【2025年度版】台湾進出×日系アパレルブランド 展開成功の5つの鍵

2025年、日系アパレルブランドの台湾進出がますます活発になっています。文化的な親和性や日本ブランドへの信頼感から魅力的な市場とされる一方で、現地の消費動向や運営体制への理解がなければ成功は難しいのが実情です。本記事では、WMH(ワールド・モード・ホールディングス株式会社)が実際に支援した成功事例を交えながら、台湾における日系アパレル進出を成功に導く5つの鍵を解説します。
▼ 【2025年度版】台湾進出×日系アパレルブランド 展開成功の5つの鍵
はじめに
台湾は、日本からの距離が近く、文化的な親和性や消費者の日本ブランドへの高い信頼感から、日系アパレル企業にとって魅力的な海外市場の一つです。実際に多くの日本のファッションブランドが台湾へ進出しており、一定の成功を収めています。
しかし、同時にローカル市場特有の習慣や法規制、消費者の購買行動の違いなどに直面するケースも少なくありません。本記事では、台湾でアパレルブランドを展開する際に押さえておくべき注意点と、成功事例をもとに、戦略的な海外進出のヒントを提供します。
台湾市場の基本情報
人口・経済・消費傾向
・人口:約2,300万人
・主な都市:台北(北部)、台中(中部)、高雄(南部)
・通貨:ニュー台湾ドル(TWD)
・若年層から中間層にかけての購買力が高い
・ECと実店舗の融合が進んでおり、オンラインショッピングにも積極的
台湾は都市部に若者が集中しており、SNSを活用した情報収集が主流です。そのため、デジタルマーケティングとリアル店舗での顧客体験の両立が求められます。
台湾ファッション市場の最新トレンド分析
多様化するスタイルと「映え」重視の購買感性
台湾のファッション市場では、年々スタイルの多様化が進んでおり、従来の「日本ブランド=安心・高品質」という図式だけでは選ばれにくくなっています。特に若年層を中心に、“自分らしさ”を表現するためのミックススタイルが主流となっており、ストリート、モード、スポーティー、ミニマルなど複数ジャンルの要素を自由に組み合わせる消費傾向が見られます。オーバーサイズのトップスやユニセックスデザイン、トーンを抑えたパステルやくすみ系カラーは特に人気があり、Instagramや小紅書(Xiaohongshu/RED)などのSNSでの“映え”が、購買動機に直結するようになっています。
また、ファッションとライフスタイルの融合も進んでおり、衣料品だけでなく雑貨、コスメ、カフェ空間までをブランド世界観の一部として提案するショップ形態が増加しています。商品そのものだけでなく「空間」「体験」「共感」が重要視される中で、ブランドには一貫したメッセージ性と柔軟な表現力が求められるようになっています。
サステナブル志向と価値観重視のブランド選び
近年、台湾の消費者の間で確実に高まっているのが、サステナブルやエシカルといった“価値観”に基づく消費行動です。とくにZ世代やミレニアル層では、商品の価格や見た目だけでなく、その製品が「どのように作られたのか」「どんな思想に基づいているのか」といった背景に共感できるかが、購入の決め手になっています。リサイクル素材の活用、フェアトレード認証、生産プロセスの透明性などを明確に打ち出しているブランドに対する支持は強く、単なる機能や流行ではない“意味のあるファッション”が選ばれつつあるのです。
この流れは、高価格帯に限らず、手頃な価格の商品においても顕著です。ブランドの規模を問わず、「伝える力」と「一貫性」が重要視される傾向にあり、日本企業にとっては、自社の価値をいかに“現地の言葉”で表現できるかが、競争力の源泉となります。台湾市場で継続的に支持されるためには、こうした価値観の共有を戦略の中核に据えることが不可欠といえるでしょう。
成功するための5つの鍵
1. 現地の文化・習慣に即したブランディング
日本のブランドがそのまま台湾で成功するわけではありません。特に、台湾の消費者は「個性」や「限定感」を重視する傾向があり、画一的な商品展開では競合に埋もれてしまう可能性があります。
・台湾限定カラーやデザインの展開
・現地インフルエンサーとのコラボレーション企画
・旧正月など台湾独自のイベントに合わせたキャンペーン
2. 現地パートナーや代理店選定の慎重さ
進出形態としては、直営店、フランチャイズ、現地企業とのパートナーシップなどがあります。信頼できる現地パートナーの選定は、成功の可否を大きく左右します。
・現地での販売チャネルをどれだけ持っているか
・日本ブランドに対する理解と実績があるか
・長期的な関係構築に前向きか
3. 物流と在庫管理の最適化
台湾は島国であるため、輸送コストや納期に注意が必要です。特にシーズン商品やトレンド商材は、納期の遅れが致命的になりかねません。
