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タイの会社設立に必要な費用・書類・期間 | GEOという新しい進出形態とは?

掲載日:2020年04月09日

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タイでの会社設立(法人設立)・登記の流れと手順(手続き、コストと費用感、資本金、期間、必要書類…etc.)について解説します。

タイで海外事業活動を実施する場合は、基本的に現地に拠点を置くことが必要です。そのための方法はいくつかあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。それぞれの進出形態に必要なコストやできることなどを把握した上で、自社の事業にあった方法を選択していくことが、海外ビジネスの成功につながります。

本テキストでは、日本企業がタイに進出する際の事業形態である「現地法人」「駐在員事務所」「支店」、さらに新しい選択肢として注目されている「地域統括事務所・地域統括会社(IHQ)」や「Global Employment Outsourcing (GEO)」という、5つの会社設立方法について解説します。

それぞれの事業形態別の手続きの流れに加えて、資本金を含めた費用感、必要書類、さらには各事業形態別のメリット&デメリットも含めて詳しくレクチャーしていきます。

Photo by Paul Szewczyk on Unsplash

1. タイで会社設立(法人設立)・登記する際の手順と期間

タイの会社設立に必要な期間は約1ヵ月半

まずは、一般的なタイの会社設立の手順と期間の全体像を理解していただくために、分かりやすく簡略化したフローを下記にまとめます。

タイの法人登記は、不備なくスムーズに手続きができる場合、1ヵ月~1ヵ月半の期間が必要だと言われています。 なおタイでの会社登記の手続きは、頻繁に法改正があり、手続き自体が複雑なため、現地で法人設立・法人登記を行う場合は、プロフェッショナルである法人登記代行企業に依頼することが一般的でありオススメします。

■タイで会社設立(法人設立)・登記する際の手順と期間
タイ会社設立

参照:タイ進出支援朝日ビジネスソリューション(タイランド)「会社設立手順」

次項からは、タイで拠点設立するための5つの事業形態について解説します。

2. タイで事業展開するための5つの事業形態

「現地法人「支店」「駐在員事務所」「IHQ」「GEO」

タイでの一般的な事業形態は、「現地法人」「支店」「駐在員事務」の3つ。さらに「地域統括事務所・地域統括会社(IHQ)」に加えて「Global Employment Outsourcing(GEO)/ 雇用代行」などがあり、日本企業がタイで拠点設立する場合、おもに下記の5つの事業形態から選択することができます。

■1: 現地法人
■2: 支店
■3: 駐在員事務所
■4: 地域統括事務所・地域統括会社(IHQ)
■5: Global Employment Outsourcing(GEO)


上記を踏まえて、日本企業がタイに進出する事業形態でもっとも一般的なのは、現地法人になります。

その他、駐在員事務所、本社を日本に置いたまま、タイに支店を設立することも可能です。

また、地域統括事務所・地域統括会社(IHQ)や、新しい手法として欧米企業を中心に広がっている「Global Employment Outsourcing(GEO)」という現地に現地法人・支店・駐在員事務所を設けずに事業を開始する方法もあります。

次のセクションからは、その5形態の概要と申請の手順に加えて、5つの事業形態を選択した際のメリット&デメリットについて解説します。

1:現地法人 [手続きの流れ・コスト・メリット&デメリット]

【概要】
タイでもっとも一般的である進出形態が現地法人です。現地法人は、非公開会社と公開会社で分かれています。

非公開会社は、進出する日本企業が多く採用する形態であり、株式の譲渡や資金調達に制限がかけられています。一方公開会社は、上場を目指す企業が採用する形態であり、株式や資金調達について制限がありません。

また、最近では、タイ投資委員会(BOI:Board of Investment)による投資奨励政策や外資規制の緩和、工業団地への進出による優遇制度により、日本企業をはじめ外資系企業の進出が容易になりつつあります。

【申請の手順と必要書類】
現地法人設立の基本的な手続きは以下の通りになります。

1.会社名の予約
2.基本定款の登記
3.設立総会の開催
4.会社登記


(JETRO「外国企業の会社設立手続き・必要書類(タイ)」より)

