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フィリピン会社設立・法人登記の流れ 〜駐在員事務所・現地法人・支店の違いなど〜

掲載日:2018年08月29日

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本稿では、フィリピンの会社設立・法人登記について見ていきます。

日本企業がフィリピンに進出する際には、駐在員事務所・現地法人・支店の3形態が一般的です。また、それぞれの形態によって機能や手続きが異なってきます。

その他、フィリピンで会社設立・法人登記を行う場合には、外資規制業種リスト(ネガティブリスト)が定められているため、注意が必要です。

1. フィリピンの会社形態とは?

フィリピンの会社形態には、8つの会社形態があります。

・個人事業者
・合名・合資会社
・駐在員事務所
・株式会社及び非公開会社(現地法人)
・支店
・地域統括本部
・地域経営統括本部
・地域統括倉庫

(国際協力銀行:フィリピンの投資環境 第8章投資形態より)

日本企業が採用する進出形態は、駐在員事務所・株司会者及び非公開会社(現地法人)・支店の3つが一般的です。そのフィリピンの会社形態の概要について、日系企業のフィリピン進出支援を行っている株式会社アイキューブ(http://www.icube.ph/)統括取締役・坂本直弥氏にお伺いしました。

■日本企業の代表的な進出形態である「駐在員事務所・支店・現地法人」は、それぞれどの業種・業態で使用されるのでしょうか。

——フィリピンは外国投資法の定めにより、原則外資自由な国となっています。ただ、一部業種では外資規制があり、外資規制のある業種(小売、人材あっせん、運輸等)は外国投資ネガティブリストにまとめられています。この外資規制のある業種で営業活動を行うためには、必要なフィリピン資本比率を満たすために現地法人を設立する必要があります。外国法人のフィリピン支店は、外資100%として取り扱われるためです。

他方、外資規制のない業種での営業活動については、現地法人でも支店でも構いません。支店は居住代理人1名で設立できる一方、現地法人は発起人として最低5名(内3名はフィリピン居住者)が必要となります。

ただ、支店の場合、何か法的な問題となったときには本店である日本法人自体の責任が問われますし、重要な決定は本社の取締役会で行わなければなりません。

現地法人の場合は親会社は株主として出資の範囲内での有限責任となりますし、各種決定も現地の取締役会で機動的に行うことができます。日本からの投資の場合は、会社法制上の違いから現地法人が選択されることが多くなっていますが、シンガポールや香港からの投資の場合は支店も選択肢になってきます。

■フィリピンの駐在員事務所・支店・現地法人という3つの進出形態は、それぞれどの段階で使用されるのでしょうか。

——駐在員事務所は、営業行為を行える支店や現地法人を設立する前の段階で、市場調査やマーケティングを行うために設立されることが多くなっています。駐在員事務所の存続期間に定めはありませんが、実務上、3年程度を目途に支店や現地法人化するかを検討します。

一方、駐在員事務所は、フィリピン国内で行われる購買管理や、無償のアフターケアの実施のためにも設置されます。この場合は、そうした活動がある限り、駐在員事務所を設置しておくことは構いません。

他方、外国法人の支店や現地法人は、いつの段階から使用しても構いません。ただ、当初駐在員事務所を置いており、後に営業活動を行うことを決定した場合は、駐在員事務所をそのまま支店に格上げすることが可能です。支店ではなく現地法人を新たに立ち上げた場合は、駐在員事務所は別途継続するか、又は閉鎖手続きをとる必要がでてきます。

株式会社アイキューブ統括取締役・公認会計士(日本)
坂本直弥氏

コーポレートサイト:http://www.icube.ph/

2. フィリピンにおける会社設立・法人登記の手続きとは?

駐在員事務所、現地法人、支店設立には、SECの手続きが必要

駐在員事務所・現地法人・支店の設立の最初には、共通してSEC(証券取引委員会)への登録が必要となります。SECはこれらの会社形態を統括する機関で、法人登記手続きの書類提出先は、SECの窓口となります。

SEC登録申請の際には、

・カバーレター付提出書類4部ずつ
・公認会計による監査済み財務諸表(駐在員事務所・支店の場合は、大使館or領事館の公証)
・事業開始申請書における設立発起人・取締役・株主全員の納税者識別番号(外国人の場合、パスポート番号が有効)

が必要になります。

現地法人設立の手続き・必要書類

フィリピンの現地法人設立には、以下の手続きが必要です。

①会社名の確認・予約
②基本定款・付属定款の作成
③銀行へ資本金の払込
④書類提出
⑤法人登記申請費用の支払い
⑥設立証明書の取得
⑦株主名簿登録

(JETRO:フィリピンでの外国資本による会社、支店、駐在員事務所の設立手続より)