・台湾内に在庫拠点を設ける
・EC用と店舗用で在庫を分散管理
・ローカル物流業者との連携強化
4. 労務・雇用制度の理解と対応
台湾では、労働基準法が比較的厳格であり、スタッフのシフト管理や休日制度などに日本とは異なる運用が必要です。
・法定休日・年次有給休暇の制度
・最低賃金と残業代の支払い義務
・現地人材の採用と育成体制の構築
5. 現地密着の運営体制とブランド理解
ユニクロは2009年に台湾に初進出し、現在では全国に複数店舗を展開するまでに成長しました。ベーシックで高品質な商品を武器にしながらも、台湾独自のプロモーションや店舗設計を取り入れ、現地消費者のニーズに適応しています。
・現地スタッフを積極採用し、店舗運営の中心に据える
・台湾限定のキャンペーンや商品展開を実施
・ECサイトと実店舗を連動させたスムーズな購買体験を提供
参考事例:グラニフの台湾初出店
2025年3月、グラニフは台湾・南港ららぽーとに初出店。毎週新商品が入荷されるスタイルに合わせ、VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)を頻繁に更新し、リピーターに常に新鮮な印象を与える工夫がされています。運営は全員台湾人スタッフで構成され、店長は原宿の旗艦店にて事前研修を受けるなど、ブランド理解を徹底。
開業初月から想定以上の売上を記録し、施設内売上ランキングでも常にTOP5にランクイン。他商業施設からの誘致も相次いでおり、今後の多店舗展開にも注目が集まっています。
WMHは、現地採用から研修、備品手配、翻訳、テナント対応まで一貫してサポートし、グラニフの円滑な台湾初出店を支援しました。
まとめ:台湾展開を成功に導くために
台湾は親日的な国であり、日系ブランドにとっては有望な市場ですが、現地消費者の価値観やビジネス習慣を理解した上でのローカライズ戦略が重要です。以下が成功のためのチェックリストです。
・台湾向けの商品企画(限定・個性)
・現地パートナーとの信頼構築
・効率的な物流と在庫管理体制
・法規制・労務への理解と対応
・SNSとリアル店舗を組み合わせたマーケティング戦略
自社の強みを活かしながら、現地ニーズに合わせて柔軟に戦略を調整することで、台湾市場での成功確率を大きく高めることができます。
台湾進出に関するご相談は、ぜひWMH(ワールド・モード・ホールディングス株式会社)までお気軽にお問い合わせください。
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グローバル21拠点✕800名体制で、現地に根付いたメンバーによる伴走型ハンズオン支援
<概要>
・アジアを中心とする世界21拠点、コンサルタント800名体制を有する、日系独立系では最大級のコンサルティングファーム(東証上場)
<サービス特長>
・現地に根付いたローカルメンバーと日本人メンバーが協働した伴走型ハンズオン支援、顧客ニーズに応じた柔軟な現地対応が可能
・マッキンゼー/ボストンコンサルティンググループ/ゴールドマンサックス/P&G/Google出身者が、グローバルノウハウを提供
・コンサルティング事業と併行して、当社グループで展開する自社事業群(パーソナルケア/飲食業/ヘルスケア/卸売/教育など)の海外展開実績に基づく、実践的なアドバイスを提供
<支援スコープ>
・調査/戦略から、現地パートナー発掘、現地拠点/オペレーション構築、M&A、海外営業/顧客獲得、現地事業マネジメントまで、一気通貫で支援
・グローバル企業から中堅/中小/スタートアップ企業まで、企業規模を問わずに多様な海外進出ニーズに応じたソリューションを提供
・B2B領域(商社/卸売/製造/自動車/物流/化学/建設/テクノロジー)、B2C領域(小売/パーソナルケア/ヘルスケア/食品/店舗サービス/エンターテイメントなど)で、3,000件以上の豊富なプロジェクト実績を有する
<主要サービスメニュー>
① 初期投資を抑えつつ、海外取引拡大を通した円安メリットの最大化を目的とする、デジタルマーケティングを活用した海外潜在顧客発掘、および、海外販路開拓支援
② 現地市場で不足する機能を補完し、海外事業の立ち上げ&立て直しを伴走型で支援するプロフェッショナル人材派遣
③ アジア圏での「デジタル」ビジネス事業機会の抽出&評価、戦略構築から事業立ち上げまでの海外事業デジタルトランスフォーメーションに係るトータルサポート
④ 市場環境変動に即した手触り感あるインサイトを抽出する海外市場調査&参入戦略構築
⑤ アジア特有の中小案件M&A案件発掘から交渉/実行/PMIまでをカバーする海外M&A一気通貫支援
⑥ 既存サプライチェーン体制の分析/評価/最適化、および、直接材&間接材の調達コスト削減 -
GLOBAL ANGLE Pte. Ltd.
