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【製造業の海外進出データ】海外生産比率は23.6%!日本企業の海外現地法人の拠点数や売上高から海外進出するべき理由がわかる

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日本企業の海外進出は製造業が支えていると言っても過言ではありません。

製造業は、鉱業や建設業とともに第二次産業を構成する重要な分野であり、日本は世界でも製造業生産高の多い国として知られています。日本企業の海外進出の面から見ても、製造業は海外への拠点移動などを他の業種に先んじて進めてきた業種であり、これまで数多くの日系の製造業が海外に進出しているのです。

本テキストでは「日本の製造業が海外進出するために知っておくべきこと」と銘打って、経済産業省による「第51回 海外事業活動基本調査概要」を元に、日本の製造業が海外進出するために知っておくべきことについて、わかりやすくまとめて紹介していきます。

近年は世界的なパンデミックや軍事侵攻など、グローバル化に歯止めをかけるような出来事も多かったものの、経済は活気を取り戻しつつあります。本テキスト読んで、日本の製造業の海外進出傾向の理解を深めましょう。

1. 日本の製造業の海外現地法人の拠点数

経産省の「第51回 海外事業活動基本調査概要」によると、2020年度末の現地法人2万5,703社のうち、製造業は1万1,070社となっており、残りの1万4,633社が非製造業です。

図01
※画像出典元:
第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

2020年度末の製造業1万1,070社の内訳は下記のとおりです。

■日本の製造業の現地法人(2020年度末)

食料品:498社
繊維:462社
木材・紙パルプ:198社
化学:1,092社
石油・石炭:36社
窯業・土石:233社
鉄鋼:326社
非鉄金属:34社
金属製品:628社
はん用機械:473社
生産用機械:859社
業務用機械:410社
電気機械:632社
情報通信機械:937社
輸送機械:2,387社
その他の製造業:1,555社


2020年度の、全産業に対する製造業の現地法人数が占める割合は2019年度に比べて(※上記の図参照)0.5%減少の43.1%となりました。

日本企業全体の海外拠点数はヨーロッパで増加、北米、アジアで減少

現地法人数は欧州で増加傾向にあるのに対して、北米やアジアでは減少傾向にあるようです。

減少傾向にあると言っても、海外進出先としてもっとも人気の高いアジア地域には多くの現地法人があり、この調査においても全地域に占めるアジアの割合は67.5%と非常に高い数値となっています。アジア地域の中でもASEAN10ヵ国の割合は10年連続で増加しており、対して中国の割合が縮小傾向にあります。

図02
※画像出典元:
第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

2020年度の地域別現地法人分布は以下の通りで、()内は全地域に対する構成比です。

北米:3,235社(12.6%)
アジア:17,342社(67.5%)
欧州:2,913社(11.3%)
その他:2,213社(8.6%)


アジアにおける地域別の分布は下記のようになっています。()内は全地域に対する構成比です。

中国:7,486社(29.1%)
ASEAN10ヵ国:7,414社(28.8%)
その他:2,442社(9.5%)

進出先から撤退した日系製造業企業は305社

図03
※画像出典元:
第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

2020年度、新規に設立された現地法人は200社となっており、これは2019年度に比べると66社少ない数値となっています。新規設立については欧州と北米に多くの企業が進出しており、アジア地域への進出は減少しています。

進出先から撤退した現地法人数も見ておきましょう。2020年度の撤退社数は770社となっており、これは2019年度よりも167社増加した数値です。撤退した現地法人770社のうち、製造業は305社でした。

撤退社数を現地法人の総数と撤退社数を足したもので割って算出する撤退比率を見ると、2020年度は2.9%となっており、2019年度に比べて0.6%増えています。

撤退比率は北米と中国、ASEAN10ヵ国では増加していますが、欧州は低下しており、こちらも地域差があることがわかります。

2. 日本の製造業の海外現地法人の従業員数

前項では日本の製造業の海外現地法人の拠点数について解説しました。この項では海外現地法人の従業員数についても触れておきます。

日本企業の海外現地法人の従業員数

2020年度末において、現地法人に雇用されている従業員の数は563万人でした。製造業においても非製造業においても従業員数は前年度比0.2%減となっています。

欧州とアジアでは増加傾向にある現地法人の従業員数ですが、アジアに絞って見ると中国とASEAN10ヵ国は減少傾向にあります。また、北米の従業員数も減少しています。

日系海外進出企業の製造業の従業員数は419万人

2020年度、現地法人に雇用されている製造業の従業員数は419万人で、電気機械は22万人で前年比5.2%減少。輸送機械は168万人で前年比0.1%減少となっているのに対し、情報通信機械は58万人で前年比3.5%増加しており、従業員数の増減は業種によってかなりパーセンテージに差が見られるようです。

