【2026年最新】タイ会社設立完全ガイド|BOI認可・定款(MOA)・社印まで実務目線で徹底解説
結論から言えば、タイでの会社設立自体は「有限会社を選び、必要書類を揃えて商務省(DBD)に登記する」という手順自体は決して複雑ではありません。しかし実務でつまずきやすいのは、①BOI認可を取るかどうかの判断とタイミング、②定款(MOA)の事業目的の書き方、③社印の扱い、④外国人雇用に伴うワークパーミット要件、という周辺実務の部分です。「タイ 会社設立」「タイ 法人設立」で検索している方の多くは、単なる登記手続きの流れだけでなく、BOI認可の取得可否、定款の事業目的をどう書けば後々の許認可取得や事業拡大の妨げにならないか、そして社印をいつ・どのように用意すべきかといった、実務レベルの疑問を抱えているのではないでしょうか。本記事では、こうした「登記手続きの先」にある実務ポイントまで踏み込んで整理します。なお、タイでは「外国人が単独で会社を作ることは原則として制限されている」という前提があります。外国事業法により外国資本比率や事業分野に規制がかかるため、タイでの起業は登記手続きそのものよりも、法人形態・BOI認可の要否・ワークパーミット取得計画といった「登記の前段階の設計」が成否を分けます。
この記事でわかること
- ・タイでの法人形態(有限会社・公開株式会社・支店・BOI認定企業)の選び方
- ・会社設立の5ステップと、つまずきやすいポイント
- ・BOI(タイ投資委員会)認可を取得する具体的な流れとメリット・注意点
- ・定款(MOA)の事業目的欄を書く際に押さえるべき実務ポイント
- ・社印(カンパニーシール)の作成・登録と、実務上いつ・どこで使うのか
- ・設立費用・資本金の目安と、ワークパーミット取得に必要な条件
▼【2026年最新】タイ会社設立完全ガイド|BOI認可・定款(MOA)・社印まで実務目線で徹底解説
1. タイでの法人形態の種類と特徴
有限会社(Limited Company)
日系企業が最も多く選択する形態です。発起人(株主)は最低3名必要で、外国人出資比率は原則49%以下という制限があります(後述のBOI認定を受けた場合を除く)。設立手続きが比較的シンプルで、中小規模の進出案件で広く採用されています。
公開株式会社(Public Company Limited)
株式上場を視野に入れる大規模企業向けの形態です。最低15名の発起人と500万バーツ以上の資本金が必要で、有限会社よりも重いガバナンス要件が課されます。
支店(Branch Office)
タイ国外の本社の営業拠点という位置づけで、独立した法人格を持ちません。外国人事業許可証(FBL)の取得が必須であり、許可取得までに一定の審査期間を要します。
BOI認定企業
タイ投資委員会(BOI)の認可を受けた企業には、後述する税制優遇や外資100%出資の許可など大きなメリットがあります。どの法人形態を選ぶかにかかわらず、BOI認可の取得を検討する価値は高いといえます。
2. 会社設立の手続き・流れ(5ステップ)
タイでの法人設立は、大きく分けて次の5つのステップで進みます。
- 会社名の予約:商務省(DBD)のオンラインシステムで希望する会社名を申請します(承認後30日間有効)。
- 基本定款(MOA)の作成・登録:事業目的・資本金・株主構成などを記載した基本定款(Memorandum of Association)を作成し、商務省に登録します。登録手数料は資本金10万バーツごとに50バーツが目安です。
- 株式引受・払込と設立総会:発起人による株式引受を完了させ、資本金の最低25%を払い込んだうえで設立総会を開催します。
- 法人登記の申請:設立総会から3か月以内に法人登記を申請します。書類に不備がなければ1〜3営業日程度で完了します。
- 税務登録・社会保険登録・営業許可の取得:税務局への納税者番号登録、社会保険登録、業種によっては個別の営業許可を取得します。
