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【2019年版】カンボジア経済の最新状況 | GDP成長率7.5%を牽引する4つのエンジン

掲載日:2019年10月04日

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2019年におけるカンボジア経済の最新状況を、これまでの経済成長の歴史を振り返りつつ、今後の展望も含めて詳しく解説します。

結論から言ってしまえば、カンボジア経済の産業構造には「4つのエンジン」があると言われており、そのコアとなる「縫製業・製靴業」が、カンボジア経済全体を牽引しています。事実、世界銀行も2018年のカンボジアの経済成長率は17年の7%を上回る7.5%との見方を発表しています。

また、近年大きく伸長している「観光業」においても、2018年に43億5,000万ドルの総収益を得ており、前年の36億3,000万ドルから19.8%の増加を記録しています。

独裁政権として欧米諸国からの批判もあるフン・セン政権が中国への傾斜を強めていることから、「カンボジアの中国化」も懸念されてはいますが、若年層人口が多い高度経済成長国として、IMFは今後もカンボジア経済の成長が続くと予想しています。 本稿では、カンボジア経済の最新状況をメインテーマに、その基本情報と、経済的特徴、進出のメリットについて詳しく解説します。

1. カンボジア経済の基本概況

カンボジア経済の「4つのエンジン」とは?

カンボジア経済の産業構造においては「4つのエンジン」があると言われています。それは「縫製業・製靴業」「観光業」「建設業・不動産業」「農業」と4つとなります。

「縫製業・製靴業」

1つめの「縫製業・製靴業」ですが、これは近年急速に拡大した「カンボジアからの輸出」の牽引役とも言える産業です。日本およびアメリカ・ヨーロッパ諸国のアパレル企業が、人件費の安いカンボジアに対して、自社の低価格製品の生産委託を増加してきたことが大きな要因となっています。

またカンボジアは後発開発途上国(※ LDC=Least Developed Country)なので、先進諸国から輸入関税を免除されていることも、カンボジア産の縫製品の輸出拡大を後押ししています。

※国連開発計画委員会(CDP)が認定した基準に基づき,国連経済社会理事会の審議を経て,国連総会の決議により認定された特に開発の遅れた国々。3年に一度LDCリストの見直しが行われる。(外務省HPより抜粋)

「観光業」

2つめは「観光業」です。カンボジアの観光業は2018年に43億5000万ドルの総収益を得ており、前年の36.3億ドルから19.8%の増加を記録しています。

その内訳としては、中国人観光客が最大の供給源とされており、200万人近くの中国人がカンボジアへ訪れているとの報告もあります。

ちなみに2017年における観光業の収益は、前年比13.3%増の36億3000万ドル。外国人旅行者数は560万人で、前年比11.8%の増加した。さらに2020 年には年間 750 万人の外国人訪問者数を想定しています。

「農業」

4つめは「農業」になります。

カンボジアの経済財政省によると、国内における農業の成長率は、2003~2007年が7.2%、2008~2012年が4.5%となっており、過去5年間では1%に低下。GDP(国内総生産)における農業比率は、2008~2012年の33.6%から、5年間では27.1%に減少しています。

上記のように、カンボジア経済における農業が占める割合は少しずつ低下しているものの、いまだ25%以上と高い水準にあり、主要産業として位置づけることができます。

第二次・第三次産業を主体とする経済構造へ

上記のことから、カンボジア経済における産業構造は、先述の縫製業などの発展もあり、第一次産業から第二次産業および第三次産業を主体とする構造に移行しつつあるといえるでしょう。

2. カンボジア経済・社会の特徴

若年層人口が多い高度経済成長国

続いては、カンボジア経済および社会の特徴について見ていきましょう。

そもそもカンボジアという国は、1991年カンボジア和平協定までの約20年間内戦状態でした。1970年代のポル・ポト政権下における知識層に対する虐殺や、長年の内戦による戦禍により、人口の約3割が殺害されてしまったという過去があり、人口ピラミッドの構造が他国と比較して歪な形となっています。

