最適化、および、直接材&間接材の調達コスト削減 -
GLOBAL ANGLE Pte. Ltd.
70か国/90都市以上での現地に立脚したフィールド調査
GLOBAL ANGLEは海外進出・事業推進に必要な市場・産業調査サービス、デジタルマーケティングサービスを提供しています。70か国90都市以上にローカルリサーチャーを有し、現地の言語で、現地の人により、現地市場を調べることで生きた情報を抽出することを強みとしています。自社オンラインプラットホームで現地調査員管理・プロジェクト管理を行うことでスムーズなプロジェクト進行を実現しています。シンガポール本部プロジェクトマネージメントチームは海外事業コンサルタント/リサーチャーで形成されており、現地から取得した情報を分析・フォーマット化し、事業に活きる情報としてお届けしております。
実績:
東アジア(中国、韓国、台湾、香港等)
東南アジア(マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ等)
南アジア(インド、パキスタン、バングラディッシュ等)
北米(USA、メキシコ、カナダ)、南米(ブラジル、チリ等)
中東(トルコ、サウジアラビア等)
ヨーロッパ(イタリア、ドイツ、フランス、スペイン等)
アフリカ(南アフリカ、ケニア、エジプト、エチオピア、ナイジェリア等) -
株式会社ダズ・インターナショナル
東南アジア・東アジア・欧米進出の伴走&現地メンバーでの支援が強み
私たちは東南アジア・東アジア・欧米進出の伴走サポートを強みとしております。
対応する主要各国にメンバーを配置し、海外進出後も支援できる体制を整えています。
事業開始から20年弱、850社を超える成功も失敗も含めた実績・ノウハウから積極的に支援します。
昨今の国際情勢を見てみると良くも悪くも変動性が高く、かつウェブ・SNS等の膨大な情報が仇となり、
リアルタイムかつ最適な情報を獲得することが難しい時代です。
私たちはこの状況に対応すべく、現地のリアルを理解し、支援できる体制づくりにこの数年力を入れています。
特に強化しているエリアは現在日本企業の進出が増加傾向にあるASEAN各国です。
2025年、カンボジア・プノンペンにも新しい拠点を追加しております。
どの国が最適か?から始まる、海外進出のゼロ→イチを伴走する支援をさせていただきます。
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■サポート対象国(グループ別)
海外進出支援や活用・生活を支援する対象とする国は以下の通りです。
※サポート内容により、対応の可否や得意・不得意な分野はあります。
↳欧米(アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ)
↳アジア①(タイ・カンボジア・ベトナム・マレーシア・インドネシア・フィリピン・ラオス)
↳アジア②(日本・香港・シンガポール・台湾・韓国)
↳アジア③(ドバイ・サウジアラビア・インドバングラデシュ・モンゴル・ミャンマー)
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■海外進出(前)支援
日本企業の海外ビジネスのゼロイチを共に考え、目標達成のために共に動くチーム
対象法人:これから海外進出を開始する企業 / 海外事業担当者不在、 もしくは海外事業担当者が不足している企業
契約形態:①伴走支援(月額 10万円〜)②スポット支援(施策により変動)
『ポイント』
✓ゼロ地点(「海外で何かやりたい」のアイデア段階)から伴走サポート
✓BtoB・BtoC・店舗開業など幅広い進出支援に対応
✓現地で対応する駐在スタッフを各国に配置
✓現地で専門分野に特化したパートナー企業・個人と提携
『対応施策』
⚫︎海外進出の準備・設計・手続き/申請サポート
↳各種市場調査・事業計画設計(稟議書策定) /会社設立/FDA等申請等
⚫︎BtoC販売促進サポート
↳マーケティング企画設計/分析/SNS運用/ECモール出品〜運用
↳プロモーション(広告運用/インフルエンサー施策含む)/各種制作
⚫︎BtoB販路開拓サポート
↳現地パートナー起業候補の探索〜交渉〜契約/展示会サポート
↳セールスマーケティングキット制作
⚫︎飲食店開業サポート(ほか店舗開業サポート含む)
↳エリアマーケティング〜テナント居抜き探索
↳現地人材候補の探索〜交渉〜契約/現地店舗運営代行
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■海外進出(後)支援
現地日系企業の現地での集客課題を共に考え、目標達成のために共に動くチーム
対象法人:すでに海外へ進出済みの企業 / マーケティング関連業務の担当者不在、もしくは不足している企業
契約形態:①伴走支援(月額 500ドル〜)②スポット支援(施策により変動)
『ポイント』
✓丸投げ(担当者もいない・知識もない)ウェルカムの代行サポート
✓BtoB・BtoC・店舗運営など幅広い集客支援に対応
✓現地で対応する駐在スタッフを各国に配置
✓現地で専門分野に特化したパートナー企業・個人と提携
『対応施策』
⚫︎マーケティング関連施策サポート
↳各種マーケティングリサーチ
↳デジタルマーケティング全般の企画設計/分析/PDCA改善
⚫︎セールス支援サポート
↳インサイドセールス全般(営業代行/メルマガ配信)
⚫︎各種プロモーションサポート
↳MEO/SEO/リスティング広告/インフルエンサーマーケティング
↳EC運用/SNS運用
⚫︎各種制作サポート
↳サイト/LP/ECサイト/オウンドメディア/コンテンツ(記事・動画)
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株式会社東京コンサルティングファーム
【26ヵ国39拠点】各国日本人駐在員が現地にてサポートいたします。
弊社は、会計事務所を母体とした26ヵ国39拠点に展開するグローバルコンサルティングファームです。
2007年に日本の会計事務所として初めてインドに進出し、翌年ASEAN一帯、中南米等にも進出しました。歴が長く、実績・ノウハウも豊富にございます。
海外進出から海外子会社管理、クロスボーダーM&A、事業戦略再構築など国際ビジネスをトータルにサポートしています。
当社のサービスは、“ワンストップ”での サービスを提供できる環境を各国で整えており、特に会計・税務・法務・労務・人事の専門家を各国で有し、お客様のお困りごとに寄り添ったサービスを提供いたします。
<主要サービス>
・海外進出支援
進出相談から登記等の各種代行、進出後の継続サポートも行っています。月額8万円~の進出支援(GEO)もご用意しています。また、撤退時のサポートも行っています。
・クロスボーダーM&A(海外M&A)
海外企業の買収・売却による進出・撤退を支援しています。
・国際税務、監査、労務等
各国の税務・会計、監査や労務まで進出時に必要な業務を幅広く行っています。
・現地企業マッチングサポート
海外販路拡大、提携先のリストアップ、代理店のリストアップ、合弁パートナー探し等を行うことができます。TCGは現地に拠点・駐在員がいるため現地企業とのコネクションがあり、スピーディーに提携先のリストアップなどを行うことができます。 -
プルーヴ株式会社
貴社の海外事業進出・展開をサポートさせていただきます
プルーヴは世界市場進出における事業戦略の策定と実行のサポートを行っている企業です。
「グローバルを身近に」をミッションとし、「現地事情」に精通したコンサルタントと「現地パートナー」との密な連携による「現地のリアルな情報」を基にクライアント企業様の世界市場への挑戦を成功へと導きます。