会社名の予約は、設立する法人の発起人が行います。事前に類似の商号・会社名があるかを確認します。その後、商務省事業開発局やバンコク登記局等の管轄当局に予約申請を行います。申請から許可まで2~3日かかります。

基本定款の登記では、3人以上の名前を定款に署名することで現地法人を設立できます。投棄料は500バーツ(約1,700円)ですが、2020年12月31日までに現地法人を設立する場合、インターネットでは350バーツ(約1,200円)、経済特区内に設立する場合は250バーツ(約850円)になります。

基本定款には…

・会社名
・資本金、発行株式数、1株あたりの額面額
・設立目的
・発起人の情報(氏名、住所、職業等)
・現地法人の所在県
・取締役の責任


を盛り込む必要があります。

その後、株式の引き受けを行います。引き受けが完了した後は、設立総会を開催し…

・株主総会、取締役会の規定(付属定款)の採択
・発起人の設立準備の承認
・取締役の選任と権限、監査人(タイ人公認会計士)の決定
・株式引受人の情報や引き受け株式数等の承認
・株式対価の支払い


を検討する必要があります。

その後は、会社登記を行い、登記局に以下の情報を提出します。

・3人以上の株主の情報(氏名、住所、職業等)
・(代表)取締役の氏名、住所、職業
・代表取締役のサイン権と署名
・本社と支社の住所
・付属定款
・初回の資本金払込金額


登記料は、5,000バーツ(約17,000円)ですが、2020年12月31日までに登記を行う場合、ネットでは、3,500バーツ(約12,000円)、経済特区内では、2,500バーツ(約8,500円)となります。また、500万バーツ(約1,700万円)以上の資本金をもつ会社は、別途提出の書類があります。

関連:JETRO「外国企業の会社設立手続き・必要書類(タイ)

【現地法人のメリット】
タイに限らず、海外にて現地法人の形態をとるメリットとしては、現地での迅速な意思決定が可能になることが挙げられます。また、タイのみならず海外においても、現地法人の名前でビジネスを広げることが可能であり、タイ企業への投資や株式購入、さらには子会社の設立、合併や買収なども規制されていません。

【現地法人のデメリット】
タイで現地法人を設立する際のデメリットとしては、毎月及び毎年1回の経理報告義務が発生することが挙げられます。

また、タイではサービス業および販売業の法人設立の際は、外国資本規正法により49%までしか外国資本の出資が認められていません。つまり、タイ人の出資が51%必要ということです。この割合によって、自社の会社であっても、タイ人の出資者の影響力が発生する可能性があります。

2:支店 [手続きの流れ・コスト・メリット&デメリット]

【概要】
タイの支店は、現地法人と同様、販売や営業といった営利活動が可能ですが、外資規制により銀行をはじめとした金融機関の設立が多く、それ以外は設立が難しいとされています。しかし、プロジェクトによる一時的なジョイントベンチャーの設立は認められており、これも支店の一形態として数えられます。

【申請の手順と必要書類】
支店設立に必要な書類と基本的な手続きは以下の通りになります。

【支店設立に必要な書類】

・宣誓供述書、会社登記簿謄本(英訳、タイ語訳済、公証有)
・担当官の面接
・申請受理
・審査、許可


また、1事業にあたり年間300万バーツ(約1,050万円)以上の経費を使用しなくてはなりません。

【支店のメリット】
タイにおける「支店」のメリットとしては、駐在員事務所のように活動内容には制限をほとんど受けず、現地法人と同様の活動が可能であることです。

支店の場合、現地法人ではないため、資本や資産は本社と共有であり、決算も本社の仕訳に組み入れます。本社を日本に置いたまま法人を設立することもできますが、現地法人を設立した後に支店を設立するのが一般的です。タイ国外に登記された法人の支社として本社と同じ業務または商務局にて認可を受けた業務のみ行うことができます

【支店のデメリット】
日本および外国の本社と同じ業務、あるいは商務局にて認可を受けた業務のみ行うことが可能です。デメリットとしては、外国資本100%で設立できる代わりに、登記の際に認可された事業しかすることができません。

