いまこそ中東・アラブ諸国に日本企業が海外進出すべき理由
日本人がいない変な地域専門での海外ビジネス展開支援をしている「Frontieer」の代表を務めている大谷と申します。
みなさんは中東やアラブ諸国ときいて、どのようなイメージをお持ちになるでしょうか? 華やかで煌びやかでお金の使い方が派手なドバイ、格式高いイスラムの王国サウジアラビア、中東の中でも急成長発展中のカタール…ざっくりではありますが、そういった感じではないでしょうか?
もちろんこれらは日本に住む我々が持っている勝手なイメージではあります。
本稿では「いまこそ中東・アラブ諸国に日本企業が進出すべき理由」と銘打って、私・大谷の独断と偏愛にもとづく(?)「日本企業が中東・アラブ諸国で海外事業を行う際の心構え」、さらには「日本企業が中東・アラブ諸国へ売り込みをかける際の3つの方法」などについても解説します。
▼ いまこそ中東・アラブ諸国に日本企業が海外進出すべき理由
1. アラブって具体的にどこ? 中東ってどこ?
アラブとはアラビア語を公用語とし、中東とはアラビア語以外を公用語とする国・地域
アラブとはどの国・地域を指すのか? 中東はどの国・地域なのか? …実はこれ、すごく難しい問題なんです。
一般的にアラブとはアラビア語を話す人々の国を意味します。そしてアラブと言われる地域は、実はものスゴく広いんです。 ざっくりとアラビア海沿岸のあの一体…などと思われがちなのですが、アラビア語を話す北アフリカのモロッコからアラビア半島までを指すことが多く、多くの日本人の認識よりもはるかに広いのです。
そして中東の範囲はと言えば、エジプトからイラン、トルコまでを指しており、アラブとは大部分が重複するものの、アラビア語以外の公用語を使用している国・地域も含まれています。
弊社Frontieerでは、パキスタン、アフガニスタンも含めて、日本企業が中東ビジネスを実施する際にサポートする支援企業として「Digima〜出島〜」に登録しておりますが、そもそもパキスタンは南アジア地域に属する国です。アフガニスタンは、歴史的に国境が移動しているので曖昧な印象なのですが、ざっくりと民族単位で考えるのがよいと私は思っています。
2. アラブ人ってどんな人々?
アラブの人々の価値観や行動原理は日本人的には理解が難しい?
では、アラブ人と称される方々はどのような人々なのでしょうか?
前置きをいたしますと、以下に私が記載する内容は、あくまで、日本人が中東ビジネスをする上で苦労するであろうことを多少ユーモアを交えて、かつ分かりやすく脚色したものになります。もちろん全てのアラブ人に該当するものではないことをご了承いただければ幸いです。
さて、誤解を恐れずに言えば、アラブ人の方々が持つ価値観や行動原理は、日本人的にはなかなか理解が難しいものがあります。
ビジネスにおいて例を挙げると、こちらが問い合わせメール、電話、訪問アポなどをしても、基本的に回答がない場合が多いです。何度もコールを繰り返して、先方に興味を持ってもらえたら返事が返ってくる…という心構えが必要です。
なぜなら彼らの多くはお金を持っているからです。一般的にお金持ちのイメージがあるUAE(アラブ首長国連邦)やサウジだけではなく、エジプトもその傾向があります。
そんなお金持ちである彼らに商品を持ってくる人々はたくさんいます。つまり選びたい放題なのです。ですから、自分の好みに合うもの、食指が動くものだけを選びます。それが高いが安いかは関係ありません。したがって、いらないものはいらない、欲しいものは…それこそ大げさに言えば、欲しいものが会社だった場合は、それごと買い上げるというケースもあり得ます。
3. 日本人や日本の商品・サービスは中東・アラブ諸国でどう思われているのか?
