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海外労務管理とは?海外赴任規程と給与・社会保険の実務【2026年最新版】

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海外労務管理(国際労務)の基礎から、海外勤務者の就業規則・海外赴任規程・給与手当・社会保険・現地労働法への対応・EOR/PEO活用まで、海外進出企業の担当者向けに2026年最新版で実務的に解説します。

海外に拠点を持ち、社員を赴任させたり現地スタッフを雇用したりする段階になると、多くの企業が直面するのが「海外の労務管理をどう組み立てればよいのか」という悩みです。就業規則は日本のものをそのまま使ってよいのか、赴任者の給与や社会保険はどう扱うのか、現地の労働法にどこまで合わせるべきなのか。判断に迷う場面は少なくありません。

海外労務管理(国際労務)とは、海外で働く従業員の就業規則・給与・手当・社会保険・税金を、日本の労働法と現地国の労働法の両面から適切に管理する業務を指します。海外では原則としてその国の労働法が優先される「属地主義」が基本となるため、日本の感覚だけで運用するとトラブルの火種になりがちです。

本記事では、海外労務管理の基本的な考え方から、海外勤務者の就業規則と海外赴任規程、給与・手当の設計、社会保険と税金の取り扱い、現地労働法への対応、そしてトラブルを防ぐための実務のポイントまでを、海外進出企業の担当者向けにわかりやすく整理します。EOR/PEOといった現地雇用サービスの活用についても触れていきます。

この記事でわかること

  • ・海外労務管理(国際労務)とは何か、なぜ重要なのか
  • ・海外勤務者の就業規則と海外赴任規程で定めるべきこと
  • ・海外赴任者の給与・手当の設計方法(購買力補償方式など)
  • ・社会保険・税金の現地/日本での扱いと注意点
  • ・現地労働法への対応とEOR/PEO活用によるトラブル防止策

1. 海外労務管理(国際労務)とは

海外労務管理(国際労務)とは、海外で働く従業員の就業規則・給与・手当・社会保険・税金を、日本の労働法と現地国の労働法の両方を踏まえて管理する業務のことです。国内の労務管理と大きく違うのは、関わる法律が一つではないという点にあります。日本の会社に籍を置きながら海外で働く社員には日本の労働法が関わる一方、現地で働く以上はその国の労働法も無視できません。この二重構造をどう整理するかが、海外労務管理の出発点になります。

海外に人を配置する形には、大きく分けて出張・出向・転籍の三つがあります。出張は日本の会社に籍を置いたまま短期間現地で業務を行う形、出向は日本の会社に籍を残しつつ現地法人でも働く形、転籍は日本の籍を抜いて現地法人の社員になる形です。どの形態を選ぶかによって、適用される労働法や社会保険、給与の支払い主体が変わってきます。まずは自社の赴任者がどの形態に当たるのかを整理することが、労務管理の設計を進める前提になります。

海外進出そのものは年々活発になっています。外務省の調査では、日系企業の海外拠点数はおよそ8万拠点規模で推移しており、拠点数の増加とともに海外で働く社員や現地スタッフをどう管理するかという課題も広がっています。売上や販路の話に比べると後回しにされがちですが、労務管理の設計が甘いと、思わぬ紛争や追加コストにつながることも少なくありません。

2. 海外勤務者の就業規則と海外赴任者規程

海外に社員を送り出すとき、まず整理しておきたいのが就業規則の適用範囲です。日本の会社に籍を残す出向者の場合、日本の就業規則が基本的に適用されると考えられますが、労働時間や休日、安全衛生といった実際の働き方の部分は現地の実情や法令に合わせる必要が出てきます。日本の就業規則をそのまま海外にあてはめようとすると、現地の祝日や労働時間の慣行と食い違い、運用が立ち行かなくなることがあります。

そこで多くの企業が用意するのが、海外勤務規定(海外赴任者規程)です。これは通常の就業規則とは別に、海外赴任者に特有の事項をまとめたもので、赴任期間や赴任地での勤務条件、給与や各種手当の考え方、住居や一時帰国の扱い、社会保険や税金の負担区分、赴任者本人だけでなく帯同する家族への対応まで幅広く定めます。あらかじめルールを明文化しておくことで、赴任者ごとに条件がばらつくのを防ぎ、赴任者本人が安心して現地に向かえる環境をつくれます。

特に見落とされやすいのが、家族帯同に関する取り決めです。配偶者の帯同ビザや子女の教育、医療環境への対応をどこまで会社が支援するかは、赴任者の生活の質に直結します。「規程に書いていなかったために赴任後にもめてしまう」というケースは避けたいところです。赴任者が現地の業務に集中できるよう、家族への配慮も規程に盛り込んでおくことが望ましいでしょう。

