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訪日外国人のペット同伴受け入れガイド|宿泊・飲食・交通が対応すべきポイント

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訪日外国人の中には、愛犬・愛猫を同伴して来日し、長期滞在やワーケーションを楽しむ層が一定数存在します。対応可否が宿泊施設・飲食店・交通サービスの選択基準になりつつある今、検疫ルールや業種別の受け入れポイント、トラブル防止のリスク管理までわかりやすく解説します。動物検疫所の手続きや多言語対応の注意点もあわせて紹介します。

訪日外国人の中には、愛犬・愛猫を同伴して来日し、長期滞在やワーケーションを楽しむ層が一定数存在します。
ペット同伴の受け入れに対応しているかどうかは、宿泊施設・飲食店・交通サービスを選ぶ際の判断基準になりつつあり、対応の有無がそのまま集客力や口コミ評価に直結し始めています。
一方で、動物検疫の複雑な手続きや多言語情報の不足から、ペット同伴の訪日外国人自身も受け入れ先探しに苦労しているのが実情です。本記事では、訪日外国人のペット同伴需要が生まれる背景から、業種別の具体的な対応ポイント、受け入れ時に注意すべきリスク管理までを解説します。

この記事でわかること

  • ・訪日外国人のペット同伴需要が生まれる背景と、対応が集客・口コミに与える影響
  • ・ペット同伴の訪日外国人が直面する検疫手続き・情報収集の課題
  • ・宿泊・飲食・交通の業種別に押さえるべき受け入れ対応のポイント
  • ・受け入れ時に注意すべきトラブル防止と多言語対応のリスク管理

1. 訪日外国人のペット同伴需要とは

なぜペット同伴の訪日需要が生まれるのか(長期滞在・移住準備・ワーケーション等)

近年、訪日外国人の旅行スタイルは短期の観光だけでなく、数週間から数ヶ月に及ぶ長期滞在や、リモートワークをしながら滞在先での生活も楽しむ「ワーケーション」へと広がりを見せています。滞在が長期になるほど、家族の一員であるペットを日本に連れてきたいと考える旅行者は自然と増えていきます。
英国の市場調査会社が実施した調査によると、アジア太平洋地域に住むペットオーナーの68%が「ペットとの特別な旅行体験を求めている」と回答しており、世界的に見ても高い水準となっています。
訪日外国人の中には、移住や日本での長期就労の準備を兼ねて来日し、ペットとともに生活拠点探しを行う層も見られます。こうした背景から、ペット同伴に対応できるかどうかは、訪日外国人向けビジネスにとって無視できないテーマになりつつあります。

対応可否が集客・口コミに与える影響

ペット同伴の可否は、旅行者が宿泊先・飲食店・移動手段を選ぶ際の重要な判断基準になっています。宿泊予約サイトBooking.com Japanの調査では、世界の飼い主の42%が「ペットを連れていけるかどうかで旅行先を選ぶ」と回答し、日本の飼い主でも31%が同様に回答しています(出典:Booking.com Japan調査、やまとごころ.jp2019年11月掲載)。
また、Airbnbの調査によると、宿泊先を絞り込む検索条件として「ペット同伴可能」は2021年に人気検索条件の1位となり、前年から55%増加したと報告されています(出典:Airbnb調査、やまとごころ.jp掲載)。
国内のペット飼育者を対象にしたアイペット損害保険の2024年調査でも、犬の飼育者の63%が「積極的に、または可能であればペットと旅行に行きたい」と回答しており(出典:アイペット損害保険調査、2024年3月実施)、ペット同伴旅行そのものへの関心は国内外で高まっています。対応可否の情報を明確に発信できているかどうかが、選ばれる施設・店舗になれるかを左右する時代に入っているといえるでしょう。

