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加速する「中国からの生産移管」| 米中貿易戦争と新型コロナウイルスがベトナム経済に与える影響とは?

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世界で加速する「中国からの生産移管」について、その要因でもあった米中貿易戦争の恩恵を受ける「ベトナム経済の現状」と、2019年12月より中国湖北省武漢市で発生した「新型コロナウイルス」の拡大が「中国からの生産移管」に与える影響についても考察していきます。

2020年2月現在、中国製造業の海外移転の波が世界を覆っています。世界で事業を展開するグローバル企業はもちろん、中堅企業においても「中国からの生産移管」の波が広がりつつあるのです。

世界中の企業が「自社製品の生産拠点を中国から移転する」要因とは? 中国からの生産移管を実施あるいは検討しているのはどんな企業なのか? 中国生産の移管の恩恵を受けているベトナム経済の現状とは…?

本テキストでは、世界で加速する「中国からの生産移管」の現状について、海外ビジネスに従事しているならば強く認識しておくべき実情と併せて解説していきます。

1. 米中貿易戦争に加えて新型コロナウイルスの拡大が中国外への生産移管を促進している!?

アップル、任天堂などグローバル企業が相次いで生産移管

中国製造業の海外移転の波が世界を覆っています。2020年2月現在、世界で事業を展開するグローバル企業はもちろん、中堅企業においても「中国からの生産移管」の波は広がってきているのです。

さる6月には、米アップルがiPhoneなどの中国での集中生産を避けるように主要取引先へ要請したことが話題となりました。

続く7月には、日本の任天堂が主力となる家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の生産ラインの一部を中国からベトナムへ移管する旨を発表しました。さらに同月、シャープのパソコン子会社ダイナブックは、アメリカ向けのノートパソコンの生産に関して、中国以外への生産拠点の移転を検討している旨を明らかにしています。

米中貿易戦争による制裁課税が世界にもたらす影響とは?

このように世界中の企業が「自社製品の生産拠点を中国から移転する」旨を表明あるいは検討している最大の理由は、これまでは、出口がまったく見えてこない「長期化する米中貿易戦争」でした。さらに2019年12月より中国湖北省武漢市で発生した「新型コロナウイルス」の拡大が、「中国からの生産移管」を加速させていると言われているのです。

ここで改めて、まずは簡潔に米中貿易戦争について振り返っておきましょう。一言で言えば、米中貿易戦争とは「アメリカと中国による、お互いの国の輸出品に対する関税の引き上げ合戦」を指します。

その発端は、2018年3月にトランプ政権が、中国からアメリカへ輸出される鉄鋼製品に関税をかけたことでした。さらに同年7月にはロボットなど約800品目に対して、340億ドル相当の25%の関税を、続く8月には半導体などの約300品目に対して160億ドル相当の25%の関税をかけると圧力をかけました。

そんなアメリカの中国製品に対する関税処置に対抗して、中国の習近平政権も黙ってはいませんでした。2018年3月に大豆などの約500品目に340億ドル相当の25%の関税を、同年7月には自動車などの約300品目に160億ドル相当の25%の関税をかけるとの声明を発表したのです。

同年8月、両国の追加課税合戦はさらにエスカレートします。

アメリカが家具・家電などの約5,700品目に2,000億ドル相当の10%関税をかけると発表すると、中国は液化天然ガスなどの約5,200品目に600億ドル相当の5%または10%の関税をかけることで対抗したのです。

世界各国の企業が「中国からの生産移管」を視野に

2020年現在、2018年12月のアルゼンチンおよび、2019年6月の大阪での「G20(主要20ヵ国・地域)サミット」を経て、途中ファーウェイ問題などあったものの、トランプ大統領と習近平国家主席は会談し、現時点で「米中貿易戦争は休戦」とされています。

しかし、中国に生産拠点を持ち、かつアメリカ市場で大きな売上を上げている世界中の企業にとって、先述のような関税リスクを回避することは必須事項です。

仮にアメリカ政府に自社の製品に関税が課せられた場合、その関税を販売価格に転嫁すれば、小売価格でも大きな値上げを必要とするケースが多々あるからです。

「世界の工場」と称される中国に生産拠点を持つ企業は多々あります。そして、世界の市場規模ランキングにおいて中国・アメリカは常に2トップに位置しています。誤解を恐れずに言えば、グローバル市場に参入している企業の中で、この両国の市場を長期的な経営戦略に入れていない企業はほとんどないと言ってよいでしょう。

米中貿易戦争の勃発より約1年半。両国の貿易摩擦の収束の道筋はまったく見えない状況です。そして、いよいよ世界各国の企業が「中国からの生産移管」を実施あるいは視野に入れ始めた矢先に、2019年12月より中国湖北省武漢市で発生した「新型コロナウイルス」の拡大が加わったのです。

2. 中国から生産移転をするグローバル企業

中国生産を移管する世界のグローバル企業とは?

