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ロシア撤退企業の最新動向|2026年の国際データで見る実態

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「ロシア撤退企業の一覧を知りたい」「自社の取引先・競合がロシア事業をどう扱っているか把握したい」——ロシアとの取引経験がある企業だけでなく、カントリーリスクへの備えとして他社の動向を参考にしたい企業からも、こうした関心が寄せられます。

ロシアのウクライナ侵攻から4年以上が経過した2026年時点でも、外国企業の「完全撤退」は依然として一部にとどまっており、調査機関の追跡対象企業のうち過半数が、何らかの形でロシアでの事業を継続しています。一方で、撤退や事業停止を選んだ企業の数は侵攻直後から着実に積み上がっており、業種や企業ごとに判断が大きく分かれる状況が続いています。

本記事では、国際的な調査機関が公表しているデータをもとに、2026年時点のロシア撤退企業の実態と、日本企業の動き、撤退可否を判断する視点を整理して解説します。

この記事でわかること

  • ・ロシアから撤退した外国企業の数を示す、信頼できる国際的な統計データ
  • ・2026年時点で、依然としてロシアで事業を続ける企業がどれだけ存在するか
  • ・企業がロシア事業の「撤退」と「継続」を判断する際の主な分かれ目
  • ・日本企業の具体的な撤退・事業縮小の動き
  • ・海外事業のカントリーリスクを見極める上で参考になる視点

1. ロシア撤退企業の実態を示す代表的な調査データ

ロシアから撤退した外国企業を網羅的に追跡している代表的な調査機関が、ウクライナのキーウ経済大学院(KSE)に設置された「KSE研究所」です。同研究所は「Leave Russia」というデータベースで、侵攻開始以降の外国企業の動向を継続的に公表しています。

2026年に公表された同研究所のデータによると、侵攻開始から2026年前半までの間に、ロシア事業から完全に撤退した国際企業は累計で565社にのぼります。一方で、調査対象となっている企業全体のうち、約55%は依然としてロシアでの事業を継続していると報告されています。データベース上の分類では、「事業を継続する(stay)」に区分される企業が2,362社、「事業を縮小・撤退した(leave)」に区分される企業が1,373社とされており、完全撤退に至らない「事業縮小」にとどまる企業が一定数存在することがわかります。

また、2025年の1年間だけでも80社が新たにロシア市場から撤退したと報告されており、侵攻直後の急激な撤退ラッシュに比べればペースは緩やかになったものの、撤退の動き自体は継続していることが確認できます。同研究所は、ロシア当局による撤退企業の資産の強制接収も強まっていると指摘しており、撤退を決めた企業にとって、資産の円滑な売却・清算が年々難しくなっている実態もうかがえます。

2. 日本国内の調査から見る、上場企業の対応状況

国内の調査機関である帝国データバンクも、侵攻前にロシアへ進出していた日本の上場企業を対象に、継続的な調査を行っています。同調査によると、侵攻前にロシア進出が確認されていた上場企業168社のうち、事業の停止や撤退を発表した企業は約8割弱にのぼるとされています。ただし、このうち実際に撤退完了または撤退方針を明確にした企業はその一部にとどまり、「事業を停止しているが、完全な撤退には至っていない」という中間的な状態の企業が相当数存在することが、調査から読み取れます。

この背景には、受注済みの契約の消化、現地法人の清算手続きにかかる時間、現地で雇用する従業員への対応、資産の売却先探しの難航など、撤退を実行する上での実務的なハードルの高さがあります。「撤退を発表した」ことと「実際に撤退が完了した」ことの間には、企業によって数ヶ月から数年単位のタイムラグが生じているのが実情です。

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3. 撤退企業・継続企業の具体例

国際的によく知られる撤退事例としては、エクソンモービル、アップル、イケア、マクドナルドなどが挙げられます。マクドナルドはロシア事業を現地資本に売却し、店舗は別ブランドとして運営が続けられている一方、元の店舗網を失った形になりました。2026年に入ってからも、Airbus、Deutsche Bank、Ineosなど、欧州の大手企業が現地資産の清算を完了させた事例が報告されています。

日本企業では、東芝が2025年にロシア現地資産の清算を完了させたと報告されているほか、2026年上半期には日野自動車や三井物産が、保有していたロシア関連事業の売却による撤退を進めた事例が確認されています。一方で、日本たばこ産業(JT)のように、ロシア国内に複数の工場を維持し、多数の現地従業員を雇用し続けている企業も存在します。こうした企業は、現地従業員の雇用責任や、撤退した場合の資産の扱いなど、単純な「撤退か継続か」では割り切れない事情を抱えていると考えられます。