タイ国内および海外との商取引が可能ですが、1事業あたり年間300万バーツ(約1,050万円)以上の経費を使うことが条件とされていることも忘れてはいけません。

3:駐在員事務所[手続きの流れ・コスト・メリット&デメリット]

【概要】

タイでの駐在員事務所は、販売や営業といった営利活動はできず、基本的には現地の情報収集や本社との連絡を行う非営利の形態になります。

今までは、手続きに費用と手間がかかっていました。しかし、2017年にタイ政府により、駐在員事務所設立の手続きが大幅に緩和されました。この手続きについては後述します。また今後、手続きの緩和によって、駐在員事務所を設立する日本企業が増加する可能性があります。

【駐在員事務所設立に必要な書類】
タイの駐在員事務所設立は、2017年に大幅な規制緩和が施行されました。これによって、駐在員事務所の設立の為に必要な企業登録番号(TAX ID)の取得の手続きが容易になりました。

従来では、企業登録を発行するためには、外国人事業ライセンスの取得が必須でした。ライセンスの取得には、親会社の資本金の0.5%(最大25万バーツ(約85万円))が必要で、申請期間も3カ月以上必要でした。

設立後も、3年以内に事務所経費として300万バーツ(約1,020万円)以上を現地に持ち込む必要があり、時間とお金がかかっていました。

改定後は、商務省事業開発局に以下の書類を提出します。

・タイ国内でビジネスを行う外国法人の会計帳簿および帳簿記載必要書類の保管場所報告フォーム
・外国法人の登記簿謄本
・駐在員事務所責任者の任命状
・責任者のパスポートのコピーまたは、申請代理人の国民証のコピー
・申請代理人への委任状
・駐在員事務所の地図


(JETRO「駐在員事務所設立手続き:タイ」より)

不備なく書類が提出された場合、企業登録番号(TAX ID)が即日発行されます。また、手続きにかかる手数料も不要になり、経費送金についても200万バーツ(約682万円)が必要となりましたが、これも従来と比べて金銭的な負担が軽減できます。

【駐在員事務所のメリット】
外資系企業および投資家がタイに進出する際のもっとも簡便な形態とされています。駐駐在員事務所は、情報収集や連絡業務といった限られた活動のみ許可されており、営業活動は不可となっています。

タイに駐在員事務所を設立するメリットは、大きな投資をする前に、タイでの市場調査や分析を実施できることです。

【駐在員事務所のデメリット】
駐在員事務所には法人格はなく(親会社と同一の法人格とみなされる)、その活動が限定され、営利活動を行うことはできず、非営利活動のみ行うことができます。

具体的には、本社との連絡業務、市場調査、本社の投資の機会の促進などを行うことができます。営業活動は法人及び支店にのみ認められています。したがって駐在員事務所としての営業活動は不可となっています。

また、そもそも法人格を持たないため、銀行での口座も支店専用口座となり、顧客からの入金もできません。

4:地域統括事務所・地域統括会社(IHQ)[手続きの流れ・コスト・メリット&デメリット]

【概要】

地域統括事務所、地域統括会社(IHQ)とは、新たに設けられた法人形態であり、海外に多くの子会社を保有している企業が、ヨーロッパやアジアなど、地域ごとにグループを統括するための形態です。

その背景には、外資企業に対してアジアのハブとしての拠点を自国に誘致することで海外投資を促進するという、タイ政府の思惑があります。 大きな特徴としては、外資100%での法人設立および法人所得税を10%に設定していることが挙げられます。

日本企業にとっては、タイを輸出拠点として、子会社や工場を設立するケースが多くあるため、タイに地域統括会社を設立することは、東南アジアの製造拠点としても期待することができるでしょう。

また、先述のように、タイに地域統括会社を設立することで、企業集団内での税率軽減や為替リスクの軽減など、金銭の負担を軽減することができます。

ただ、その業務範囲は、系列のグループ会社の支援を始め、商品開発、技術支援、マーケティング、資産運用、投資研究などに限られており、地域統括事務所・地域統括会社自体には、商品の販売やサービス提供などで利益を得る行為は禁止されています。