では、中国からの生産移管を実施あるいは検討しているのはどんな企業なのでしょうか? このセクションでは「中国生産を移管」する世界の企業について解説します。

以下、国別で見ていきましょう。

日本企業の生産移管

■ 任天堂
先述したように「任天堂」が主力のゲーム機「ニンテンドースイッチ」の生産の一部を中国からベトナムに移管することを発表。

■ カシオ計算機
「カシオ計算機」は、先日〝見送り〟が決定した、〝ほぼすべての中国製品に制裁関税を広げる「米関税第4弾」〟を見越して、自社のアメリカ向け輸出分を、中国から日本やタイの工場へ切り替える方針。

■ コマツ
「コマツ」は、自社の建築機械部品の生産を、アメリカやタイおよび日本に移管。

■ リコー
「リコー」は、コピーおよびプリンターの複合機のアメリカ向け生産において、中国からタイへの全面移転を決定。

■ アシックス
「アシックス」は、ランニングシューズなどの一部商品の生産をベトナムに移管します。

アメリカ企業の生産移管

■ アップル
「アップル」は世界に分散する自社製品の各サプライヤーに「中国生産のうち15〜30%」を海外に分散するよう」に要請。それを受けて中国の「ゴーテック」は、アップルのワイヤレスイヤホン「AirPods」の生産をベトナム北部にて開始します。

■ ブルックス
スポーツアパレル企業の「ブルックス」は、、同社のランニングシューズに関税が45%かかることを予測して、自社のランニングシューズの生産を中国からベトナムに移管することを決定しています。

台湾企業の生産移管

■ 鴻海(ホンハイ)
「鴻海(ホンハイ)精密工場」は、アップルより請け負っているiPhoneの最新モデルの生産を、2019年内にインド南部へ移管することを発表。

■ 華碩電脳(エイスース)
パソコン大手の「華碩電脳(エイスース)」は、自社のパソコンの生産を台湾やベトナムへ移管。

■ 和碩聯合科技(ペガトロン)
その華碩電脳(エイスース)から独立した「和碩聯合科技(ペガトロン)」も、中国での通信機器の生産ラインの一部を、インドネシアへ移管しています。

中国企業の生産移管

■ TCL集団
家電大手の「TCL集団」は、自国ではなく、ベトナム北部クアンニン省にて、自社のスピーカーやヘッドホンなどの生産を計画しています。

3. トランプが発動する「中国製品への制裁課税 第4弾」とは?

9月1日実施の「第4弾」が15%に引き上げ、一部品目の発動は12月を予定していた

2019年8月の時点で、トランプ政権は中国に対して第1弾(リスト1)〜第3弾(リスト3)までの制裁課税を課していました。さらに同年8月23日、このすでに発動している第3弾までの関税率を25%から30%に引き上げると発表。

9月1日には、ほぼすべての中国製品に制裁関税を広げる「第4弾(リスト4)」が控えていましたが、当初10%で発動する予定であった関税率を、15%に引き上げる方針も併せて発表しました。

ただ、その「第4弾」に関しては、関税の一部がアメリカ消費者に与える影響を考慮して、スマートフォンやPCや玩具といった一部の品目の発動を12月15日に先送りする旨を発表していました。

その具体的な先送り対象となる555品目には、先述のスマートフォンやPCに加えて、ゲーム機や特定の玩具、特定の靴や衣服といった品目が含まれていました(※前出した「カシオ計算機」が生産拠点を中国から移転した理由も、この第4弾の実施を受けてとのこと)。また、健康や安全、安全保障に関わる製品は除外されています。

2020年1月15日の貿易協議「第1段階」の合意で貿易摩擦は一時休戦となったが…?

世界中が両国の対立がいよいよ大詰めになったことを意識する中、2020年1月15日、アメリカと中国両国は、貿易協議「第1段階」の合意文書に署名。中国がアメリカ商品の輸入拡大や知的財産権保護などに応じる代わりとして、アメリカは2018年夏以降初となる制裁関税の一部を引き下げることに合意。

なんとか米中貿易戦争は「一時休戦」状態となったのです。

しかし、それもつかの間…2019年12月より中国湖北省武漢市で発生した「新型コロナウイルス」によって、世界中の企業が中国市場を見限る動きが更に加速しつつあるというのが現在の状況です。

4. 米中貿易戦争と新型コロナウイルス拡大がベトナム経済に与える影響とは?

