【タイ企業の海外進出から学ぶ】自国の「強み」を最大限に発揮した海外進出

本稿では【タイ企業の海外進出】について解説します。アジア諸国連合(ASEAN)地域のハブと言われるタイの経済成長を支えてきたのは、国内で成長したの後、その「強み」を最大限に活用し、海外進出も成功させたタイ企業でした。本稿では、タイ企業の成功例から、現在の日本企業の海外進出に求められる事を紐解いていきます。
タイ企業から学ぶ「自らの強みの活かし方」
1. グローバルに活躍するタイ財閥大手企業
セントラルグループやCPグループなどの財閥大手企業が市場を開拓
タイはASEANの中でも著しい経済成長を遂げ、ASEAN域内でハブの役割を持ち、プレゼンスを高めています。そういった経済成長の背景には、積極的な外資企業の誘致や国内企業の成長、そして成長した国内企業の海外進出にあります。タイではセントラルグループやCPグループなどの財閥大手企業が国内外の市場を開拓してきました。
大型小売店舗、流通大手であるセントラルグループは、首都バンコクでは最大のショッピングモールを運営していて、地方への開発も進めています。セントラルグループはASEAN域内だと、人口規模の大きいインドネシアやベトナム、マレーシア、そして欧州での事業強化も進めています。特にベトナムでは、従来の専門店や百貨店の進出に加え、2015年12月の地場スーパー「Lan Chi」との資本提携、2016年4月のビッグCの買収など足元で小売事業の提携・買収が相次ぎました。
また、チャルーンポーカパン(CP)グループは農業分野や食料品など、数多くの事業を手がけるタイで最大の複業企業となっています。CPグループはASEAN各国含めたアジアや欧州、ロシアなど世界13カ国に進出しています。その中でも、特に近隣国である中国とインド進出に着力していて、約30億人を要する市場に進出しています。大手企業を中心に、タイ企業の海外進出が進んでいるのです。
2. 国内市場が縮小に向かう中の「強み」を生かした海外進出
特定の地域にまとまって進出する理由とは?
その背景には日本と同様、国内市場の縮小があります。タイの国内消費自体は2016年に入り上向きつつあるものの、2010年以降は人口減少傾向に陥り、それと同時に高齢者が増加しています。
日本と同様に、国内市場が縮小に向かっていて、国内企業も海外に目を向けざるを得ないのです。そのため、近年経済成長を遂げたタイ国内でシェアを伸ばした大手企業などが、その「強み」を最大限に活かし、近隣国の新興国などに市場を進めているのです。
3. 好立地とノウハウがタイ企業成功要因
立地の「強み」を活かした素早い海外展開を実現
タイ企業の海外進出において特筆すべき事としてあげられるのは、好立地を生かした進出戦略です。タイがASEANのハブとして機能している理由の1つは、その立地の良さです。ASEAN諸国の中心に位置し、インドや中国という巨大市場も近くにあります。さらには、航空交通の便もよく、中東や欧州に行きやすくなっています。そういった「強み」を最大限に活かしているのがタイ企業です。タイを中心にアジア地域では進出を拡大しています。
また、ASEAN域内において、大手財閥企業は、成長してきた国内で培ってきたノウハウがあるという「強み」を活用し、同じように今後経済成長を目指している新興国でも事業を展開しているのです。人口増加中のベトナムでは、消費市場のさらなる拡大、観光客の増加も見込まれています。その一方、大手小売事業者は限られていました。需要に対して供給が足りないといち早く目をつけたのがタイのセントラルグループでした。立地の「強み」も活かし、素早い展開を実現しています。
4. 日本の「立地」と「ノウハウ」を活かせるか?
タイから学ぶ自国の「強み」を最大限に活かす姿勢
タイ企業から日本企業が学べることは、海外進出において「強み」を最大限に活かすということです。タイ企業は、自国の立地の良さ、自国で培ってきたノウハウを最大限に活用し、海外進出も拡大してきました。日本は隣国に大国である中国とアメリカの間に位置し、立地が良いともいえます。
また、高度経済成長の際のノウハウは、各国のお手本にもなるほどです。タイ企業の海外進出から、その姿勢を学び、これから海外で活躍する日本企業が出てくるのではないでしょうか。
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