また、その【申請条件】としては…

・タイの法律に基づきタイ国内に設立される会社であること
 ※資本金は1,000万バーツ、株主はタイ人でなくとも良い
・最低1カ国、タイ国以外に、支店や関連会社を有して統括していること
・払込登録資本金が1,000万THB(約3,000万円)以上であること


…などが挙げられます。

5:Global Employment Outsourcing(GEO)[手続きの流れ・コスト・メリット&デメリット]

【概要】

まだまだ耳慣れない言葉である「Global Employment Outsourcing(GEO)」ですが、欧米企業を中心に海外進出時の事業形態として注目を集めている方法です。

上記でご覧いただいたように、「現地法人」の手続きは煩雑で、大きなコストが必要となります。一方で、「支店」や「駐在員事務所」では規制や制限が出てきてしまいます。その双方の課題を解決するために「雇用代行」という方法をとるのが「Global Employment Outsourcing(GEO)」です。

この方法では、短期間(最速1週間)、低コストで、タイにて事業活動(営業活動)をスタートさせることができます。不確定要素の多い海外ビジネスにおいて、柔軟な戦略を取ることができる手法として、今まさに多くの企業が取り組み始めている手法なのです。

Global Employment Outsourcing(GEO)の仕組みとしては、現地のGEOサービスの提供会社とサービス契約を結びます。

そして、GEOサービス提供会社は、進出を検討している企業が指定する「現地責任者(タイビジネスを任せたい人材)」を現地で雇用します。

その人材が、サービス提供会社が提供するサービスの一環として、進出企業の事業活動を行うというシステムです。

日本における派遣に近い仕組みですが、一番大きな違いとしては、進出を検討している企業が自ら選定した人材をGEOサービス提供会社に雇用させる点です。

すなわち、自社の事業を任せるに相応しい人材を自ら主体的に選ぶという点では、現地法人と大きく変わらないと言えるでしょう。「GEO」を選択した場合、煩雑な手続きを必要とせず、駐在員事務所ではできないような事業活動をタイ現地で行うことが可能になります。

【GEOサービスの流れ】
まずは、現地で事業を任せたい人材を探す必要があります。こちらに関しては、必要に応じて、GEOサービス会社がサポートしてくれます。 そして、GEOサービス会社とサービス契約を結びます。GEOサービス会社は、進出企業の想定する雇用条件に基づき、現地の法令に基づく雇用契約書を作成し、対象の人材と雇用契約を締結します。雇用された人材は進出企業の専属の人材として事業活動を行います。

たったこれだけで、最速1週間ほどで、タイビジネスを開始することができるのです。

現在、日系企業向けにGEOサービスを提供している会社は以下となります。

▼ GoGlobal株式会社
https://goglobalgeo.com/geo/

【Global Employment Outsourcing(GEO)のメリット】

GEOを選択した場合の最大のメリットは、低コストで、迅速に事業を開始できるため、タイ事業の可能性を見極めたい段階でトライアル的に進出できることです。

外国資本規正法に基づくタイ人株主(51%)について、進出前に選定する必要がなく、現地法人化するタイミングでJVパートナーがいればいいです。逆に言うと、信頼できるJVパートナーが見つかった段階で現地法人化を検討すればいいということです。

会社設立にかかる費用は必要なく、煩雑な手続きによる時間的コスト、人的コストも発生しません。現地に候補者さえいれば最短1週間で事業を開始可能です。

また、設立後のバックオフィス業務(決算、税務申告、給与計算、規則策定等)が発生しないので、事業活動に専念できます。

もちろん、事業が拡大した場合は、現地法人に移行することができますし、その際にはGEOで雇用していた人材はそのまま現地法人に移管されるので事業の連続性を保つことが可能です。さらに、仮に撤退が必要な際にも法人清算をする必要がないため、海外進出のハードルも下がります。

【Global Employment Outsourcing(GEO)のデメリット】
一般的に、タイで獲得した契約は、タイの顧客と日本本社との間の契約となり、顧客からの支払いもタイから日本へ送金してもらう必要があります。

事業規模が小さい間は大きな問題となりませんが、事業規模が拡大するとより柔軟な運営をしていくために現地法人の設立を検討する必要がでてきます。また、法人を設立しているわけではないので、現地で売上を立てることができません。

そのため、小売や飲食などといった現地で売上を立てる事業には不向きです。また、許認可が必要なサービスに関しては、手間や費用が別途生じる可能性があります。

3. タイでの会社設立(法人設立)・登記にかかる費用とは?