今後中東での日本の立ち位置に好転の兆しあり
2023年7月に、日本の岸田首相がUAE(アラブ首長国連邦)との関係強化を発表したことが話題となりました。UAE政府と日本政府に加えて、サウジアラビアやカタールなどとも関係強化をしていくとのことです。
UAEは、いわゆる全方位外交の国なので、日本との関係性もこれまでどおり平常運転になるかと思います。サウジアラビアは、日本のアニメやエンタメで日本の技術や力を借りよう!と躍起になっている印象です。なぜなら従来の石油依存型の経済からエンターテインメント産業への転換を、国を挙げて模索しているからです。
さる2022年11月〜3月にかけては、「ジャパンアニメタウン」という、エヴァンゲリオンやガンダムなども展示された大イベントまで行っています。サウジアラビアの王族は日本のゲームやアニメに関心あることで知られていますが、同国の政治系ファンドが任天堂の株を買い増ししたこともニュースとなりました。
そもそも中東・アラブ諸国での日本の立ち位置は、中国に押されて影が薄い印象がありましたが、ここ数年でそれも好転していく兆しがある…というのが私の見立てです。
日本製品は中東・アラブ諸国で売れるのか?
では、日本の製品・サービスは中東やアラブ諸国で売れるのでしょうか? その答えは、購買者である彼らが興味を持てば…というのが実態です。さらに彼らが本当にそれを欲しいならば、向こうの方からやってくる…というのが事実です。
UAE、サウジアラビアなどから、直接オファーがかかった日本企業のお話もよく聞きますし、実際に弊社でも支援しています。
4. 日本企業が中東・アラブ諸国へ売り込みをかける際の3つの方法
では日本企業が中東・アラブ諸国へ売り込みに行く場合、どのようなアプローチ方法があり得るのでしょうか? もちろんこちらから売りに行く方法もありますが、以下に私が考える3つのアプローチ方法をご紹介します。
方法① 中東・アラブの王族・実業家・財閥経営者と懇意になろう!
王族や実業家や財閥経営者と懇意になって、まずはお茶や食事に誘ってもらえるようになり、さらにゲストハウスに泊めてもらえるくらいの関係性を作ります。
彼らと関係性を築けたら、同じような権限のある知り合いを紹介してもらえる機会が増えます。日本人が思う以上に、中東にはかなりの人数の王族がいます。中東ビジネスを長く地道に続けて、何かしらのコネクションを得ることが遠いようで一番の近道です。
方法② 中東・アラブ諸国の現地企業と提携しよう!
ゼネコンや大手貿易業者など、中東・アラブ諸国のおける長い歴史を持つ企業はアラブ人がスポンサーとしてついています。そこに提案する形でじっくり時間をかけて売り込みます。あえて言うなら、自社の商品を「上から目線で」売り込みに行くイメージです。
私の経験上、日本企業がよしとするような〝歴史のある…〟〝伝統の…〟〝日本で唯一の…〟といった売り込みの仕方では、なかなか通らない印象があります。
方法③ 中東・アラブ諸国に在留する外国人ローカルに売ろう!
UAE(アラブ首長国連邦)とカタールは9割が外国人、サウジアラビアは半分くらいは外国人です。それらの国に滞在している外国人、また観光やビジネスで滞在している人向けに販売するの方法です。
ただ、彼ら自身決して所得が高いわけではないし、日本製だからといって特別売れるわけではありません。普通のスーパーやちょっとイイ感じのお店の店頭に並ぶようなイメージで普及させていく販売戦略です。
日本の店舗でわかりやすく例えると…カルディコーヒーファーム(以下カルディ)のような感じでしょうか。
仮にカルディでチーズを買おうとした場合、多くの方は、店頭に並んでいるなんとなく良さそうなチーズを買っていると思います。そのチーズがイタリア産だとしても、イタリア産のチーズが買いたかったんだ! と強い意志を持って手にするケースは少なく、多くの方はあくまで結果として商品を購入しているのではないでしょうか?
