海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

メニュー
メニュー

スシロー・サイゼリヤ・丸亀製麺の海外展開|外食チェーン3社の決算比較と飲食企業の進め方

掲載日:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
外食チェーンの海外展開を、スシロー、サイゼリヤ、丸亀製麺のトリドールの決算で比較します。海外の利益が国内を上回る例、新しい国で出た営業損失、日本食レストランが増えたインドネシアでの直営・合弁・フランチャイズの違いを整理し、飲食企業が進出形態・1店舗の収支・現地パートナーを確かめる順番がわかります。

回転寿司のスシローとイタリア料理チェーンのサイゼリヤは、最新の決算で海外の利益が国内を上回りました。丸亀製麺のトリドールホールディングスは、海外事業の事業利益が過去最高となる一方で、特にイギリスの市況の影響を受けて減損損失を計上しています。

では、海外展開が初めての飲食企業は、どの国で、どの形で、誰と店を出せばよいのでしょうか。Digima〜出島〜の海外進出白書(2025-2026年版)では、海外進出の支援に携わる企業と専門家の担当者の55.6%が、チャンスがある業種に飲食業を挙げています。

この記事では、3社の決算を比べたうえで、日本食レストランが増えているインドネシアを例に、進出形態の比較、1店舗の収支、パートナーの確認の3つの表を自社の内容で書く進め方を解説します。

この記事でわかること

  • ・スシロー、サイゼリヤ、丸亀製麺の海外と国内の利益の比較
  • ・サイゼリヤの地域別の営業利益と、新しい国や都市で出た損失
  • ・インドネシアで分かれる直営、合弁、フランチャイズの違い
  • ・進出形態の比較、1店舗の収支、パートナーの確認の表の書き方

1. 外食チェーンの海外利益|スシロー・サイゼリヤ・丸亀製麺の決算比較

スシローとサイゼリヤの海外と国内のセグメント利益、売上、利益の割合を並べた図
図:スシローとサイゼリヤの海外と国内の利益

スシローとサイゼリヤは、最新の決算で海外の利益が国内を上回りました。丸亀製麺のトリドールは海外事業の事業利益が過去最高となる一方で、特にイギリスの市況の影響を受けて減損損失を計上しています。

3社の数字は決算の期間も利益の指標も違うため、金額を会社どうしで比べず、各社の中で海外と国内を比べます。

スシローの海外事業|9か月のセグメント利益は203億6,800万円

スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIESの決算短信によると、2025年10月から2026年6月までの9か月で、海外スシロー事業のセグメント利益(事業ごとの利益)は203億6,800万円、国内スシロー事業は171億6,800万円でした。前年同期と比べると、海外は83.2%増、国内は12.4%増です。

売上収益は海外が1,506億3,800万円、国内が2,169億3,200万円で、売上は国内のほうが大きくなっています。売上に対する利益の割合を計算すると、海外は13.5%、国内は7.9%です。

スシローブランドの店舗数は、2026年6月末時点で海外304店舗、国内668店舗です。海外ではこの9か月に78店舗を出店しました。

出典:株式会社FOOD & LIFE COMPANIES「2026年9月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月)

サイゼリヤのアジア事業|セグメント利益は97億1,200万円

サイゼリヤの2026年8月期の決算では、セグメント利益はアジアが97億1,200万円、日本が60億900万円でした。売上高はアジアが981億4,700万円、日本が2,033億3,600万円で、海外売上比率は32.6%です。売上の約3割にあたるアジアが、利益では日本を上回りました。

売上に対する利益の割合は、日本が3.0%(決算説明資料の記載)、アジアが9.9%(売上とセグメント利益から計算)です。

ただし、前の期と比べると動きは逆です。アジアのセグメント利益は101億3,200万円から減り、日本は50億3,300万円から19.4%増えました。

出典:株式会社サイゼリヤ「2026年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年10月)、株式会社サイゼリヤ「2026年8月期 決算説明資料」

