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訪日ビジネス出張者のニーズとは|個人観光客と違う集客・接客のポイント

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訪日外国人には観光客だけでなくビジネス出張者という客層が存在します。増加するその実態と個人観光客との行動の違い、宿泊・飲食・交通の業種別に押さえるべき集客・接客のポイントを解説します。出張に観光を組み合わせる「ブリージャー」需要への対応法も紹介します。

「訪日外国人」と聞くと、観光地を巡る個人観光客の姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし実際には、商談や視察、研修などの目的で来日する「ビジネス出張者」という客層が着実に増えており、宿泊・飲食・交通の現場ではその存在感を無視できなくなっています。
ビジネス出張者は個人観光客とは異なる行動パターンと消費傾向を持ち、求められる接客・サービスの中身も大きく変わってきます。本記事では、データで見る訪日ビジネス出張者の実態から、業種別の具体的な集客・接客のポイント、出張に観光を組み合わせる「ブリージャー」需要への対応法までを解説します。

この記事でわかること

  • ・訪日ビジネス出張者が個人観光客と異なる行動特性・消費傾向
  • ・宿泊・飲食・交通の業種別に押さえるべき集客・接客のポイント
  • ・出張に観光を組み合わせる「ブリージャー」需要への対応法

1. 訪日ビジネス出張者とは?観光客との違い

増加する訪日ビジネス出張者の実態(データ)

日本政府観光局(JNTO)が公表した2024年の「国籍/目的別 訪日外客数」(確定値)によると、訪日外国人全体は3,687万148人(前年比47.1%増)にのぼり、そのうち商談・会議・視察・研修などの業務目的で来日した「商用客」は119万8,602人(同12.3%増)でした(出典:日本政府観光局)。
全体に占める比率としては大きくないものの、コロナ禍からの回復局面において観光客(3,361万1,553人・同50.2%増)とは異なるペースで着実に増加している点は見逃せません。国・地域別では中国、韓国、米国、台湾からの商用客が上位を占め、企業間取引や現地視察の再活性化が背景にあるとみられます。
さらに観光庁の調査では、海外から国際会議に参加するために来日した出張者の8割超が会期前後に観光旅行を行っており、平均で5〜10泊程度滞在するケースも一般的とされています(出典:観光庁)。ビジネス目的の来訪であっても、滞在期間や消費の広がりという点で軽視できない存在になっているのです。

観光客とは異なる行動特性・消費傾向

個人観光客の多くは観光・体験を目的にスケジュールへ余裕を持たせ、複数都市を周遊する傾向があります。一方でビジネス出張者は商談や会議といった業務が主目的であるため、移動や宿泊・飲食にかけられる時間が限られており、行動範囲もオフィス街や主要駅周辺に集中しやすいのが特徴です。
また、宿泊・交通費用が企業の経費で賄われるケースが多く、決済のスムーズさや領収書対応など観光客とは異なる実務的な要望が生まれます。曜日についても、観光客の需要が週末に偏りやすいのに対し、ビジネス出張者は平日を中心に安定した需要を生み出す点も大きな違いです。
一度取引先や勤務先の近くに滞在すると同じホテル・同じ店舗をリピート利用する傾向も強く、初回の接客で信頼を得られれば継続利用につながりやすい客層です。

2. 訪日ビジネス出張者が求める3つのニーズ

①スピード・効率(移動・決済・Wi-Fi環境)

限られた滞在時間の中で業務をこなす必要があるビジネス出張者にとって、移動・決済・通信のスムーズさは最優先事項です。空港や駅からオフィス街・宿泊施設までの移動導線がわかりにくかったり、交通機関の乗り換えに時間を取られたりすることは大きなストレスになります。
決済面では、現金しか使えない店舗や施設は避けられやすく、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など複数のキャッシュレス手段への対応が求められます。加えて、客室・店舗・車内で安定した高速Wi-Fiが使えるかどうかは、業務連絡やオンライン会議を行う出張者にとって死活問題ともいえる要素です。
チェックインやオーダーの手続きについても、多言語対応の自動化・簡素化を進めることで、待ち時間の削減と満足度向上の両方につなげられます。

②静かに集中できる環境(宿泊・ワークスペース)