ベトナムの経済成長率が前年比6.71%に

米中貿易戦争を発端にしつつ、さらに新型コロナウイルスの拡大で加速する「中国からの生産移管」の大きな恩恵を受けている国があります。

それがベトナムです。

ベトナム統計局が発表した2019年4〜6月期の実質成長率は前年同期比で6.71%でした。それを牽引したのは、対アメリカ輸出の伸長です。

アメリカが中国製品に課す制裁課税を回避するため、東南アジアの中でも比較的生産コストが低いベトナムに、中国から生産拠点を移転する企業が相次いでいるのです。

その結果、ベトナム国内の雇用創出にも好影響が出ており、GDPの支出面から見ても、その7 割を占める個人消費などの最終消費支出が前年同期より7%増加しています。

さらに、中国にほど近いベトナム北部のハイフォン市の実質成長率は2018年の時点で16%。同市は輸出港である「ハイフォン港」があり、この伸び率は、18年7月にアメリカより発動された対中国の制裁課税「第1弾」の恩恵を受けているとされています。

またハイフォンにおける最大の工業団地である「DEEP C」にも、中国からの生産移転を目論む、中国企業からの視察が増加しているとの報告もあります。

ベトナムが中国製品の「迂回輸出」の温床に…

まさに「中国からの生産移管」の追い風を受けているベトナムですが、懸念事項も存在します。

先述のようなベトナムの対米輸出増加にともなって、中国による原産国の偽装が相次いでいるのです。具体的には、ベトナムが、原産国の偽装がほどこされた中国からの輸入品が第三国に流れる「迂回輸出」の温床になっているということです。

トランプ大統領は、ベトナム政府が「迂回輸出」を取り締まらなければ、ベトナムにも制裁関税を課す旨を示唆しましたが、ベトナム政府も、自国における原産国偽造防止に向けた法令作りをスタートしています。

5. 中国に依存していた「世界のサプライチューン」の再編化とは?

ベトナムやインドなどの中国周辺国への投資額が上昇中

いったんは事態の収束が見えてきた米中貿易戦争でしたが、このたびの新型コロナウイスルの拡大によって、ベトナムやインドなどの中国周辺国への投資額が軒並み1〜3割ほど上昇しているとの報告もあります。

日本総合研究所の三浦有史上席主任研究員による「世界市場は『中国』と『非中国』に分かれる可能性が出てきた」という見方も現実味を帯びてきました。
※出典:「米中対立、長期化を懸念 中国は外資引き留め躍起」日本経済新聞

もちろん中国政府は外資企業の引き留めを画策しています。そして、中国がいまだ「世界の工場」であることは言うまでもありません。

ただ、長引く米中貿易戦争および新型コロナウイスルの拡大が「世界のサプライチューン」の再編化を促しているという現在の状況は、海外ビジネスに従事する立場にあるならば強く認識しておくべきことであることは言うまでもないでしょう。

6. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

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今回は、世界で加速する「中国からの生産移管」ついて、米中貿易戦争と新型コロナウイルスの影響を受けるベトナム経済と併せて解説しました。

先述したように、中国政府は外資企業の引き留めを画策しています。そして、中国がいまだ「世界の工場」であることは言うまでもありません

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    最も成功しているマーケターは、消費者が何を求めているのかをより深く理解するために、トレンドやテクノロジーを常に把握しています。リサーチや情報分析はBtoCのマーケティングに活用されてきましたが、BtoBにおいても重要です。ユビークは、双方の分野でトップレベルの研究・分析を行うだけでなく、VRのような新しい技術を製品開発やマーケティングキャンペーンのテスト段階の時間短縮・コスト低減に活用している企業との提携を進めています。

    これからのユビーク

    ユビークは今後もグローバル企業に直接サービスを提供するとともに、広告代理店と連携したプロジェクトを遂行していきます。この2つの顧客基盤を拡大しながら、リソースやサプライヤーのネットワークを構築することで、個々のプロジェクト課題に最適な人材のマッチングを図ります。同時に、VRをはじめとする新しいビジネスチャンスに挑戦。中長期的には、企業や代理店に最高品質の成果を提供するために、ニッチを開拓します。また、日本のみならず海外のグローバル企業とのコンサルティング関係を構築し、新しい技術を積極的に導入することにより、バーチャル化が進む世界でコミュニケーションを強化していきます。

    ユビークはデジタル時代にふさわしいプロセスと統合的なアプローチによって課題を解決する、信頼のおけるパートナーになりたいと考えています。重要なのは、未来に向けた理想のロードマップを戦略的に構築することです。日本から世界へ、世界から日本へ。時と場所を超えたコミュニケーションで人とブランドをつなぎ、ブランドにクリエイティブな力を吹き込む。それがユビークです。

    ぜひ、思いを一緒にかなえましょう。

    ユビーク株式会社
    代表取締役
    マイケル・フーバー

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