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台湾物流の基礎知識 | 最新物流事情・自由貿易区(FTZ)・国際物流戦略「MMC」

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「台湾物流の基礎知識」として、台湾物流の歴史と日系物流企業の関係、主要5都市から見る台湾物流事情、台湾における自由貿易区(FTZ)について、台湾の国際物流戦略「MMC」について解説します。

台湾島には中央山脈が南北に連なっていて、その西側を中心に商業や工業都市としての国内物流が発展してきました。現在の台湾物流は、すでに日本同様に3PL(=Third(3rd) Party Logistics) と呼ばれる段階に入っており、現在の台湾物流の発展の一翼を担ってきたのが、日系の大手宅配企業と言える背景もあります。

また台湾には、基隆港、台北港、蘇澳港、台中港、高雄港、安平港の6つの自由貿易港区(FTZ= Free Trade Zone)が存在しており、台湾の国際物流戦略のひとつであるMCCと併せて、新たなグローバルな物流モデルの確立にも着手しています。

1. 台湾物流の歴史と日系物流企業の関係

台湾物流は島の西側を中心に発展

台湾の面積は約36,000kmとなっており日本の九州と同じくらいの大きさです。台湾島を中心に、澎湖諸島、蘭嶼周辺諸島、金馬地区、東沙諸島、南沙諸島などから構成されています。

台湾島には中央山脈が南北に連なっており、これらの山脈は台湾島の面積の約55%を占めています。台湾の全人口の70%は北部に集中しており、さらに島の南北に連なる中央山脈を境に、その西側は商業や工業都市として物流が発展しています。

西側の都市としては、台北・新竹・台中・台南・高雄といった大きな都市が発展しており、東側には大都市は少なく、豊かな自然を持つ農村や漁村、あるいは景勝地が多いのが特徴です。

台湾物流の発展の一翼を担ってきた日系物流企業

前項で述べた台湾の地形は、国内の物流インフラと相互に関係しており、先述のように台湾の物流は島の西側を中心に発展してきた歴史があります。

台湾における物流の発展は1990年以降とされており、90年以前における台湾の物流とは、工場内にある倉庫や、在庫用および取り次ぎ用の倉庫主がおもなものとされており、現在の物流の定義に含まれる、在庫の管理も含めた物流ではありませんでした。

それら在庫の管理を担っていたのは、企業内の物流部門のような、いわゆる伝統的倉庫業や運輸業者であったとされています。

しかし、現在の台湾物流は、すでに日本同様に3PL(=Third(3rd) Party Logistics) と呼ばれる段階に入っています。

3PLとは、荷主と運送業者以外のノウハウを持った第三者(日本では運送業者と同一のケースもある)が、荷主の立場にたって、ロジスティクスの企画・設計・運営を行う事業のことで、ロジスティックスやサプライ・チェーン・マネジメントといったものにも対応できることが求められます。

そうした台湾物流の発展の一翼を担ってきたのが、日系の大手宅配企業と言えるでしょう。

2000年代初頭、「ヤマト運輸」「佐川急便」「日本通運」といった、日本の大手宅配業者の技術指導を受けた台湾の現地企業が小口貨物の取扱量を増加させたことが話題となりました。

具体的には、佐川急便が台湾企業である「新竹貨運」を、ヤマト運輸が同じく現地企業である「統一速達」を、日本通運が台湾現地の「台湾宅配通」に対して、それぞれ自社のブランドも含めた技術供与を全面的に実施したのです。

このように台湾政府が国内物流企業への出資を外資に解禁したことが、台湾物流の発展がうながされた一因あることは心に留めておくとよいでしょう。

2. 主要5都市から見る台湾の物流事情

台湾物流を有機的につなげていく主要5都市

ここからは台湾の物流事情について、同国の物流に深い関連がある主要都市を巡る状況から見ていきましょう。

そもそも台湾物流に深い関連がある主要都市は5つ。具体的には、台北(タイペイ / たいほく)市、基隆(ジーロン / きいるん)市、高雄(カオション / たかお)市、桃園(タオユエン / とうえん)市、新竹(シンジュー / しんちく)市となります。