この中で特に時間を要しやすいのが②の定款作成と、⑤のワークパーミット関連手続きです。次章以降で詳しく解説します。
3. BOI(タイ投資委員会)認可の取得方法とメリット・注意点
「boi 企業 設立 タイ」というキーワードで検索されている方の多くが知りたいのは、BOI認可を取ることで具体的に何が変わるのか、そしてどう申請すればよいのかという実務の部分だと思われます。
BOI認可を取得する主なメリット
- 法人税の免除(対象業種・投資規模に応じて最長8年間)
- 機械・原材料の輸入関税免除
- 外資100%出資の許可(外国事業法の出資規制の適用除外)
- 外国人ワークパーミット取得における雇用比率要件の緩和
BOI認可の申請フロー
BOI認可の申請は、大きく次の流れで進みます。
- 自社の事業がBOIの奨励対象業種に該当するか確認する(2026年現在、先端製造業、デジタル・IT、BCG経済、EEC投資、研究開発分野などが対象)
- 事業計画書・投資計画書を作成し、BOIへ申請書を提出する
- BOIによる審査(案件の規模・内容により期間は変動)
- 認可(Certificate of Promotion)の発行
- 認可条件に沿って会社設立・投資を実行し、ワンストップサービスセンターで手続きを進める
BOI認可取得時に注意すべきポイント
最も重要な注意点は、「BOI認可は計画段階での申請が原則であり、事後申請は基本的に認められない」という点です。BOI活用を検討している場合は、法人設立前の段階でBOIへの相談・申請を並行して進めることが重要です。
4. 定款(MOA)の事業目的の書き方
「タイ 定款 事業目的」で検索されている方は、おそらく定款(MOA)に記載する事業目的の欄をどう書けばよいか、具体的な実務上の勘所を知りたいのではないでしょうか。
基本定款(MOA)には、会社名、本店所在地、事業目的、資本金、株主構成などを記載し、発起人3名以上の署名が必要です。この中でも実務上とりわけ重要なのが「事業目的」の記載内容です。
事業目的を書く際の実務ポイント
- 将来行う可能性のある事業まで広めに記載しておく:定款に記載のない事業を後から行うには定款変更(株主総会決議・変更登記)が必要になり、時間とコストがかかります。
- 許認可が必要な業種は要件に合致する文言で記載する:製造業や特定サービス業では事業目的の記載が営業許可の審査基準と紐づくため、専門家の確認を経て確定させることが望まれます。
- 外国事業法の規制区分を意識する:外国事業法上どの区分(禁止・許可制)に位置づけられるかを事前に確認します(詳しくは後述「会社設立時の注意点」参照)。
- BOI認可を予定している場合は奨励事業区分と整合させる:定款の事業目的とBOI申請時の事業内容に齟齬があると審査上の指摘を受ける可能性があります。
定款の事業目的は、会社の「できることの上限」を定める条項です。設立時点で絞りすぎると事業拡大の際に定款変更という追加コストが発生するため、将来の展開も見据えたうえで専門家と相談しながら記載範囲を決めることをおすすめします。
5. 社印(カンパニーシール)の作成・登録と実務上の使い方
「タイ 社印」で検索されている方は、日本の会社実印に相当するものがタイでどう扱われるのか、実務上いつ必要になるのかを知りたいケースが多いと考えられます。
タイの法人は、日本の実印制度と同様に「社印(Company Seal、カンパニーシール)」を作成し、法人登記の際に商務省へ登録します。法定のフォーマットはありませんが、会社名(タイ語・英語)と登録番号を含む円形デザインで作成されるケースが多く見られます。
社印が必要になる主な場面
- 法人登記申請時の各種書類への押印
- 銀行口座の開設・各種契約書への押印(署名と併用するケースが一般的)
- 官公庁への各種申請書類(税務登録、営業許可申請など)への押印
- 取締役の変更や定款変更など、会社の重要事項に関する登記変更書類への押印