4. 企業がロシア事業の「撤退」と「継続」を判断する分かれ目

各種調査から見えてくる、企業の判断を分ける要因はいくつかあります。まず業種の性質です。自動車・金融など欧米主導の規制業種では撤退が進みやすい一方、日用品・食品など生活必需品を扱う業種では、人道的な配慮から供給継続を選ぶ例があります。次に現地資産の規模です。工場など大規模な固定資産を持つ企業ほど、撤退時の損失・清算コストが大きく、判断に時間を要します。

また、受注残や契約上の義務も見逃せません。既存契約の履行義務があるため、ただちに事業を停止できないケースがあるためです。さらに現地従業員の雇用を維持する責任から、完全撤退に慎重な企業もあります。加えて、ロシア当局による強制接収のリスクが高まる中、「撤退を表明すること自体が資産を失うきっかけになりかねない」というジレンマも指摘されています。

これらの要因が複雑に絡み合うため、「撤退企業一覧」を単純な善悪や経営判断の優劣として読み解くのではなく、それぞれの企業が置かれた個別事情を踏まえて評価する視点が必要です。

5. 自社のカントリーリスク管理に活かす視点

ロシア撤退企業の動向は、自社が今後、地政学リスクの高い国・地域に進出・取引を行う際の判断材料としても参考になります。まず有効なのは、進出前の段階で撤退シナリオを想定しておくことです。万が一の撤退時に資産をどう扱うか、現地雇用への責任をどう果たすかを事前に検討しておきます。次に、大規模な固定資産投資は撤退判断を遅らせ、損失を拡大させる要因になりうるため、現地資産の規模を必要最小限に抑えることも重要です。

そして、特定の一国への依存度を下げる複数国への分散、さらに外務省・経済産業省などの公式情報を定期的にチェックし、最新の制裁・資産凍結情報を継続的に確認する体制を整えることも欠かせません。

6. よくある質問(FAQ)

Q. ロシアから撤退した企業は現在何社くらいありますか?

KSE研究所のデータによると、侵攻開始以降にロシア事業から完全に撤退した国際企業は、2026年時点で累計565社と報告されています。一方で、追跡対象企業の約55%は依然としてロシアで事業を継続しています。

Q. 「撤退」と「事業縮小」はどう違いますか?

「撤退(leave)」は現地事業・資産を完全に手放す状態を指し、「事業縮小」は事業規模を縮小しつつも現地での活動を一部継続している状態を指します。撤退を表明しても、実際の清算完了までには時間を要する企業が多く見られます。

Q. 日本企業でロシア事業から撤退した例はありますか?

東芝が2025年に現地資産の清算を完了させたほか、2026年上半期には日野自動車や三井物産が関連事業の売却による撤退を進めたと報告されています。一方、日用品・食品関連など、人道的配慮から供給を継続している企業もあります。

Q. なぜ撤退を表明しても完全撤退まで時間がかかるのですか?

現地資産の売却先探し、受注済み契約の履行義務、従業員の雇用責任、ロシア当局による資産接収リスクへの対応など、実務上のハードルが多いためです。発表から完了まで数ヶ月から数年を要するケースが一般的です。

Q. ロシアでの事業継続を選んでいる企業にはどのような事情がありますか?

生活必需品を扱う業種での人道的配慮、大規模な現地資産を抱えていること、現地従業員の雇用責任、撤退表明による資産接収リスクの回避など、複数の事情が絡んでいます。

Q. 自社がロシアと取引を続ける場合、何に注意すべきですか?

制裁対象品目・対象者との取引に該当しないかを必ず確認し、外務省・経済産業省の最新の制裁情報を継続的にチェックする必要があります。判断に迷う場合は、貿易実務や国際法務の専門家に相談することが推奨されます。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

今回は「ロシア撤退企業の最新動向」として、KSE研究所・帝国データバンクの調査データ、日本企業の具体的な動き、撤退と継続を分ける要因、カントリーリスク管理に活かす視点をご紹介しました。

「Digima〜出島〜」には、地政学リスクを踏まえた海外事業戦略の構築に強みを持つ、厳選された優良サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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