丸亀製麺のトリドールの海外事業|事業利益と減損損失114億800万円

丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスの2026年3月期は、海外事業の事業利益(売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を引いた利益)が52億8,500万円で、過去最高でした。国内の丸亀製麺セグメントの事業利益は219億5,500万円です。売上収益はそれぞれ1,018億9,500万円と1,371億9,300万円で、売上に対する割合を計算すると海外事業は5.2%、丸亀製麺は16.0%となります。

同社は、海外事業の事業利益が計画を上回った理由として、イギリス事業の回復に時間を要しているものの、好調なアジア事業の貢献などを挙げています。一方で、事業の選択と集中を進めた結果、特にイギリスの市況の影響を受け、全社で114億800万円の減損損失(資産の価値を引き下げて損失に計上する処理)を計上しました。うち海外事業が106億5,200万円で、イギリスの無形資産とのれんが80億4,200万円を占めます。

2026年4月から6月の海外事業の事業利益は、前年同期比62.6%増の18億5,300万円でした。

出典:株式会社トリドールホールディングス「通期連結業績予想と実績値との差異および減損損失に関するお知らせ」(2026年5月)、株式会社トリドールホールディングス「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026年8月)

3社の決算の比較表|期間と利益の指標の違い

項目スシローサイゼリヤ丸亀製麺(トリドール)
決算の期間2025年10月〜2026年6月(9か月)2026年8月期(シンガポールとマレーシア以外のアジアの法人は2025年7月〜2026年6月)2026年3月期
利益の指標セグメント利益セグメント利益事業利益
海外の利益203億6,800万円アジア97億1,200万円52億8,500万円
国内の利益国内スシロー事業171億6,800万円日本60億900万円丸亀製麺219億5,500万円
売上に対する割合(海外)13.5%9.9%5.2%
売上に対する割合(国内)7.9%3.0%16.0%
決算で目立つ点海外の利益が前年同期比83.2%増アジアの利益は前の期より減少減損損失114億800万円

スシローとサイゼリヤは海外の利益が国内を上回り、丸亀製麺のトリドールは国内の丸亀製麺セグメントのほうが大きいという違いがあります。スシローの数字は9か月分で、トリドールの指標は事業利益です。会社どうしの金額ではなく、海外と国内の関係と、どの地域で利益や損失が出たかを読み取ってください。

2. サイゼリヤの地域別の営業利益|新しい国や都市で出た損失

サイゼリヤのアジアの利益は、上海・広州・香港などが支えています。店舗を運営する法人で営業損失が出ているのは、ベトナム、マレーシア、武漢で、いずれも新しく店を出した地域です。

サイゼリヤのアジア内訳|上海・広州・香港・シンガポール・台湾

地域売上営業利益前の期の営業利益期末の店舗数
上海246億1,100万円24億7,900万円31億8,900万円215店舗
広州285億1,800万円22億5,800万円22億5,200万円241店舗
北京95億6,200万円8億9,400万円8億6,200万円86店舗
香港186億1,800万円22億8,700万円19億2,900万円76店舗
シンガポール115億9,400万円15億5,900万円12億8,000万円44店舗
台湾48億3,800万円6億3,700万円5億8,700万円27店舗
ベトナム1億4,400万円▲1億5,400万円▲4,500万円3店舗
マレーシア8,200万円▲1億400万円―1店舗
武漢1億7,600万円▲6,300万円―2店舗

上海、広州、北京の3地域の営業利益を合計すると56億3,100万円です。上海は前の期の31億8,900万円から減りました。香港は22億8,700万円、シンガポールは15億5,900万円、台湾は6億3,700万円で、いずれも前の期より増えています。シンガポールとマレーシア以外の数字は、2025年7月から2026年6月の期間のものです。店舗を運営しない広州の食品工場は、1億900万円の営業損失でした。