書類提出時には、「事業開始申請書」に以下の書類を添付する必要があります。

・社名確認書
・基本定款、付属定款(エクスプレス・レーン・フォーム)
・送金証明書、預金証明書
・登録情報シート
・財務役宣誓書

手数料は、

・定款に定めている資本金(授権資本額)×0.01/10+(定款に定めている資本金(授権資本額)×0.01/10)×0.2(登録手数料)
・登録手数料の1%(調査手数料)
・210ペソ(付属定款・数量)

が必要です。不備なく登録申請が進むと、登録証書が発行され、中央銀行や地方自治体、内国歳入局の手続きや30日以内に株主台帳の登録手続き等が必要になります。手続きはおよそ1ヵ月かかります。

関連:JETRO「フィリピン外国企業の会社設立手続・必要書類詳細

駐在員事務所・支店の手続き・必要書類

フィリピンの駐在員事務所・支店の設立手続き・必要書類は、共通しています。

①会社名の確認・予約
②銀行へ資本金の払込
③書類提出
④法人登記申請費用の支払い
⑤事業許可書の取得

(JETRO:フィリピンでの外国資本による会社、支店、駐在員事務所の設立手続より)

書類申請の際には、以下の書類を提出する必要があります。

・事業開始申請書(支店はForm F-103、駐在員事務所はForm F-104)
・社名確認書
・取締役会議事録(認証済)
・本社の定款(英訳、大使館or領事館の認証済)
・直近の監査済み財務諸表(認証済)
・資本金の送金証明書(公証済)
・宣誓供述書
・登録情報シート

が必要になります。支店設立の場合には別途比率要件が課せられ、支払能力・流動性・負債資本比率のベンチマーク値が1:1である必要があります。

不備なく登録申請が進むと、事業許可書が発行され、中央銀行や地方自治体、内国歳入局の手続き等が必要になります。手続きはおよそ3週間かかります。

(JETRO:フィリピンでの外国資本による会社、支店、駐在員事務所の設立手続

3. フィリピン会社設立の注意事項

外資規制リスト(ネガティブリスト)に注意

フィリピンでは、外資規制業種(ネガティブリスト)が定められており、20%、25%、30%、40%、そして100%禁止の業種があります。

外資規制が20%以下の業種は、ラジオ通信網分野になっています。25%以下の業種は、人材分野や公共・インフラ分野、30%以下では、広告分野が対象となっています。

40%以下の業種は、教育分野、資源分野、公益事業関連分野、さらに米やとうもろこしの農業分野が挙げられます。その他、宇宙ロケットやダイナマイト、軍艦等の安全保障・防衛等に関わる業種も対象となっています。

100%禁止の業種は、新聞やテレビ等のマスメディア、弁護士や薬剤師等の専門職、保険分野、その他核兵器の製造や化学兵器製造等、危険が伴う分野の出資を禁止しています。

フィリピンに会社設立・法人登記を検討する際には、外資規制対象業種に入っているかどうか、事前に確認する必要があります。

関連:JETRO「外資に関する規制

4.

フィリピンの会社設立・法人登記はわかりにくい

以上より、フィリピンの会社設立・法人登記について見てきました。フィリピンでは、外資規制業種が定められており、外資100%出資が難しい業種もあります。初めての会社設立・法人登記では、規制対象となっているかどうかがわかりにくい場合もあります。さらに、登記手続きにも慣れていないため、時間がかかることが予想されます。

フィリピンの会社設立・法人登記では、その道の専門家である法人登記代行企業に依頼するのが一般的です。専門家に遺体することで、スムーズな手続きが可能になります。

5.優良な法人登記代行企業をご紹介

海外進出に必須の法人設立登記。進出する国によって、法令や制度が違います。

「Digima〜出島〜」には、厳選な審査を通過した優良な法人登記代行企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

「海外に進出したいがどのように登記をすればいいかわらない」「どんな書類が必要なのかわからない」「早く登記を完了させたい」…といった、海外進出における法人登記代行のご質問・ご相談を承っています。

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(参照文献)
・JETRO(2015)「フィリピン外国企業の会社設立手続・必要書類詳細
・JETRO(2018) 「外資に関する規制
・JETRO(2018)「フィリピンでの外国資本による会社、支店、駐在員事務所の設立手続
・国際協力銀行(2013)「フィリピンの投資環境 第8章投資形態
・BUSINESS LAWYERS(2016)「【連載】フィリピン進出の法務 第2回 会社設立・進出形態と当局との手続における注意点

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