アルメニアの「ITビジネス」の実態とは?【アルメニア現地調査レポート〈後編〉】
前回のアルメニア現地調査レポート『「アルメニア」への海外進出の可能性とは?』では、ビジネスの基盤となる治安、物価・人件費・人材、ビジネス環境、外資優遇措置などを中心にアルメニア進出に関して基本となる情報をお伝えいたしました。
21世紀におけるアルメニアは、旧ロシア圏のシリコンバレーとも呼ばれ、現在、国を上げてIT立国を目指しています。首都エレバン中心部では、ほとんどのレストランやカフェでフリーWIFIが使用可能で、ITインフラも整っており、グローバルなITビジネスの場として注目を集めているのです
後編となる本テキストでは、アルメニアのITビジネスにスポットを当てて、「アルメニアの「ITビジネス」の実態とは?」と銘打って、次世代のITビジネスの集積地としてのアルメニアの更なる魅力をレポートします。
▼アルメニアの「ITビジネス」の実態とは?【アルメニア現地調査レポート〈後編〉】
▼アナタのアルメニアビジネスを成功させるために
1. アルメニアのIT企業の実態
アルメニアには約500社以上のIT企業が存在する
アルメニアのIT企業は、おもに欧米からのアウトソース・BPO系と自社サービス系に分かれています。
最近では、画像編集アプリで世界2億人のダウンロード数を誇る「PicsArt」や、2G/EDGEからでも通信が途切れにくく、無料で電話やテレビ電話などができるソフトウェアを開発した「Zangi」などの成功に追随してアルメニア発のベンチャー企業が年々増加しており、IT熱が高まっています。IT企業数は500社を越えていると報告されています。
(参照:アルメニアIT企業ガイドHP http://itguide.eif.am)
2. アルメニアのIT人材の実態
多言語環境の中で英語を使いこなすアルメニアのIT人材
では、アルメニアのIT企業が抱えるIT人材はどのような人材なのでしょうか?
IT人材の給与は物価と同様、日本の3分の1程度ですが、徐々に高騰してきています。現地での聞き込み情報に基づくと、相場としてはITエンジニアの給与はおおよそ下記のような状況のようです。
インターン : 300 USD
一般のエンジニア : 1,000 USD
シニアエンジニア : 2,000 USD
そして、ITに関わらずアルメニア人は多言語に精通する多言語人材です。
アルメニアは旧ロシア圏であるため、ロシア語が母語レベルの人材が豊富で、多言語環境であるため、言語センスが非常に高い人材が多いことも魅力です。
現在、大学で言語を学んでいる人数がもっとも多いのは英語で、首都エレバンではほとんどの店で英語が通じます。
アルメニアのIT人材は、ほぼ誰もが英語を使いこなして仕事をしています。また、フランス語のカスタマーサポートセンターがテクノパーク内にもあるなど、フランス語人材も見つけやすいとの情報を得ています。
さらに、首都内の大学からの情報ではドイツ語人材も比較的豊富にいるとのことで、BPO系としても、ヨーロッパ進出拠点には向いていると考えられます。
3. 5年後には急増するアルメニアIT人材、その理由とは…?
すでにアルメニア国内ではIT人材が不足しつつある
実はアルメニアではIT人材がすでに不足してきているのが現状です。
企業は大学のIT学部・学科に助成金や寄付を出して連携し、学生を青田買いする動きになっています。
しかしながら、アルメニアには政府、大学機関、民間でIT人材増加のための様々な施策を行っており、今後5年程でIT人材が急速に増加する可能性があります。国手動でIT人材育成を加速させる動きがあるのです。
そこで、本テキストでは、その中でも特に注目すべきIT人材育成プログラムを行う「TUMOセンター」について紹介します。
TUMOセンターについて
TUMOセンター(正式名称:Tumo Center for Creative Technologies)とは、世界で最も進んだIT教育機関のひとつとして知られています。
センターが入るビルの一部スペースをIT企業に貸し出し、オフィス賃貸料をエレバン市内から通うの子供のIT教育に還元するという画期的な仕組みで運営されています。
賃貸料は平米あたり25ドルとアルメニア国内では最も高い部類に入りますが、施設や立地の素晴らしさもさながら教育の質の高さには目を見張ります。
TUMOセンターでは参加する子どもたちが放課後、ほぼ無料でITのトレーニングを受けられます。参加費は初めに25ドルの入学費のみで、その後は全くの無料です。
12歳から18歳までの子供たちがプログラムに参加でき、現在国全体で1万人、エレバン市内の14%の子供どもたちが参加しており、第2都市ギュムリ市の25%、第3都市ヴァナゾル市の30%の子供が参加しています。
2018年にはTUMO出身の子どもたちが初めて大学に入学する年齢に達しますが、彼らが大学を卒業する5年後からは多くのTUMO出身者がIT人材として社会に輩出されていくでしょう。
TUMOセンターの教育は基本的に全て独自のEラーニング教材で構成されており、参加者はプログラミング、ゲームデザイン、グラフィックデザイン、動画、サウンドクリエーション、3D映像処理までレベルの高い教育を受けることができます。
今回、取材をにうかがった際に、仮想通貨やブロックチェーンの仕組みを学ぶ子供を目の当たりにしたのは驚きでした。またクリエイティブ教育として、多様なワークショプを開催しており芸術・音楽などのプログラムも実施しています。国内外からボランティアの講師募集しており、特に主に海外のITエキスパートのオファーを強く望んでいます。
TUMOの活動は特に素晴らしいですが、国全体に、アルメニア国内のIT人材を増やしていこうという流れができており、今後5年〜10年でのIT人材の更なる増加が期待できるのです。
4. アルメニアは次期シリコンバレーとなり得る!?