ベトナム・マレーシア・武漢の営業損失|出店からの期間

決算短信によると、武漢の1号店は2026年1月、マレーシアの1号店は2026年6月に開店し、ベトナムは2025年10月に3号店を開店しました。営業損失は、ベトナムが1億5,400万円、マレーシアが1億400万円、武漢が6,300万円です。

アジアで店舗を増やしてきたサイゼリヤでも、新しい国や都市で最初から利益が出ているわけではありません。初めて海外に出る企業は、最初の店の損失をどこまで受け入れられるかも見積もっておく必要があります。

出典:株式会社サイゼリヤ「2026年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年10月)

海外進出タイプ診断|10問3分で無料診断

3. 海外の利益の差|出店の地域と進め方の違い

3社の決算を比べると、利益が伸びた地域と損失が出た地域に違いがあります。スシローとサイゼリヤはアジアで出店を続け、丸亀製麺のトリドールは子会社化したイギリスの事業で減損損失を計上しました。各社が理由として述べたものではなく、Digima〜出島〜が公表資料から整理した見方です。

スシロー・サイゼリヤと丸亀製麺のトリドールの違い

スシローの決算短信の店舗表では、海外スシローブランドにFC(フランチャイズ)の表記がありません。サイゼリヤはアジアの各法人が店舗を運営しています。2社とも、この期間にアジアで店を増やしました。

トリドールの減損損失で金額が大きいのは、2023年7月に子会社化したFulham Shore社の拠点であるイギリスです。同社はエネルギーや食料の価格上昇、最低賃金の上昇を背景に、外食産業の環境が想定以上に厳しいと説明しています。

出典:株式会社トリドールホールディングス「通期連結業績予想と実績値との差異および減損損失に関するお知らせ」(2026年5月)

店舗の少ない飲食企業が決算から読み取ること

国内で十数店舗を運営する企業に、大手と同じ規模の出店は必要ありません。3社の決算から取り入れられるのは、次の3点です。

1つ目は、海外の利益は国や地域で分かれることです。2つ目は、新しい国では最初に損失が出る例があることです。3つ目は、丸亀製麺のトリドールのイギリス事業のように、環境の変化で減損損失を計上する例があることです。

そのため、国を1つに絞り、進める形と1店舗の収支を先に確かめます。

4. 海外の日本食レストラン数|インドネシアは2年間で約2,580店増

農林水産省の調査では、インドネシアの日本食レストランは2025年に約6,580店で、2023年から約2,580店増えました。増加数は掲載された国・地域の中で最多です。世界全体は約18.7万店から約18.1万店へ減っており、国によって動きは分かれます。

国別の日本食レストラン数と増減

国・地域2025年の店数2023年からの増減
インドネシア約6,580店約2,580店増
ブラジル約4,520店約1,670店増
韓国約1万9,800店約1,590店増
タイ約5,920店約590店増
マレーシア約2,200店約310店増
ベトナム約1,820店約200店増
シンガポール約1,140店約70店減
台湾約7,100店約340店減
中国約6万3,500店約1万5,260店減

最も店数が多い中国は約6万3,500店ですが、2023年から約1万5,260店減りました。台湾やシンガポールも減っています。一方で、インドネシア、ブラジル、韓国は増加数が大きく、タイ、マレーシア、ベトナムも増えました。

店数が増えている国は、日本食を受け入れる客が増えている可能性がある一方で、競合の店も増えています。増加数だけで国を決めず、次の章からの表で自社に合う形と収支を確かめます。

出典:農林水産省「海外における日本食レストラン数の調査結果(令和7年)」(2025年11月)

海外進出白書に見る飲食業の評価

Digima〜出島〜の海外進出白書(2025-2026年版)で、海外進出の支援に携わる企業と専門家の担当者151名に、2025年4〜5月の調査で今チャンスがあると思う業種を複数回答で聞いたところ、最多は飲食業の55.6%でした。2位は製造業の49.7%です。