具体的には、国民の平均年齢は24.5歳と若年層の比率が非常に高く、14歳以下の国民が人口の3割以上を占めています。

1998年に国連代表権を回復し、1999年にASEANに正式加盟することで、国際社会へ復帰、しました。しかし、内戦後の労働生産人口が少ないという社会状況によって、国内産業の成長が著しく阻害されてきたという過去があり、2019年の現在にいたるまで、自国の経済活動を外資企業に依存せざるを得なかったという状況があります。

そのような背景から、カンボジアの経済市場では、外資企業の投資への規制がほとんど存在していません。これはカンボジアに投資する外資系企業にとって大きなインセンティブにもなっています。

また、国内マーケットにおいても、先述の内戦を経たことで、自国通貨である「リエル」よりも、国連が持ち込んだ米ドルへの信頼が優先される傾向が続き、現在に至るまで、極度に米ドル化した経済市場となっているのが特徴です。

そのような歴史を辿ってきたカンボジア経済ですが、2004年から2007年には二桁増の実質GDP成長率を記録し。2019年現在も飛躍的な成長を遂げています。

3. カンボジア経済の最新状況【2019年版】

IMFは今後もカンボジア経済の成長が続くと予想

前項でも述べたように、2004年から2007年にかけて、カンボジアは二桁増の実質GDP成長率を記録しており、2019年現在も飛躍的な成長を遂げています。

結論から言えば、カンボジアは高度経済成長の国と言えます。1998年のアジア経済危機の後から、後述する2009年の世界金融危機前の2007年の10年間で、平均GDP成長率は9.4%に達していました。

2009年には、サブプライムローン問題に端を発した世界同時不況の影響を受け、実質GDP成長率は+0.1%と落ち込んでしまいます。しかし、2010年以降は急回復を遂げ、翌2010年は6.0%にまで回復しています。

2011年~2018年も7%前後の成長を続けており、 IMFは今後も6~7%成長が続くと予想しているのです。

2019年9月にアジア開発銀行(ADB)が発表した「アジア経済見通し2019年改訂版(Asian Development Outlook (ADO) 2019 Update)」によると、カンボジア経済は引き続き堅調に成長すると見られており、2019年のGDP成長率は7.0%(前回予測7.0%)、2020年は6.8%(前回予測6.8%)と予測されています。

米中貿易戦争などによる世界経済のピークアウトや、先進国および中国、インド、韓国、タイなどアジアの主要経済国の成長が減速する中で、カンボジア経済は、好調な輸出、観光、国内需要などによって成長するとされています。

4. カンボジア経済の基本情報&輸出・輸入の状況

カンボジア経済の基本情報

カンボジア経済の基本情報については、下記に表を添付しますのでご確認ください。

カンボジア経済_01

※外務省 「カンボジア王国(Kingdom of Cambodia) 基礎データ」 より抜粋

カンボジア経済の基本情報&輸出・輸入の状況

続いては、カンボジア経済における輸出および輸入の状況について簡潔に述べていきます。

結論から言えば、カンボジア経済は長きに渡って、輸入が輸出を上回る状況にありました。当然、貿易収支も赤字が続いており、それを、先述の観光収入や、海外からの直接投資、および援助などでまかなってきました。

しかし近年は輸出が伸びていることもあり、高成長が続いており、2015年度の貿易額は前年比14.2%増で、輸出入ともに増加傾向にあります。



■輸出構造

先進国から付与された特別特恵関税を活用した、外資企業による衣類・繊維製品や靴の輸出が中心となっており、その輸出先も、日本・アメリカ・カナダといった先進国が圧倒的なシェアを占めています。

■輸入構造

輸入としては、主力である衣類製品などの原材料がもっとも多くなっています。続いて燃料・潤滑油、機械・輸送機械となっています。

輸出先が先進国中心だったのに対して、輸入元はアジア諸国が中心となっています。具体的には中国が最大の輸入元で、ASEANが続いています。

また、隣国であるタイからの2018年の輸入額が前年比30.6%増加していることにも注目です。

5. 5. 中国マネー依存・中国化問題とは?

「カンボジアの中国化」とは?