それらの主要都市がそれぞれをつなげる有機的な物流ネットワークが形成されているのです。下記からは各都市の物流の特徴について見てきましょう。

台北の物流事情

台北は、台湾北部にある直轄市で首都でもあります。台湾経済の中心地であり、国内企業の本社も数多く台北に存在しており、物流の面から見ても重要な地域となります。

基隆の物流事情

基隆は、後述する高雄港に続く、台湾で二番目の貨物取扱量を誇る基隆港があり、台湾国内はもちろん同国の国際物流および貿易の重要拠点です。ここのコンテナヤードに、たくさんの輸出および輸入貨物が集結しています。

高雄の物流事情

高雄は、台湾の最南端に位置する、先述したように台湾を代表する貿易港を要する、台北に続く同国の経済文化の拠点とされています。

高雄港は、100万TEU(=Twenty foot Equivalent Units / 20フィートで換算したコンテナ個数を表す単位)のコンテナ取扱量を誇る世界14位の大型港として知られています。また港湾のみならず、最北の基隆と最南の高雄は一本の高速道路で結ばれています。

桃園の物流事情

桃園は、台湾の西北部にあり、国際空港である台湾桃園国際空港も存在することから、近隣の台北港とともにアジアの空便・船便など運輸交通の中心地として成り立っています。さらに台湾のトップ500の製造業のうち200以上の工場が立地する工業地帯も擁しています。

国際空港と工業地帯があることから、国内外のあらゆる倉庫および物流センターが集中しており、航空フォワーダーの起点として、様々な海外からの貨物を一時保管する保税倉庫や国内向けの流通が多層化が存在しています。

新竹の物流事情

新竹は、台湾のシリコンバレーと呼ばれており、IT関連の企業および工場が集結している地域で、台北をはじめとする各都市からのトラック輸送が盛んに行われています。

そもそも台湾は世界の半導体市場でもトップの生産量を誇っており、導体製造専門のファウンドリ(受託生産会社)で世界を制覇した台湾TSMCも新竹市に本社があります。

3. 台湾における自由貿易区(FTZ)について

自由貿易区(FTZ)を活用した新たな台湾物流モデルの構築

台湾には、基隆港、台北港、蘇澳港、台中港、高雄港、安平港の6つの自由貿易港区(FTZ= Free Trade Zone)が存在します。

自由貿易港区(FTZ= Free Trade Zone)とは、非課税の状態での貨物の取り扱いが可能な特別エリアを指します。

台湾には保税倉庫や国際物流中心(ILC=International Logistics Center)と呼ばれる保税状態での在庫が可能な施設がありますが、 自由貿易港区(FTZ)の特徴は、保税状態での「加工」が認められる点にあります。さらにFTZ 域内での「加工」に加えて、「委託加工」と呼ばれる域外に貨物を運び出しての加工も認められています。これらのことから、自由貿易港区(FTZ)が、台湾の産業集積を活用する「物流+加工」を行なう拠点となり得ると言えます。

台湾の自由貿易港区(FTZ)の具体的な活用事例としては、アジア・中東向けの完成車の組み立てや再輸出に活用されていたり、東南アジア向けの飲料を台湾でボトリングして再輸出するといった事例があります。この自由貿易港区(FTZ)を活用することで、台湾を起点とした新たなグローバルな物流モデルが確立できるのです。

4. 台湾の国際物流戦略MMCについて

台湾を東アジアの物流ハブ拠点へ

国内市場が大きくない台湾は、これまで輸出国として経済成長を果たしてきました。よって、国際物流を強化することは、同国の物流において非常に重要なポイントとされています。

本テキストの最後は、台湾の国際物流戦略のひとつであるMCCについて解説します。

MCC(= Multi Country Consolidation / マルチ カントリー コンソリデーション)とは、台湾周辺国からの調達貨物を自国に集約し、コンテナ単位に集約してから輸送するサービスです。

つまり、台湾を東アジアの物流ハブの拠点として強化する戦略であり、中国や香港からのアメリカへの輸出における物流コストを削減するための中継地点として自国の物流インフラを強化するという国家戦略とされています。

具体的には、先述の高雄港や桃園国際空港を、それぞれ国際海運および国際航空貨物のハブ拠点として、物流インフラを効率的に活用および発展させていくこととされています。

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