出典:Digima〜出島〜「海外進出白書(2025-2026年版)」

インドネシアの外食市場の見通し

ジェトロの調査は、インドネシアの食品サービス市場(外食)について3つのシナリオを挙げています。年平均成長率8%の低成長シナリオで2030年までに700億米ドル、9%の平均的なシナリオで800億米ドル、13%の高成長シナリオで1,150億米ドルです。

同じ調査によると、輸入牛肉、乳製品、ジャガイモといった原材料費の高騰や商業施設の賃料上昇は、利益率を圧迫する要因になっています。市場の伸びと店の利益は分けて考える必要があります。

出典:ジェトロ「外食産業のインドネシア進出課題調査」(2026年3月)

5. 外食チェーンの進出形態|直営・合弁・フランチャイズの比較

直営はスシローと一風堂、合弁は牛角、フランチャイズは丸亀製麺を例に3つの進出形態を並べた図
図:インドネシアの日本の外食チェーンの進出形態

ジェトロの調査に挙がる例を分けると、インドネシアに進出した日本の外食チェーンの形態は、主に直営、合弁、フランチャイズの3つです。Digima〜出島〜の整理では、違いは資金と人を誰が出すかにあります。

直営の例|スシローと一風堂

直営は、品質管理の徹底とブランドイメージの統一を目的に、企業が自前でインドネシアに拠点を設立する形です。ジェトロの調査は、一風堂やスシローをこの形に挙げています。

インドネシアの外資企業には、最低払込資本金25億ルピア(約2,400万円)の決まりがあります。これとは別に、土地と建物を除いて原則100億ルピア(約9,500万円)を投資する最低投資額の決まりがあり、事業の分類(KBLI番号)と県または市ごとに必要です。飲食サービス業は番号の上2桁が同じなら増えず、同じ県や市に複数の店を出しても増えません。円の金額は資料の換算で、為替によって変わります。規制と手続きの全体は、インドネシアの外資規制とインドネシアの会社設立の記事にもまとめています。

出典:ジェトロ「外食産業のインドネシア進出課題調査」(2026年3月)

合弁の例|牛角

合弁(現地企業と共同で出資して会社を作る形)は、自前で拠点を設立する場合の1つの形です。ジェトロの調査では、牛角が合弁を通じた運営の例に挙げられています。出資と運営を現地企業と分担する形なので、その分担を事前に決める必要があります。

フランチャイズの例|丸亀製麺

フランチャイズは、現地のパートナー企業と協力して店舗開発を進める形です。自社は店名や運営方法を使う権利を与え、ロイヤリティ(使用料)を受け取ります。丸亀製麺はマスターフランチャイジー(その国の事業を任せる現地企業)を置く形に分類され、主にPT Sriboga Marugame Indonesiaが運営し、企業ホームページの数字として100店舗以上とされています。

フランチャイズにも手続きがあります。本部と加盟店の両方にフランチャイズ登録証の登録が義務付けられ、本部は契約の少なくとも14日前までに、インドネシア語のフランチャイズ事業計画書を加盟店の候補に渡す必要があります。

進出形態の比較表の書き方とモデルケース

形態必要な資金自社から出す人味の管理判定
直営最低払込資本金25億ルピア(約2,400万円)と最低投資額100億ルピア(約9,500万円)駐在員を自社で負担細かく管理できる×
合弁出資が必要運営の分担を決める不明△
フランチャイズ店舗の開発はパートナーと進める研修とメニューの監督を担当ブランドの基準とメニューを監督○

自社の表は、縦に直営、合弁、フランチャイズを並べ、横に必要な資金、自社から出す人、味の管理、判定を書きます。まだ分からない欄には「不明」と書いてください。

上の表は、モデルケースの株式会社デジマダイニング(国内で定食店を14店舗運営、売上10億円、海外の店舗なし)で書いた例です。海外の経験がなく、出せる人も限られるので、フランチャイズを丸と判定しています。