タイで法人登記した場合の大まかな費用感

ここからは、タイでの会社設立および法人登記をする際に生じるであろう、その大まかな費用感について見ていきます。今回は多くの業種業態において関係がある…

①「最低資本金」
②「タイ人以外の外国人の出資者および従業員のビザ取得の費用」
③「タイ現地の従業員賃金」
④「オフィス賃貸料」


…の4つのトピックをピックアップして解説します。

① 最低資本金

タイでの会社設立における最低資本金は、外国企業の場合、最低200万バーツ以上とされています。

また、入国管理局では、就労ビザ(Bビザ)延長の際に提出する年度会計報告においは、会社資産額が100万バーツ以上である必要があります。

タイでは会社設立の申請には外国人出資分の出資証明が不要なので、法律では会社設立申請時に資本金額の25%の出資が必要とされていますが、実際に証明する必要があるのはタイ人出資額のみとなっています。

また、タイでの資本金証明は、お金の出所を確認されるので、タイ人名義の口座の中にお金があることが必要です。

※外国人出資が39%以下の会社設立には資本金証明は一切不要です

② タイ人以外の外国人の出資者および従業員のビザ取得の費用

タイでは日本人1人を雇用する度に200万バーツ(約700万円)の資本金が必要となります。これはタイ国籍以外の外国人の雇用に全て適応され、仮にどのような法人形態であったとしても、外国人労働者を雇う場合にはビザ発行につき「1人あたり200万バーツの資本金」が必要になります。

参考文献:「タイ – 法人設立に関する費用について」The Oceanz

③ タイ現地の従業員賃金

JETROによる「第26回 アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較(2016年6月)」によると、タイ・バンコクにおけるワーカー(一般工職)の賃金水準は348米ドル、エンジニア(中堅技術者)の賃金水準は659米ドルとされています。

【都市・地域別 投資関連コスト表】 都市名:バンコク(タイ) 項目:賃金 JETRO提供 参考文献「第26回 アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較(2016年6月)」JETRO

また、現場の感覚だと、大学新卒者を雇うには23,000バーツ(約8万円)前後が必要とされており、さらに日本語ができる大学新卒者となると26,000バーツ(約9万円)前後が目安となっているようです。ボーナスは平均で、基本給与の2.83ヵ月分ということです。

さらに「傷病」「出産」などの7種の給付項目がカバーされる社会保険の事業主負担率は5%。また、諸手当、残業代などを含むと年間で合計20%程度の費用をプラスした人件費を想定する必要があるとのことです。

参考文献:「タイ – 法人設立に関する費用について」The Oceanz

④ オフィス賃貸料

バンコク市内のオフィスビルにあるタイ事務所賃貸の物件では、タイオフィス賃料が1平米あたり月額600バーツから875バーツあたりが相場となっています。

またタイオフィス仲介にかかる手数料に関してですが、タイの不動産業界の慣習として借主にではなく貸主に請求するので、事務所を借りる際の手数料は必要ありません。

タイオフィス仲介を通してタイ事務所賃貸の物件を借りる場合、賃料以外に賃料の3カ月分の保証金が必要となります。保証金とは日本の不動産業界における敷金と似たもので、退去時に原状回復にかかる費用を差し引いた分が返金されます。このほかに物件を決めた時点で予約金として家賃の1か月分が必要となります。