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3. 海外赴任者の給与・手当の設計

海外赴任者の給与を考えるうえで基本となるのが、「No Loss, No Gain」という考え方です。海外に赴任したことで生活水準が下がっても困りますし、逆に赴任が過度に有利になっても国内勤務者との公平性が保てません。損も得もさせない、つまり国内にいたときと同等の生活水準を維持できるように給与や手当を組み立てる、という発想が土台になります。

給与の決め方には、日本の生活費を基準に赴任地の物価や為替を反映させる購買力補償方式や、日本の給与と現地給与を別に設定する別建て方式、両者を組み合わせる併用方式などがあります。近年は赴任地ごとの生活実態を反映しやすい購買力補償方式が主流になっています。基本給に加えて、海外勤務手当や住宅手当、生活環境が厳しい地域に対するハードシップ手当、子女教育手当などを組み合わせるのが一般的です。赴任地によって物価も治安も大きく異なるため、国別に手当の水準を見直す姿勢が欠かせません。

手当の設計は、赴任者のモチベーションと会社のコスト管理のバランスを取る作業でもあります。手厚くしすぎればコストがかさみ、逆に薄すぎれば赴任希望者が集まらなくなります。他社の水準や現地の生活コストの一次情報を踏まえながら、自社にとって無理のない水準を見極めていくことが求められます。

4. 社会保険・税金の取り扱い(現地/日本)

海外赴任で特に複雑になるのが、社会保険と税金の扱いです。健康保険や厚生年金は、日本の会社に籍が残る出向であれば日本の制度を継続できることが多い一方、転籍や長期の現地雇用になると現地制度への加入が必要になってきます。国によっては一定年数以上の勤務で現地の年金への加入が求められるため、赴任期間の見通しも踏まえて設計することが大切です。日本と社会保障協定を結んでいる国であれば、日本と現地の年金への二重加入や、保険料の掛け捨てを防げる場合があります。

税金については、赴任者が日本の税法上の非居住者に当たるかどうかが一つの分かれ目になります。短期の出張であれば日本で課税され、一定期間を超える長期赴任では現地で課税されるのが原則的な考え方で、いわゆる183日ルールなどが判断の目安になります。二重課税を避けるための租税条約や外国税額控除といった仕組みもあり、赴任者本人が不利益を被らないよう会社側で整理しておく必要があります。

このほか、労災保険は特別加入制度を使えば海外勤務者もカバーでき、介護保険は40歳から65歳未満の赴任者について適用除外の手続きをとれば保険料を免除できる場合があります。制度が細かく、国ごとの協定の有無によっても扱いが変わるため、社会保険労務士や税理士など専門家の確認を受けながら進めるのが安全です。誤った処理は後から追徴や紛争につながりやすい領域だからこそ、初期段階で正確に押さえておきたいところです。

5. 現地労働法への対応と国別の違い

海外で現地スタッフを雇用する場合、最も重視すべきなのが属地主義の原則です。これは、働く場所の国の労働法が優先して適用されるという考え方で、日本の就業規則や雇用慣行がそのまま通用するわけではありません。特に解雇・退職金・有給休暇のルールは国ごとの差が大きく、日本と同じ感覚で運用すると思わぬトラブルになります。

具体例を挙げると、シンガポールのように比較的柔軟な解雇が認められる国がある一方、インドネシアでは懲戒解雇であっても退職金の支払いが必要とされ、さらに外国人1人の雇用につき現地人を一定数雇うことが求められるなど、規制の性格が大きく異なります。中国やベトナムでは退職時に未消化の有給休暇を買い上げる義務があり、中国では通常賃金の割増で支払うケースもあります。就業規則の作成が法律上は義務化されていない国もあれば、厳格に求められる国もあります。こうした違いを知らないまま日本の規則を翻訳して使うと、現地で無効とされたり紛争に発展したりしかねません。

Digima〜出島〜に実際に寄せられた相談でも、すでにマレーシアに在住している方から、現地でビジネスを始めるにあたって就労ビザをどのルートで取得すべきか情報を集めたい、という声がありました。就労ビザの取得ルートは国ごとに複数あり、最適な方法の選択には専門的な知識が欠かせません。現地で人を雇う、あるいは自らが現地で働くという段階では、労働法だけでなくビザや在留資格までを一体で押さえておくことが、後々のつまずきを防ぐことにつながります。

6. トラブル防止と実務のポイント(EOR/PEO活用)