ビジネス出張者にとって宿泊施設は単なる休息の場ではなく、資料の確認やメール対応、翌日の準備を行う「仕事場」としての役割も担っています。そのため、周囲の音が気にならない静穏な客室配置や、十分な広さのデスクと椅子、コンセントの数と位置は、観光客向けの客室以上に重視されるポイントです。
共用スペースについても、宿泊者が落ち着いて作業できるビジネスラウンジや、電話対応がしやすい半個室スペースを備えている施設は選ばれやすくなります。館内の印刷・コピー対応やレイトチェックアウトへの柔軟な対応も、出張者の評価を左右する細かな配慮です。
観光客向けの華やかな共用施設よりも、静かに集中できる実務的な機能を優先することが、ビジネス出張者からの再利用につながります。

③短時間で満足できる飲食・サービス

出張中の食事は、商談の合間や移動前後の限られた時間に済ませることが多く、提供スピードと一人での利用しやすさが重視されます。行列や長い待ち時間が発生する店舗は避けられやすく、カウンター席や個室、あるいはテイクアウトの選択肢があると来店のハードルが下がります。
また、連日の出張で外食が続くことから、栄養バランスの取れたメニューや軽めの食事への需要も一定数存在します。朝食についても、ゆっくり品数を楽しむ観光客向けの朝食ビュッフェよりも、短時間で済ませられるシンプルな構成や、部屋への軽食提供のほうが好まれる場合があります。
飲食店側では、メニューの多言語表記に加えて、注文から提供までの時間を明示するなど、限られた時間の中でも安心して利用できる工夫が集客のカギとなります。

3. 業種別・訪日ビジネス出張者の集客ポイント

宿泊施設(ビジネスホテル・シティホテル)

宿泊施設では、客室内の高速Wi-Fi、十分なコンセント数を備えたデスク環境、静穏性の高い客室配置といったハード面の整備が基本になります。加えて、24時間対応可能なフロントやセルフチェックイン機、キャッシュレス決済への対応は、深夜到着や早朝出発が多いビジネス出張者にとって大きな評価ポイントです。
サービス面では、簡易的なランドリー・プレスサービスやビジネスセンターの設置、多言語対応の館内案内があると、出張中の細かなニーズに応えやすくなります。法人契約や出張手配代行会社との連携により、企業単位でのリピート利用を獲得できる点も宿泊業ならではの機会です。

飲食店(一人利用・時短メニュー)

飲食店においては、一人でも入りやすいカウンター席や半個室の用意、提供時間の短縮につながるセットメニューの充実が集客の第一歩です。ランチタイムには短時間で提供できるメニューを、夜には商談後にも利用しやすい軽めのコースを用意するなど、時間帯に応じた使い分けも有効です。
また、メニューの多言語表記や写真つきメニューの導入、クレジットカード・電子マネーへの対応は、初めて訪れる店舗でも安心して注文できる環境づくりに直結します。テイクアウトや宅配への対応を強化すれば、多忙な出張者が滞在先で手軽に食事を済ませられる選択肢としても選ばれやすくなります。

交通・送迎サービス

交通・送迎サービスでは、時間に正確な運行と、多言語での予約・問い合わせ導線の整備が求められます。空港や主要駅と宿泊施設・オフィス街を結ぶ定額制の送迎サービスは、料金の見通しが立てやすく、荷物を抱えた出張者にとって利便性の高い選択肢です。
決済面では、事前のオンライン決済やキャッシュレス対応を進めることで、現地で現金を用意する手間をなくせます。加えて、複数の目的地を効率よく回る乗り合い型の送迎や、法人契約による定期利用の仕組みを用意すれば、企業単位での継続的な利用にもつながります。

4. 「出張+観光」ブリージャー需要への対応

延泊・週末観光を促す仕掛け

出張にレジャーを組み合わせる「ブリージャー」は、ビジネス出張者を取り込む上で見逃せない需要です。観光庁の調査では、海外から国際会議参加のために来日した出張者のうち81.3%が会期前後に観光旅行を行っており、4日以上滞在する割合は45.8%にのぼりました(出典:観光庁)。国内のビジネス出張者を対象とした公益財団法人日本交通公社の調査でも、直近の出張でブリージャーを実施した割合は約27%にのぼるとされ、出張に休暇を組み合わせる旅行スタイルは働き方の変化とともに広がりつつあります(出典:公益財団法人日本交通公社)。
宿泊施設側からは、出張日程の延泊を促す割引プランや、金曜出張者向けの週末延泊パッケージの案内が有効です。飲食店や交通サービスにおいても、平日の商談需要に加えて休日の観光需要を取り込めるよう、土日限定メニューや観光スポット周遊プランを用意することで、客単価と滞在期間の両方を伸ばすことができます。
延泊を前提としたキャンセルポリシーの柔軟化や、荷物の一時預かりサービスなど、出張後の観光に踏み出しやすい環境を整えることも後押しになります。