4. タイでの会社設立(法人設立)・登記に関する注意事項

BOIとIEATという2つの優遇制度 / 製造業と非製造業では優遇制度が異なる

タイでは、外資優遇制度として、タイ投資委員会(BOI)の投資奨励制度やタイ工業団地公社(IEAT:Industrial Estate Authority of Thailand)による優遇制度があります。基本的に、これらの制度は、製造業が申請できます。

BOIの投資奨励制度では、外資の100%出資や最大8年間の法人税の免税、輸出用材料の輸入関税の1年間免税等が挙げられます。

また、IEATによる優遇制度を受ける場合には、IEATが管理する工業団地に進出する必要があります。内容としては、BOIの制度と被る点も多いですが、法人税や関税の免税がないため、それを補う形で、BOIとIEATの制度を利用することが一般的です。

非製造業では、製造業と異なり、優遇制度を受けられる条件があります。また、会社形態や資本金額、外資出資比率によって進出形態も異なる点も注意です。

資本金1億バーツ(約3億4,000万円)以上の場合は、規制を受けることなく外資100%の出資が可能になります。

また、外国人事業許可を取得することで、外資100%の会社を設立ができます。しかし、外国人事業許可をもらうためには、タイの国益にかなうかどうか等の観点から審査を受ける必要があり、取得は難しいとされています。

その他、商社等をはじめとした卸売業向けの法人には、国際貿易センター(ITC:International Trade Center)という制度を利用してBOI認可を受けることができます。認可を受けるには、資本金が1,000万バーツ(約3,400万円)以上、BOIの優遇措置対象外であることが挙げられます。この制度を利用することで、外資100%の法人設立が可能になります。

卸売業以外のサービスでは、BOIの対象となっている業種で認可受けることができます。この場合は、貿易投資支援事務所(TISO:Trade and Investment Support Office)の制度が利用できます。主な業種としては、コールセンターや機械設備のメンテナンス等のサービスが考えられます。

ITCとTISOの場合、国内市場に参入はできず、ITCの場合は、商品の輸出入業が主ですが、TISOは、タイに進出した外資系企業に対するサービスが主になります。

関連:KPMG「タイでの「統括拠点」設立における制度上のリスクと対策」

それ以外では、タイ企業との合弁会社設立の方法があります。この場合は、外資出資比率は50%未満とされています。そのため、合弁会社で設立を検討している場合は、現地パートナーの調査、選定や合弁契約の準備が必要になります。

5. 優良なタイの会社設立(法人設立)・登記代行企業をご紹介

御社にピッタリのタイ進出サポート企業をご紹介します

今回はタイでの会社設立・法人登記の方法について見てきました。タイでは、外資出資比率、更には進出する業界によって、会社形態が異なっており、手続きも複雑です。また、製造業の場合、経済特区に進出する可能性もあるため、手続きには何が必要なのか不明になってしまうケースも多々あります。

その為、タイでの会社設立や法人登記は、その道のプロフェッショナルである登記代行会社に依頼することが一般的と言えるでしょう。タイ進出を検討する際には、まずはタイ現地の登記代行会社に問い合わせてみることが進出への近道です。

また、現在注目を集めているGlobal Employment Outsourcing(GEO)も一考の価値があります。タイにおいて、迅速に、初期投資、リスクを限定しながら進出することも可能です。トライアンドエラーが必須となる海外ビジネスにおいて、大きなメリットのある手法と言えるでしょう。ぜひ一度検討してみることをオススメします。

▼ Global Employment Outsourcing(GEO)のことなら「GOGLOBAL株式会社」
https://goglobalgeo.com/geo/

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(参照文献)
・EY Japan「国際統括本部と国際貿易センターに対するタイの新しい優遇税制について
・JETRO「外国企業の会社設立手続き・必要書類(タイ)
・JETRO「駐在員事務所設立手続き:タイ
・朝日ビジネスソリューション「タイ・バンコクの製造業進出支援・会社登記・会計処理・BOI申請・労働許可証、ワークパミット取得等
・タイ自由ランド「会社設立登記
・久野康成『タイの投資・M&A・会社法・会計税務・労務【第二版】』TCG出版

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この記事を書いた人

「Digima〜出島〜」編集部

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