2. ペット同伴の訪日外国人が抱える課題

検疫・持ち込みルールの複雑さ

日本にペットを連れて入国する場合、農林水産省動物検疫所が定める狂犬病予防法に基づく検疫手続きが必要です。犬・猫を輸入する際は、到着予定日の40日前までに動物検疫所へ事前届出を行う必要があり、国際標準規格(ISO)に適合したマイクロチップの装着、狂犬病予防注射の2回接種(1回目から30日以上の間隔)、狂犬病抗体価0.5IU/ml以上であることの確認(採血日から2年間有効)など、複数の条件を満たさなければなりません(出典:農林水産省動物検疫所「犬、猫の日本への入国」)。
これらの条件をすべて満たしている場合、到着後の係留期間は12時間以内に短縮されますが、書類や証明内容に不備があると、最長180日間の係留検査が必要になる場合があります(出典:同上)。準備不足のまま来日すると長期間ペットと離れて過ごすことになりかねず、旅行者にとって大きなハードルとなっています。

受け入れ施設・店舗を探す難しさ(多言語情報の少なさ)

検疫手続きをクリアしたとしても、次に訪日外国人が直面するのが「どこならペットと一緒に過ごせるのか」という情報探しの難しさです。日本国内にはペット同伴可能な宿泊施設や飲食店が一定数存在するものの、多くは日本語での案内にとどまっており、英語をはじめとする多言語での受け入れ条件の発信は十分に整っていません。
SNS上で外国人同士が体験談を共有し合って情報を探すケースも多く、公式サイトやOTA(オンライン旅行予約サイト)の情報だけでは、同伴可能なエリア・利用条件・追加料金の有無まで正確に把握しづらいのが実情です。受け入れ側が多言語で条件を明示していないと、せっかくの需要を取りこぼしてしまう可能性があります。

3. 業種別・ペット同伴対応のポイント

宿泊施設(客室・共用スペースの設計)

宿泊施設でペット同伴を受け入れる場合、まず客室内の設計を見直す必要があります。フローリング仕様への変更や消臭・防音対策、ペット用ベッド・食器の用意など、通常の客室とは異なる備品対応が求められます。共用スペースについては、ペット同伴可能なエリアと不可のエリアを明確に区分し、館内表示や予約サイト上で条件をわかりやすく伝えることが大切です。
客室タイプを分けて提供する、あるいは一棟貸しのコテージ型施設のように他の宿泊客と動線を分離できる形態を採用すると、ペットを連れていない宿泊客との接触を減らしながら受け入れを進めやすくなります。追加料金の設定や、同伴可能なペットのサイズ・頭数の上限を事前に明示しておくことも、トラブル防止につながります。

飲食店(テラス席・屋外利用のルール整備)

飲食店では、食品衛生の観点から店内へのペット同伴を一律に認めることは難しいケースが多いため、テラス席や屋外スペースを活用した受け入れが現実的な選択肢になります。屋外席をペット同伴可能エリアとして区分し、利用条件(リードの着用、ケージ利用の要否など)を明確にルール化しておくことが重要です。
繁忙時間帯における受け入れ人数の制限や、他の利用客との距離を確保する席配置の工夫も欠かせません。店頭やメニュー、予約サイトにペット同伴可否と利用条件を多言語で表示しておくことで、来店前の問い合わせ対応の負担も軽減できます。

交通・移動サービス(ペット同伴可否の明示)

送迎サービスやレンタカー、観光バスなどの交通・移動サービスにおいては、ペット同伴の可否と条件を事前に明示しておくことが何より重要です。ケージやキャリーバッグでの同伴を必須とするのか、大型犬の同伴は可能かなど、具体的な条件を予約段階で確認できる仕組みを整えましょう。
車両内の消毒・清掃体制や、ペット用のシートカバーなどの備品を用意しておくと、ペットを連れていない利用客の安心感にもつながります。多言語対応のウェブサイトや予約フォームに条件を明記しておくことで、訪日前の不安を解消し、選ばれるサービスになりやすくなります。

4. 対応する際の注意点・リスク管理

他の利用客への配慮・トラブル防止

ペット同伴を受け入れる際は、ペットを連れていない他の利用客への配慮も欠かせません。動物アレルギーを持つ利用客への対応として、ペット同伴エリアと非同伴エリアを明確に分けたり、換気・清掃の頻度を高めたりする工夫が必要です。
また、ペット同士のトラブルや、鳴き声・においに関する苦情を防ぐため、利用規約でリードの着用やケージの利用、無駄吠え時の対応などを明文化しておくことが望ましいでしょう。万が一のトラブルに備え、賠償責任保険への加入も検討しておくと安心です。