海外労務管理でトラブルを防ぐ最大のポイントは、現地の法令に沿った就業規則と雇用契約を最初にきちんと整備することです。日本の規則をそのまま持ち込まず、現地の労働法・商習慣に合わせて内容を見直す。赴任者については海外赴任規程で条件を明文化し、給与・社会保険・税金の負担区分をあいまいにしない。こうした基本を丁寧に押さえるだけで、防げるトラブルは大きく減ります。運用が始まった後も、現地の法改正に合わせて定期的に規程を見直す姿勢が求められます。

とはいえ、現地法人を設立して人を直接雇用し、労務・給与・社会保険をすべて自社で管理するのは、進出初期の企業にとって負担の大きい作業です。そこで近年活用が広がっているのが、EOR(Employer of Record)やPEO(Professional Employer Organization)と呼ばれる現地雇用サービスです。EORはサービス提供会社が現地での正式な雇用主となり、雇用契約・給与支払い・社会保険・税務などの労務手続きを代行してくれる仕組みで、自社で現地法人を設立しなくても現地スタッフを雇用できる点が特徴です。PEOは共同雇用の形で人事労務業務を分担・代行するサービスを指します。

EOR/PEOを使えば、法人設立や労務体制の構築にかかる時間とコストを抑えつつ、現地の法令に沿った雇用を素早く始められます。まず少人数で市場性を確かめたい段階や、拠点設立の前に現地人材を確保したい段階では特に有効な選択肢です。実際、Digima〜出島〜に寄せられる相談でも、日本国内の人材不足を背景に海外に拠点を設けて運営リソースを確保したいという企業から、現地法人設立の費用や体制についての問い合わせが増えています。自社で抱え込むのか、EOR/PEOのような外部サービスを使うのか、進出のフェーズと規模に応じて最適な形を選ぶことが、無理のない海外労務管理につながります。

7. よくある質問(FAQ)

Q. 海外勤務の出張・出向・転籍は労務管理上どう違いますか?

出張は日本の会社に籍を置いたまま短期間現地で働く形、出向は日本に籍を残しつつ現地法人でも働く形、転籍は日本の籍を抜いて現地法人の社員になる形です。どの形態かによって適用される労働法や社会保険の扱い、給与の支払い主体が変わります。まず自社の赴任者がどの形態に当たるかを整理することが労務設計の前提になります。

Q. 日本の就業規則を海外拠点でそのまま使ってもよいですか?

そのまま使うのは避けるべきです。海外では原則として現地国の労働法が優先される属地主義が適用され、解雇・退職金・有給休暇などのルールが日本と大きく異なります。日本の就業規則を翻訳しただけでは現地で無効とされたり紛争になったりする恐れがあるため、現地の法令に沿った就業規則や雇用契約の整備が必要です。

Q. EOR/PEOとは何ですか。どんなときに使うと有効ですか?

EORはサービス会社が現地の正式な雇用主となって雇用契約・給与・社会保険・税務を代行する仕組みで、自社で現地法人を設立しなくても現地スタッフを雇用できます。PEOは人事労務業務を共同で分担・代行するサービスです。まず少人数で市場性を試したい段階や、法人設立前に現地人材を確保したい段階で特に有効です。

Q. Digima〜出島〜で海外労務管理を相談できますか?

はい、可能です。海外の労務・人事・法務に精通した専門家や、EOR/PEOなどの現地雇用サービスを提供する支援企業が登録されています。海外赴任規程の整備から現地スタッフの雇用契約、社会保険・税金の扱い、就労ビザの取得まで、国やフェーズに合わせて無料で相談できます。

8. 海外労務管理の相談はDigima〜出島〜へ

海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima〜出島〜」では、海外労務管理・国際人事・現地法務に精通した専門家を無料でご紹介しています。海外赴任規程の整備や赴任者の給与・手当の設計、社会保険や税金の取り扱い、現地スタッフの雇用契約や就労ビザの取得まで、幅広いフェーズでの相談に対応しています。

「海外に社員を赴任させたいが規程をどう作ればいいかわからない」「現地の労働法に対応した就業規則を整えたい」「EOR/PEOを使って現地人材を雇いたい」など、海外労務に関するどのような段階のご相談でもお気軽にお問い合わせください。国ごとに制度が大きく異なる領域だからこそ、早い段階で専門家に相談しておくことが、後のトラブルや余計なコストを防ぐことにつながります。

海外進出の専門コンシェルジュが、御社の進出先・業種・フェーズに合わせた最適なサポート企業を無料でご紹介いたします。海外の労務管理でお悩みの際は、ぜひDigima〜出島〜をご活用ください。

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