アルメニアのITベンチャー優遇策とは?
前項までで触れましたが、アルメニアを代表するベンチャーであるPicsArtやZangi 、また、電子系設計ソフトウェア (EDAツール) を開発・販売で世界トップ3に入るSynopsisのアルメニア社などは、シリコンバレーを意識したオフィスを意識しており、オフィスの自由度が高く、福利厚生も充実させているのが見受けられました。
テクノパークは入居企業は外資系が半分で、賃料はスタートアップ企業には平米6ドル〜とかなり低価格でのオフィス賃貸を提供しています。テクノパーク内も無料のレストランを設置するなど福利厚生が充実していました。
また、アルメニアには以下のようなITベンチャー企業への優遇策もあります。
<アルメニアのITベンチャー優遇策>
① 最低資本金規制がない(1$で登記可能)
② ITスタートアップは設立から3年間法人税10%のみ(通常20%)
③ 上記期間は利益税が0%、その間従業員の所得税も免除
④ 株の売却益に対する税金は0%(2018年に10%になる可能性)
⑤ 海外送金に関する税金はかからない
⑥ 外資100%でも会社設立可能
⑦ 現地人雇用の制限なし 外国人のみで設立も可能
⑧ アルメニア国内で起業した場合、一時居住権又は永住権が与えられる
免税を受けるには、会社登録後に経済省に申請して審査を受ける必要があります。問題がなければ、申請後約30日で許可が下ります。またIT分野と認められる条件ですが、例としてはカスタマーサポートと情報発信・更新などもIT分野の範囲内とされており、3年間の免税対象(所得税10%、利益税なし)となります。
参考:アルメニア経済省聞き込み調査及び配布資料、現地団体資料
●12-Reasons-to-Register-Your-Online-Business-in-Armenia.pdf
●Investment_guide_Armenia.pdf
●file:///C:/Users/user/Downloads/KPMG_Your_Business_in_Armenia.pdf
5. 優良なアルメニア進出サポート企業をご紹介
御社にピッタリのアルメニア進出サポート企業をご紹介します
世界的にみて、現在のアルメニアは、IT人材の規模としてはまだ発展途上ですが、子どもたちへのIT教育が充実しており、今後5年程度で劇的に状況が変化する可能性が大いにあります。そのため、ヨーロッパ進出の拠点として、ブルーオーシャンの状態のうちにアルメニアを選択するのが得策です。
また人件費や賃貸料の安さはやはり魅力です。さらに、英語、ロシア語、フランス語、ドイツ語など、外国語人材も豊富で、言語力を利用したサービスとしても拠点になる可能性があります。今のうちにアルメニア進出を計画すれば、近い将来大きなメリットが得られるはずです。
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↳アジア②(日本・香港・シンガポール・台湾・韓国)
↳アジア③(ドバイ・サウジアラビア・インドバングラデシュ・モンゴル・ミャンマー)
↳欧米(アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ)
※サポート内容により、対応の可否や得意・不得意な分野はあります。
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■対応施策ラインナップ
①"市場把握"サポート
目的は"海外現地を理解し、事業の成功可能性を上げる"こと。
(以下、含まれる施策)
↳市場概況・規制調査
↳競合調査
↳企業信用調査
↳現地視察企画・アテンド
②"集客活動"サポート
目的は"海外現地で売れるためのマーケティング活動を確立"すること。
↳多言語サイト制作
↳EC運用
↳SNS運用
↳広告運用(Google/Metaなど)
↳インフルエンサー施策
↳画像・動画コンテンツ制作
③"販路構築"サポート
目的は"海外現地で最適な海外パートナーとの取引を創出"すること。
↳商談向け資料制作
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↳アポイント取得
↳商談創出・交渉サポート
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④"体制構築"サポート
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