※株式会社デジマダイニングは、説明のために置いた実在しないモデルケースです。

6. 飲食店の海外出店の収支|1店舗の収支シートとロイヤリティ

フランチャイズを選ぶ場合でも、1店舗で利益が残らなければパートナーは出店を続けられません。現地の金額が分からない段階でも、仮の数字を入れて見積もります。

1店舗の収支シートの項目

縦に、売上、原価(食材の費用)、人件費、家賃、その他の費用、ロイヤリティ、店に残る金額を書きます。賃料の目安は、ジェトロの調査がモールのグレードや地域ごとに載せています。インドネシアでは原材料費の高騰や商業施設の賃料の上昇が利益率を圧迫しているため、原価は高めに置いて確かめます。

出典:ジェトロ「外食産業のインドネシア進出課題調査」(2026年3月)

モデルケースの1店舗の収支|ジャカルタのモール

項目月の金額置いた条件
売上450万円60席×1日2.5回×約1,000円×30日
原価180万円売上の40%
人件費90万円設定値
家賃50万円設定値
その他の費用45万円設定値
ロイヤリティ18万円売上の4%
店に残る金額67万円売上から上の費用を引いた金額

デジマダイニングは、ジャカルタのモールの120平方メートルの店舗で、60席を1日に2.5回使い、1人あたりの支払いを約1,000円と置いています。1か月を30日として計算すると、月の売上は450万円です。

原価は高めの40%で180万円とし、ロイヤリティは売上の4%で18万円としました。すべての費用を引くと、店に残るのは67万円です。金額はすべて説明のために置いた設定値で、ロイヤリティ4%も現地の相場を表すものではありません。

自社に入るロイヤリティと指導の費用

フランチャイズでは、店に残る67万円は運営するパートナーの手元に残り、自社の収入はロイヤリティの18万円です。指導の出張などに月25万円かかると見ると、1店舗の18万円では足りません。

そこでデジマダイニングは、2店舗目を出せるかをパートナーに確認すると決めています。自社に入る金額と自社が使う金額を分けて見ると、交渉で確かめることがはっきりします。

7. 現地パートナーの確認シート|候補企業を比べる5項目

ジェトロの調査によると、すべて自社で直接投資する場合を除き、インドネシアへの進出は現地パートナーの確保から始まります。海外進出白書でも、成否を分ける要因の首位は現地パートナーで、専門家の68.9%が挙げました。

現地パートナーの条件|飲食・小売・モールの事業

パートナーには、飲食、小売、モールに関連した事業を営む企業が選ばれることが一般的です。法規制、当局、仕入れ、ハラール(イスラム教の教えで許された食品などの基準)対応の知識を得るために重要だと、同じ調査は説明しています。

インドネシアでは2024年10月に、外資の飲食サービス事業者を含む中規模と大規模の事業者にハラール認証などの規制への準拠が義務化されました。仕入れでも、政府は現地で調達できるものは現地で調達するよう促す傾向にあります。

パートナーの確認シートの書き方

縦に候補の企業を並べ、横に事業の経験、法規制の知識、仕入れ、ハラール対応、自社の味への評価を書きます。候補がまだなければ、条件だけで構いません。

同じ調査によると、日本の本社がブランドの基準や研修、メニューの監督を担い、インドネシアのパートナーが現地の運営を担う役割分担があります。この分担を任せられる企業かを確かめます。

出典:ジェトロ「外食産業のインドネシア進出課題調査」(2026年3月)

モデルケースの確認シート|A社と交渉する判定

項目A社B社
事業の経験○ 飲食の事業の経験がある△ 小売の経験はあるが飲食店の運営はない
法規制の知識不明不明
仕入れ○不明
ハラール対応進めている不明
自社の味への評価不明不明
判定交渉する―