つまり、現地のカルディのようなお店で、なんとなくくらいの感じで、結果的に指名買いされるようになるのが理想なのです。
実際にドバイでは、北海道銘菓のロイズ (ROYCE')、ケーキやアイスで有名なシャトレーゼが、そんな販売戦略で成功しています。
5. 心温かくて義理堅く懐の深い国民性を持つ中東・アラブの人々
中東・アラブ諸国の背景にある考え方や価値観や習慣を学ぶことが必要
最後に、本稿で書かせていただいたことは、あくまで私見かつ、私の持つアラブ・中東諸国への偏愛あってのものとご理解いただければ幸いです。
言うまでもありませんが、実際の海外ビジネスにおける現地の方々とのやり取りにおいて、その国々ならではの様々な傾向があり、その背景もより複雑です。
確かなことは、中東・アラブの方々が、自身のファミリーをとても大事にしており、自分たちの文化と宗教観を大切に引き継いでいる人々であるということです。
それこそ中東・アラブに限らず、海外でビジネスをしようと思ったら、日本と大きく違う商習慣、文化、趣向、考えなど、いわばその全てを尊重し、お互いの違いを理解し合うことが一番大切です。
弊社Frontieerの日本企業のサポート業務においてもっとも時間をかけているのは、お互いの背景にある考え方を理解し合えるようにすることです。それこそ実際のビジネス支援よりもはるかに時間をかけて両者の関係性を構築することに注力しています。
中東・アラブ諸国に進出するにあたって、イスラムに改宗する必要はもちろんありません。しかし、イスラムの聖典であるコーランを読み、彼らの宗教や家族の考え方の根本を理解し、さらにその歴史も学ぶことで、中東・アラブ諸国の背景にある基本的な考え方や価値観や習慣を学ぶことが必要です。
その上で「あなたの国の価値観はそうなんだね? 日本の考えはこうなんだよ? お互いに違いがあるって面白いよね?」…というように、お互いが歩み寄ることが大切なのです。それと共に、双方の崩すべきところと崩すべきではない部分を明確にして、より最適な関係性を構築していく。
そのようにお互いの素晴らしい文化を尊重し合える関係性を作っていくことが、中東・アラブ諸国でのビジネスにおける最初の一歩なのです。
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- 海外で販路開拓・拡張がしたい
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- 越境EC(自社サイト・モール)販路を広げたい・深めたい
- 海外のデジタルマーケティング戦略をサポートして欲しい
- 海外向けのウェブサイト(LP)をつくってほしい
- 海外向けのECサイトをつくってほしい
- 海外のSNS・ECの運用を手伝って欲しい
- すでに活動中の現地法人の悩み解決を手伝って欲しい
- 海外で店舗開業(飲食店含む)を総合サポートして欲しい
■主要施策
①BtoB販路開拓サポート
- 海外販路開拓・現地企業マッチングサポート
- 市場調査/現地視察
- 事業計画設計
- 海外ビジネスマッチング(現地企業探索サポート)
- 海外人材 探索・手配サポート
- 翻訳・通訳サポート
- 手続き・申請(FDA申請含む)サポート
- 海外税務/法務/労務/人事 サポート
- 輸出入/貿易/通関 サポート
- 海外販路開拓・現地企業マッチングサポート
- 各種市場調査/分析
↳企業信用調査
↳競合調査/分析
↳法規制調査
↳有識者調査・インタビュー
↳消費者調査・インタビュー
↳現地テストマーケティング
↳ウェブ調査/分析
②BtoC販路開拓サポート
- EC/越境EC運用代行サポート
- 各種サイト運用代行
- SNS運用代行サポート
- サイト(EC/多言語/LP)制作
- コンテンツ(画像・動画)制作デジタルマーケティングサポート
- プロモーションサポート
- SEO強化サポート
- Webプロモーション
↳インフルエンサープロモーション
↳現地メディアプロモーション
↳広告運用(リスティング広告・SNS広告など)
③法人・店舗開業
- グローバル飲食店開業サポート
- 現地法人設立サポート
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- ビザ申請手続き
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実績:
東アジア(中国、韓国、台湾、香港等)
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北米(USA、メキシコ、カナダ)、南米(ブラジル、チリ等)
中東(トルコ、サウジアラビア等)
ヨーロッパ(イタリア、ドイツ、フランス、スペイン等)
アフリカ(南アフリカ、ケニア、エジプト、エチオピア、ナイジェリア等) -
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