図04
※画像出典元:
第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

3. 日本の製造業の海外現地法人の売上高

ここまで、現地の法人数や従業員数について解説してきました。ここでは気になる売上高についても見ておきましょう。

日本企業の海外現地法人の売上高は240.9兆円

2020年度の現地法人の売上高は240.9兆円でした。これは2019年度に比べて8.4%減少した数値です。うち、製造業の売上高は112.8兆円となっており、前年に比べて7.3%減少しています。非製造業の売上高は128.1兆円で、前年比9.4%減少となりました。

日系海外進出企業の製造業の売上高は112.8兆円

製造業の売上高は先に述べた通り112.8兆円で前年と比較すると7.3%も減少しています。全体の売上が前年に比べて減っている中でも、業種によってかなりパーセンテージは異なります。

特に電気機械や輸送機械などで減少率が高く、電気機械は売上が4.4兆円で前年比14.5%の減少、輸送機械は売上56.7兆円で前年比9.6%減少となっています。化学も売上が8.9兆円で前年比2.2%減少という数値でした。

図05
※画像出典元:
第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

4. 日本の製造業の海外現地法人の海外生産比率

売上高や増減率について理解が深まったところで、日本の製造業の海外現地法人の海外生産比率を解説します。

日系海外進出企業の製造業の海外生産比率は23.6%

製造業の現地法人売上高を、製造業の国内法人と現地法人の売上高を足したもので割った比率を国内全法人ベースの海外生産比率と言います。

国内全法人ベースの製造業における海外生産比率は2020年度で23.6%となっており、これは2019年に比べて0.2%増加した数値です。

海外生産比率についても業種によって割合の増減に差があり、生産比率が上昇しているのは輸送機械や情報通信機械、はん用機械といった業種であり、窯業・土石や電気機械などは減少しています。

図06
※画像出典元:
第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

5. 日本の製造業の海外現地法人の収益の状況

日本企業の海外現地法人の2020年度の経常利益は9.9兆円

売上や生産比率について解説してきましたが、海外現地法人の収益についても知っておきたいところです。現地法人の2020年度の経常利益は9.9兆円であり、これは2019年度に比べて8.9%の減少となっています。

売上高経常利益率は製造業も非製造業も2019年度に比べて0.1%減少しています。売上高計上利益率とは、経常利益を売上高で割って算出する数値のことです。

日系海外進出企業の製造業の収益は4.6兆円

前述したように、現地法人の経常利益は、2020年度は9.9兆円でした。うち、製造業の経常利益は4.6兆円となっており、前年度に比べて10.7%減少しています。

経常利益についても地域差が見られ、北米では前年度比12.5%増となっているのに対し、欧州では36.1%も減少。アジアでも3.3%減少するなど、かなりの差があります。

図10
※画像出典元:
第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

6. 日本の製造業の海外現地法人の研究開発費

製造業は研究開発への取り組みがもっとも熱心な分野であり、国内の企業が報告している研究開発費のほとんどが製造業のものです。

では、海外現地法人の研究開発費はどれくらいの規模なのでしょうか?

日系海外進出企業の製造業の研究開発費は7,105億円

製造業現地法人の研究開発費は、2020年度には7,105億円となっており、前年の2019年度と比べると1.5%増加しています。現地と国内の開発費を足したもので現地法人の研究開発費を割って算出する海外研究開発費比率は2019年度に比べて0.1%増加した5.6%でした。

売上や利益などは減少傾向にあり、少し寂しい印象でしたが、研究開発費は増加傾向にあり、これからの研究の成果が期待されます。

図08
※画像出典元:
第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

日系海外進出企業の製造業の1社当たりの研究開発費は4.6億円

製造業現地法人の研究開発費は、1社あたりで見ると4.6億円となっていて、これは前年の2019年度と比較すると0.7%減少した数値となっています。輸送機械や業務用機械といった業種に減少傾向が見られますが、化学や電気機械などの業種は増加しています。情報通信機械は前年比16.5%の増加でした。

地域別で研究開発費に着目すると、欧州とアジアは減少しており、欧州は前年比5.4%減、アジアは9.2%減となっています。対して北米の研究開発費は前年比12.4%増加しています。

図09
※画像出典元:
第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します

ものづくり大国である日本を支えてきた製造業。日本のものづくりは海外でも高く評価されており、海外メディアの「Fortune」による世界の製造業トップ100には日本企業が13社もランクインしているのだとか。

今、世界情勢はかつてないほど目まぐるしく変化しており、すでに海外進出している企業も、これから考える企業も、常にさまざまな情報を得て、それに対処していかなければならない時代となりました。

国によっては法が外資企業にとって不利なものへと改正されることもあり、そういった動きをいち早く察知しておかなければならない問題があります。

海外進出についてお悩みやお困りごと、最新情報を知りたいなどのご要望があれば、ぜひ海外ビジネス支援コンシェルジュによる無料相談サービスをご利用ください。

『Digima〜出島〜』には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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(参照文献)
・「第51回 海外事業活動基本調査概要」(経済産業省)

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