デジマダイニングは、インドネシアの外食企業などから問い合わせを受けている設定です。A社は飲食の事業の経験と仕入れが丸で、ハラール対応も進めています。B社は小売の経験はありますが、飲食店の運営の経験がなく三角です。法規制の知識はどちらも「不明」とし、A社と交渉すると判定しています。

※A社とB社は説明のために置いた候補です。

8. 飲食店の海外進出のメリットと不安|資金・人・ハラール

資金も人も足りない、ハラールに対応できるのか。初めての飲食企業からよく出る不安です。フランチャイズと現地パートナーの形なら、それぞれに答え方があります。

資金の不安|店舗の開発はパートナーと進める

フランチャイズは現地のパートナー企業と協力して店舗開発を行う形なので、自社で拠点を設立する直営より、自社の負担を抑えられます。直営の場合は、最低払込資本金25億ルピア(約2,400万円)と最低投資額の決まりを自社で満たす必要があります。

人の不安|自社は研修とメニューの監督を担当

現地の運営をパートナーに任せ、自社は研修とメニューの監督を担当する形が取れます。駐在員を置いて店を運営する直営とは、必要な人の数も役割も変わります。モデルケースのデジマダイニングも、海外の経験がなく出せる人が限られるため、この形を選んでいます。

ハラールの不安|スープと調味料の置き換え

ジェトロの調査には、酒やみりんを使うレシピをハラール認証済みの代用品で作り直し、豚のスープを鶏や魚介に置き換える例が載っています。定食のメニューも、使っている材料から見直せます。豚や酒を使う品目を先に洗い出すと、置き換えが必要なメニューが分かります。

出典:ジェトロ「外食産業のインドネシア進出課題調査」(2026年3月)

飲食店の海外進出のメリット|顧客・収入・次の都市

飲食企業のメリットは3つあります。

1つ目は、顧客の広がりです。ジェトロの調査は、食品サービス市場(外食)が低成長シナリオでも2030年までに700億米ドルに達すると見ています。

2つ目は、フランチャイズなら店舗の家賃や人件費を持たずに、海外の売上に応じたロイヤリティを得られることです。

3つ目は、最初の都市の実績を次の都市へ広げられることです。日本の外食チェーンは、まずジャカルタ首都圏を優先し、その後にスラバヤ、バンドン、バリなどの主要都市へ段階的に進出することが多いとされています。

出典:ジェトロ「外食産業のインドネシア進出課題調査」(2026年3月)

9. 飲食企業の海外展開の進め方|表を書いたあとの4週間

1週目から4週目までの作業を順に並べた横フロー図
図:表を書いたあとの4週間の進め方

3つの表を書き終えたら、「不明」の欄を確かめます。作業を週ごとに分け、4週目に交渉を始めるかどうかを決めます。

1週目|確かめる項目を担当者に分ける

「不明」と書いた欄を一覧にし、担当者を決めます。賃料、賃金、法規制、候補の企業のように、調べる先が違う項目ごとに分けると進めやすくなります。担当者と確かめる期限も一緒に書いておくと、2週目以降の作業で抜けが見つかります。

2週目|インドネシアの商標の確認

店名やロゴを守る権利である商標が、他社に登録されていないかを調べます。ジェトロの調査によると、インドネシアの商標法は先願主義で、最初に出願した者に登録の権利が認められます。候補の企業に店名を伝える前に確認しておくと安全です。

出典:ジェトロ「外食産業のインドネシア進出課題調査」(2026年3月)

3週目|パートナー候補へ条件を伝える

候補の企業に、ロイヤリティ、2店舗目の見通し、研修の担当、ハラール対応の進め方を伝え、答えを確認シートに書き込みます。答えが返ってこない項目は「不明」のまま残します。A社とB社のように候補が複数あるときは、同じ条件を伝えると答えを比べられます。

