マレーシアの関税制度まとめ|税率の仕組み・EPA活用・調べ方を解説
マレーシアに商品を輸出する際、関税の仕組みを理解しておくことは大切です。マレーシアは「複税制」を採用しており、一般税率とFTA/EPA適用税率の2つの体系があります。
日本からの輸出品にはJMEPAをはじめとする複数のEPAが利用可能です。本記事では、マレーシアの関税体系と税率の調べ方をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- ・マレーシアは「複税制」(一般税率+FTA/EPA税率)を採用
- ・JMEPA・AJCEP・RCEP・CPTPPなど複数のEPAが利用可能
- ・課税基準はCIF価格。工業製品は多くが0〜30%
▼マレーシアの関税制度まとめ
1. マレーシアの関税体系
複税制の仕組み
マレーシアの関税は「複税制」と呼ばれる仕組みで、一般税率(MFN税率)と、各国とのFTA/EPAによる優遇税率の2つの体系で構成されています。日本のようにEPAを締結している国からの輸入品には、優遇税率が適用されます。
課税方式は従価税(CIF価格ベース)が中心ですが、一部の品目には従量税や複合税も適用されます。工業製品の多くは0〜30%の範囲ですが、完成車など国内産業保護の対象品目では最大60%に達する場合もあります。
主な税率区分
一般税率(MFN税率)はWTO加盟国に適用される基本税率です。EPA/FTA適用税率はJMEPA、AJCEP、RCEP、CPTPPなどによる優遇税率です。特恵税率(GSP)は途上国向けの優遇税率です。
2. 日本との間で使えるEPA
日本からマレーシアへの輸出では、2006年に発効したJMEPA(日本・マレーシア経済連携協定)を中心に、複数のEPAを利用して関税を削減できます。
JMEPA(2006年発効)は日本・マレーシア間の二国間EPAです。AJCEP(2008年発効)は日本・ASEAN間の包括的EPA、RCEP(2022年発効)はアジア太平洋地域の大型FTA、CPTPP(2018年発効)は環太平洋パートナーシップ協定です。
品目によって最も有利な協定が異なるため、事前に比較検討することが重要です。いずれのEPAを利用する場合も、原産地証明書の取得が必要です。日本商工会議所や経済産業省で発給手続きができます。
3. 小口貨物の取り扱い
マレーシアでは、FOB価格500リンギ(約1.5万円)未満の小口貨物には簡易通関が適用されます。ただし、酒類やたばこなどの品目は金額にかかわらず通常の通関手続きが必要です。越境ECなどで少額の商品を送る場合も、品目によっては関税や物品税が課されるので注意してください。
4. 関税率を調べる3つの方法
方法1:World Tariff
FedEx社運営の175カ国対応データベース。JETROから登録すれば無料で利用できます。HSコードで検索すると原産国別の税率が表示されます。
方法2:RULES OF ORIGIN FACILITATOR
WTO・WCO・ITCが共同開発した無料ツール。190カ国以上の貿易協定データを収録しており、どのEPAが最も有利かを比較できます。
方法3:マレーシア税関のサイト
マレーシア税関(Royal Malaysian Customs Department)のサイトでHSコードを検索すると、関税率や輸入規制を確認できます。マレーシアのHSコードは10桁構成で、最初の6桁が世界共通です。
5. よくある質問(FAQ)
Q1. マレーシアの関税率はどのくらいですか?
多くの工業製品で0〜30%程度です。完成車など一部品目では最大60%に達します。EPAを利用すれば関税を削減できます。
Q2. 日本からマレーシアへの輸出でEPAは使えますか?
はい、JMEPA、AJCEP、RCEP、CPTPPなど複数のEPAが利用可能です。原産地証明書の取得が必要です。
Q3. マレーシアの関税率はどうやって調べますか?
World Tariff、RULES OF ORIGIN FACILITATOR、マレーシア税関のサイトの3つの方法があります。HSコード(10桁)を使って検索します。
6. まとめ
マレーシアの関税は複税制を採用しており、一般税率とEPA適用税率の2つの体系があります。日本からの輸出にはJMEPA・AJCEP・RCEP・CPTPPと複数の協定が利用でき、品目ごとに最も有利な協定を選択できます。
税率の調査にはWorld TariffやRULES OF ORIGIN FACILITATORが便利です。マレーシアへの輸出を検討する際は、品目ごとの税率と利用可能な協定を事前に確認しましょう。
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