このセクションでは、近年クローズアップされている、カンボジア経済における中国との関係性について考察していきます。

近年、カンボジアでは中国の存在感が大きくなっていることが各メディアで報道されています。事実、中国企業による縫製品の製造や輸出は増加しており、さらに「中国マネー」を背景とした不動産開発やインフラ建設が急増しています。

中国の広域経済構想である「一帯一路」にも深く関係しており、先述のように中国人観光客が牽引する国内観光産業の活性化など、いまやカンボジア経済は中国抜きには語れず、世界情勢において「カンボジアの中国化」も懸念されていることは心に留めておくべきでしょう。

6. カンボジア進出・投資のメリット&デメリット

カンボジアでは、外資系企業が中国やタイから生産拠点の一部を移管する、いわゆる「チャイナプラスワン」「タイプラスワン」と呼ばれる動向があります。

日本企業のカンボジア進出も、労働集約型産業を中心に増加傾向にあります。

最後のセクションでは、カンボジア進出のメリット&デメリットについて考察していきます。

カンボジア進出のメリット

■人口ボーナスによる就労人口の安定

いわゆる「人口ボーナス」の残存年数が長く、若年層人口の増加を背景とする所得向上・経済成長が長期にわたり期待できること。就労人口が多いことは、今後の経済成長にとって大きなアドバンテージとなります。

■依然続く低賃金

賃金水準については、今後上昇していくことが予想されれますが、依然として低水準であること。ちなみに2019年の縫製業の最低賃金は182米ドルでした。

■外国投資法による優遇措置

カンボジアの外国直接投資(Foreign Direct Investment=FDI)に関する法制度は、その規制がほとんどなく、むしろ投資を奨励するようになっています。土地所有を除いて、内国法人とほぼ変わりなく扱われており、多くの分野で外資系企業が活動しやすい状況にあります。

カンボジア進出のデメリット

■インフラ問題

カンボジア国内のインフラ整備は、他の後発新興国と比較しても遅れています。その中でも電力インフラは脆弱とされています。

■法制度の未整備

賃金水準については、今後上昇していくことが予想されれますが、依然として低水準であること。ちなみに2019年の縫製業の最低賃金は182米ドルでした。

■外交投資法による優遇措置

法律・精度の不備、汚職の問題なども、カンボジア進出における懸念事項のひとつとして挙げられます。ただ、2008年に発効した日本カンボジア投資協定の一環として「官民合同会議」が開催されており、投資環境整備に関する改善が進んでいます。

7. 優良なカンボジア進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリのカンボジア進出サポート企業をご紹介します

今回はカンボジア経済の最新事情について解説しました。「タイプラスワン」「ベトナムプラスワン」の候補先として注目を集めるカンボジア。

日系企業としては、これまでの製造業だけでなく、不動産業をはじめとした第3次産業の進出が目立っています。さらに投資環境が整備されれば、今後も進出を検討する日系企業はさらに増加していくことでしょう。

当然ながら、カンボジアに進出する際には、どのような事業形態にせよ、現地のパートナーを探すことは必要不可欠です。

「Digima〜出島〜」には、厳選な審査を通過した優良なカンボジア進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

「カンボジア進出の戦略についてサポートしてほしい」「カンボジアでの事業計画立案のアドバイスがほしい」「カンボジアに進出したいが何から始めていいのかわからない」…といった、多岐に渡るカンボジア進出におけるご質問・ご相談を承っています。

ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが、御社にピッタリのカンボジア進出サポート企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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(参照文献)
・外務省 「カンボジア王国(Kingdom of Cambodia) 基礎データ

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この記事を書いた人

SukegawaTakashi

助川 貴

株式会社Resorz

「Digima〜出島〜」編集部・コンテンツディレクター。 雑誌編集・書籍編集・WEB編集を経て現職。 これまでに、アメリカ・イギリス・インド・中国・香港・台湾・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・マレーシア・シンガポール・インドネシア・エジプトなどの国・地域へ渡航。趣味は、音楽・スノーボード・サーフィン・ドローンほか。

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