4週目|交渉を始めるかの判断

3つの表を社内で共有し、交渉を始めるかを決めます。決められない場合は、どの欄が埋まれば決められるのかを書き出します。交渉を始める場合は、フランチャイズ登録証の登録と、契約の少なくとも14日前までの事業計画書の提供が必要になることも社内で共有します。

▶ 推奨アクション
・ジェトロ「外食産業のインドネシア進出課題調査」で地域ごとの賃料と最低賃金を確認する
・農林水産省の日本食レストラン数の調査で候補の国の店数と増減を確認する
・現地パートナーの探し方とフランチャイズの条件の確かめ方をDigima〜出島〜に相談する

10. よくある質問

海外の利益が国内を上回る例はスシローとサイゼリヤの決算にあり、新しい国では営業損失の例もあります。資金と人が限られる飲食企業は、フランチャイズと現地パートナーから確かめる方法があります。

外食チェーンの海外展開で、海外の利益が国内を上回っている例はありますか?

あります。2025年10月から2026年6月のスシローは海外スシロー事業のセグメント利益が203億6,800万円で、国内スシロー事業の171億6,800万円を上回りました。サイゼリヤの2026年8月期もアジアが97億1,200万円で、日本の60億900万円を上回っています。

飲食店の海外進出では、直営とフランチャイズのどちらから始めるとよいですか?

海外の経験がなく資金と人が限られる場合は、フランチャイズから確かめる方法があります。インドネシアでは直営の場合、外資企業の最低払込資本金25億ルピア(約2,400万円)と、原則100億ルピア(約9,500万円)の最低投資額の決まりがあります。フランチャイズなら現地のパートナーと店舗開発を進められますが、1店舗のロイヤリティで指導の費用を賄えるかの確認が必要です。

海外の新しい国に出店すると、最初から利益は出ますか?

最初から利益が出るとは限りません。サイゼリヤの2026年8月期でも、新しく出店したベトナムは1億5,400万円、マレーシアは1億400万円の営業損失でした。初めて海外に出る企業は、1店舗の収支を仮の数字で見積もり、損失の出る期間を想定しておく必要があります。

飲食企業の海外展開は、どこに相談すればよいですか?

飲食企業の海外展開は、海外ビジネス支援プラットフォームのDigima〜出島〜に無料で相談できます。インドネシアのように進出形態と現地パートナーの確認が先に必要な国では、形態の選び方やパートナー探しの相談から始められます。専門のコンシェルジュがヒアリングし、条件に合う支援企業を3〜5社に絞って紹介します。契約の義務はありません。

11. 飲食企業の海外展開はDigima〜出島〜に相談

スシローとサイゼリヤは海外の利益が国内を上回り、丸亀製麺のトリドールはイギリスを中心に減損損失を計上しました。サイゼリヤでも新しい国では営業損失が出ています。海外展開が初めての飲食企業は、大手と同じように自社で出店しなくても始められます。

資金と人から進出形態を選び、1店舗の収支を見積もり、現地パートナーを具体的な条件で確かめてください。そこから先の現地パートナー探しや契約の確認を支援する企業の紹介は、Digima〜出島〜へご相談ください。専門のコンシェルジュがお話をうかがい、条件に合う支援企業を無料でご紹介します。

まずは無料の海外進出タイプ診断で、自社に合った進出スタイルを確認してみてください。

▶ 海外進出タイプ診断はこちら

この記事が役に立つ!と思った方はシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

海外進出相談数 27000 件突破!!
最適サポート企業を無料紹介

\ 3つの質問に答えて /
コンシェルジュに無料相談

もっと企業を見る

海外進出・海外ビジネスで
課題を抱えていませんか?

Digima~出島~では海外ビジネス進出サポート企業の無料紹介・
視察アレンジ等の進出支援サービスの提供・
海外ビジネス情報の提供により御社の海外進出を徹底サポート致します。

無料相談はこちら

0120-979-938

海外からのお電話:+81-3-6228-1801

電話相談窓口:平日10:00-18:00

海外進出相談数
28,000件
突破