多言語での受け入れ条件の明示

受け入れ条件は、日本語だけでなく英語をはじめとする多言語で明確に発信することが集客の観点でも重要です。同伴可能なペットの種類・サイズ・頭数の上限、追加料金の有無、必要な書類(狂犬病予防注射の証明書など)を、ウェブサイトや予約サイト、店頭表示に明記しましょう。
条件を曖昧にしたまま受け入れを始めると、来店・宿泊後のトラブルや低評価の口コミにつながりかねません。多言語での丁寧な情報発信は、ペット同伴の訪日外国人からの信頼獲得と、口コミによる新規集客の両方に効果を発揮します。

5. よくある質問(FAQ)

Q1. 訪日外国人がペットを日本に連れてくる際、必ず検疫手続きが必要ですか?

はい。犬・猫を日本に持ち込む場合は狂犬病予防法に基づく検疫手続きが必須です。到着予定日の40日前までの事前届出、マイクロチップ装着、狂犬病予防注射などの条件を満たさないと、最長180日間の係留検査が必要になる場合があります(出典:農林水産省動物検疫所)。

Q2. 宿泊施設がペット同伴対応を始める際、最初に何をすべきですか?

まずは客室・共用スペースのどこまでを同伴可能エリアとするかを決め、追加料金や同伴可能なペットのサイズ・頭数の条件を整理しましょう。館内表示や予約サイト上で条件を明確に伝えることが受け入れの第一歩です。

Q3. 飲食店で店内へのペット同伴を許可しないと集客できませんか?

必ずしもそうではありません。テラス席や屋外スペースを同伴可能エリアとして区分し、利用条件を明示するだけでも、ペット同伴の訪日外国人にとって選ばれる店舗になり得ます。

Q4. 多言語対応はどこまで整備すればよいですか?

最低限、英語で受け入れ条件(同伴可否・料金・必要書類など)を明示することが望ましいです。主要な訪日外国人の国籍に応じて、他言語での案内を段階的に増やしていくとよいでしょう。

Q5. ペット同伴対応にはどのようなリスクがありますか?

他の利用客とのトラブルやアレルギー対応、鳴き声・においに関する苦情リスクがあります。利用規約の明文化や賠償責任保険への加入など、事前のリスク管理を整えておくことが重要です。

6. まとめ

訪日外国人の中には、長期滞在やワーケーションを目的に、ペットを同伴して来日する層が着実に存在しています。しかし、狂犬病予防法に基づく検疫手続きの複雑さや、多言語での受け入れ情報の少なさから、対応先を探すこと自体が旅行者にとってハードルになっているのが実情です。
宿泊施設・飲食店・交通サービスそれぞれが、業種特性に応じた受け入れ体制を整え、条件を多言語で明確に発信できれば、他社との差別化につながる大きなチャンスになります。他の利用客への配慮やトラブル防止のルール整備も忘れずに進めていきましょう。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。

訪日外国人のペット同伴受け入れ体制の構築には、多言語対応やインバウンド集客のノウハウを持つ専門企業のサポートが力になります。訪日外国人向けの受け入れ支援に強い専門企業への相談や、無料相談窓口での情報収集、インバウンド関連セミナーへの参加から、まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

参考文献

・農林水産省動物検疫所「犬、猫の日本への入国(指定地域以外編)」
 https://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/import-other.html
・HOTEL Review「ホテルに広がる新トレンド ペットと旅する時代へ」(2025年7月)
 https://www.j-hotel.or.jp/hotel-review/feature/hr752-01/
・やまとごころ.jp「2020年トレンド予測『ペットと一緒の旅行』、世界の飼い主4割超がペット同伴可能の宿を優先」(2019年11月、原典:Booking.com Japan調査)
 https://yamatogokoro.jp/inboundnews/pickup/35703
・やまとごころ.jp「Airbnb『ペット同伴可能』を検索する人、コロナ禍で55%増加」
 https://yamatogokoro.jp/inboundnews/pickup/46140/
・TravelVoice「愛犬と『一緒に旅行に行きたい』は6割、ペットツーリズム高まり、ペット年間支出『10万以上』は53%」(2024年5月、原典:アイペット損害保険調査)
 https://www.travelvoice.jp/20240501-155448

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