70か国/90都市以上での現地に立脚したフィールド調査
GLOBAL ANGLEは海外進出・事業推進に必要な市場・産業調査サービス、デジタルマーケティングサービスを提供しています。70か国90都市以上にローカルリサーチャーを有し、現地の言語で、現地の人により、現地市場を調べることで生きた情報を抽出することを強みとしています。自社オンラインプラットホームで現地調査員管理・プロジェクト管理を行うことでスムーズなプロジェクト進行を実現しています。シンガポール本部プロジェクトマネージメントチームは海外事業コンサルタント/リサーチャーで形成されており、現地から取得した情報を分析・フォーマット化し、事業に活きる情報としてお届けしております。
実績:
東アジア(中国、韓国、台湾、香港等)
東南アジア(マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ等)
南アジア(インド、パキスタン、バングラディッシュ等)
北米(USA、メキシコ、カナダ)、南米(ブラジル、チリ等)
中東(トルコ、サウジアラビア等)
ヨーロッパ(イタリア、ドイツ、フランス、スペイン等)
アフリカ(南アフリカ、ケニア、エジプト、エチオピア、ナイジェリア等) -
ワールド・モード・ホールディングス株式会社
【メディア掲載】日経MOOK「中堅・中小企業のASEAN進出 2025年版」に掲載されました
私たちワールド・モード・ホールディングスは、日本で唯一のファッション・ビューティー業界に特化したソリューション・グループです。
業界に精通したプロフェッショナルが集結し、従来の枠を超えたトータルサポートを実現。戦略企画、マーケティング、プロモーション、店舗運営、人材採用・育成など、多角的な視点から実践的なソリューションを提供しています。
近年では、カフェ・飲食、小売以外の業態や海外市場にも対応領域を拡大。エリア・業種を問わず、クライアントの課題に寄り添った柔軟な支援を行っています。
今後も、「顧客に寄り添い、目標を共有するパートナー」として、そして「ワンストップで価値を届けるプロフェッショナル集団」として、進化を続けてまいります。
<グループ会社>
株式会社iDA、株式会社AIAD、株式会社フォー・アンビション、株式会社BRUSH、VISUAL MERCHANDISING STUDIO株式会社、株式会社AIAD LAB、株式会社 双葉通信社、WORLD MODE ASIA PACIFIC -
合同会社サウスポイント
アジアに近い沖縄から海外ビジネスをサポート
2017年7月日本・沖縄と海外の万国津梁の架け橋を目指して、企業の海外展開支援を目的として沖縄・那覇で設立。アジア・欧州を中心に沖縄県内・沖縄県外企業の海外進出・国際展開のサポートを実施しています。2022年7月には観光産業の伸びの著しい石垣市に八重山事務所を開設しております。
沖縄をハブに、台湾・中国・香港・ベトナム・タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・オーストラリア・ニュージーランド・イギリス・ドイツ・ブラジル各国にパートナーエージェントを配置し、アメリカ合衆国・インドは提携先を設けていますので、現地でも情報収集、視察等も直接支援可能、幅広く皆様の海外展開とインバウンド事業をサポートしております。 -
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