多言語での情報提供・予約導線

ブリージャー需要を取り込むには、出張者が滞在中に自ら情報を探し、その場で予約まで完結できる導線を整えることが欠かせません。ホテルのフロントや客室内に、周辺の観光スポット・飲食店・交通手段を多言語で紹介する案内があれば、限られた自由時間でも延泊や観光を検討しやすくなります。
公式サイトや予約サイトの多言語対応はもちろん、オンラインでの延泊手続きや観光プランの追加予約ができる仕組みがあると、忙しい出張者でも移動中や商談の合間にスマートフォンから手続きを完了できます。
自社だけで多言語対応の体制を整えるのが難しい場合は、翻訳サービスや多言語対応の予約システムを提供する外部の専門企業と連携する方法も選択肢になります。

5. よくある質問(FAQ)

Q1. 訪日ビジネス出張者と個人観光客は何が違いますか?

個人観光客は観光・体験を目的に時間をかけて日本を巡るのに対し、ビジネス出張者は商談や視察といった業務を主目的とし、移動や宿泊にかけられる時間が限られています。そのため、スピードや効率、静かに過ごせる環境への要望が強くなる傾向があります。

Q2. 訪日ビジネス出張者はどのくらい増えていますか?

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2024年に業務目的で来日した「商用客」は約119.9万人で、前年比12.3%増加しました。訪日外国人全体の伸び率を下回るものの、着実に増加している客層です。

Q3. ブリージャーとは何ですか?

ビジネス(business)とレジャー(leisure)を組み合わせた造語で、出張の前後に休暇を取って観光を楽しむ旅行スタイルを指します。延泊による宿泊需要の増加や、平日型の消費が休日にも広がる効果が期待されています。

Q4. 宿泊施設が訪日ビジネス出張者向けに整えるべき設備は何ですか?

客室内の安定したWi-Fi環境、デスクと十分な数のコンセント、静かな客室配置が基本です。加えて、24時間対応のフロントやキャッシュレス決済、簡易的なランドリー・プレスサービスなど、短時間で用件を済ませられる設備が求められます。

Q5. 飲食店が訪日ビジネス出張者を集客するコツは何ですか?

一人でも入りやすいカウンター席や個室の用意、提供時間の短縮、多言語メニューでの注文のしやすさが重要です。ランチタイムの短時間提供メニューや、キャッシュレス決済への対応も来店のハードルを下げます。

Q6. 交通・送迎サービスで求められる対応は何ですか?

定時性の高い配車、多言語での予約導線、決済のキャッシュレス化が基本です。空港や主要駅と宿泊施設・オフィス街を結ぶ定額制の送迎サービスは、時間を優先するビジネス出張者にとって特に価値が高いサービスです。

6. まとめ

訪日外国人の中には、観光客だけでなく着実に増加しているビジネス出張者という客層が存在します。移動・決済・通信のスピードや効率、静かに集中できる環境、短時間で満足できる飲食といった観光客とは異なるニーズを理解し、宿泊・飲食・交通のそれぞれの業種で実務的なサービス設計を見直すことが、この客層を取り込む鍵になります。あわせて、出張に観光を組み合わせる「ブリージャー」需要への対応を進めることで、滞在期間の延伸や客単価の向上にもつなげられます。
とはいえ、多言語対応や予約導線の整備、法人向け営業のノウハウを自社だけで一から構築するのは容易ではありません。訪日外国人向けの集客・受け入れ支援に強い専門企業への相談や、無料相談窓口での情報収集、インバウンド関連セミナーへの参加から、まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。

訪日ビジネス出張者の集客・接客体制づくりには、多言語対応や法人営業、予約システムの整備など、自社だけでは対応が難しい専門的なノウハウが必要になる場面が少なくありません。「何から手をつければよいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。貴社の状況に合わせた最適な支援企業をご紹介いたします。

参考文献

・日本政府観光局(JNTO)「国籍/目的別 訪日外客数(2024年)」
 https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
・観光庁「令和5年度 MICE総消費額等調査事業報告書」
 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001735208.pdf
・公益財団法人日本交通公社「ブリージャーに関する意識・動向調査」
 https://www.jtb.or.jp/tourism-culture/bunka242/242-03/

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