社印取り扱い上の注意点
社印は法人としての意思表示を示す重要なものであるため、管理体制を明確にしておくことが望まれます。取締役が複数名いる会社では、どの書類にどの取締役の署名と社印の組み合わせが必要かを定めておくとトラブルを避けやすくなります。紛失・盗難時は商務省への届出と再登録手続きが必要です。近年は電子契約も広がりつつありますが、官公庁提出書類や銀行取引では依然として物理的な社印の押印が求められる場面が多く残っています。
6. 会社設立にかかる費用・資本金の目安
設立手続きにかかる費用
会社設立の手続き自体にかかる費用(登記手数料、定款登録費用、専門家への依頼費用等)は、概ね20万〜50万バーツ(約84万〜210万円)が目安です。
資本金の目安
一般的な資本金の目安は200万〜500万バーツ(約840万〜2,100万円)程度ですが、目的によって必要水準は異なります。
- 外国人ワークパーミットを取得する場合:1件あたり払込資本金200万バーツ以上が必要
- 外国人事業許可証(FBL)を取得する場合:最低300万バーツ以上が必要
有限会社は上記の資本金レンジで設立可能なケースが多い一方、公開株式会社は500万バーツ以上の資本金が必要となり、設立コストは相対的に大きくなります。
7. 会社設立時の注意点
ノミニー(名義貸し)の禁止
前述の外国事業法の規制区分に加えて注意したいのが「名義貸し(ノミニー)」です。タイ人株主の名義だけを借りて実質的に外国人が全株式を支配する形態は違法であり、厳しく取り締まられています。BOI認可の活用など適法な形で外資規制に対応することが重要です。
ワークパーミット(労働許可証)の取得要件
外国人がタイで就労するには、ノンイミグラントBビザとワークパーミットの両方が必要です。主な要件は次のとおりです。
- 外国人1名につき、タイ人従業員4名以上の雇用が必要(BOI認定企業は要件が緩和される場合あり)
- 外国人1名につき、払込資本金200万バーツ以上が必要
その他の実務上の注意点
会計帳簿はタイ語での作成が求められ、登記用のオフィス住所の確保も必要です。銀行口座の開設時は取締役全員の立ち会いが求められるケースが一般的です。
8. Digima~出島~に寄せられるタイ会社設立関連相談の傾向
「Digima~出島~」には、「BOI認可を取るべきか判断がつかない」「定款の事業目的をどこまで広く書けばよいかわからない」「社印や銀行口座開設など現地の実務が不安」といった、登記手続きの前後の実務判断に関するご相談が多く寄せられています。特にBOI認可の要否は法人設立の設計に関わるため、設立前の早い段階でのご相談が増えています。
9. よくある質問(FAQ)
Q. タイで会社設立をする場合、どの法人形態を選べばよいですか?
中小規模の進出であれば、外国人出資比率49%以下で設立できる有限会社が最も一般的です。外資100%出資を目指す場合はBOI認可の取得を検討する必要があります。
Q. BOI(タイ投資委員会)の認可は誰でも取得できますか?
BOIの奨励対象業種(先端製造業、デジタル・IT、BCG経済、EEC投資、研究開発など)に該当することが前提です。認可は計画段階での申請が原則で、事後申請は基本的に認められません。
Q. 定款(MOA)の事業目的は後から変更できますか?
変更自体は可能ですが、株主総会決議と商務省への変更登記が必要となり、時間とコストがかかります。設立時点で将来の展開も見据えて広めに記載しておくことが望まれます。
Q. タイの社印(カンパニーシール)はどこで作成しますか?
現地の印章業者で作成するのが一般的です。法定様式はありませんが、会社名と登録番号を含む円形デザインで作成し、法人登記の際に商務省へ登録します。
Q. 会社設立にはどのくらいの資本金が必要ですか?
一般的な目安は200万〜500万バーツですが、ワークパーミット取得予定の場合は1件あたり200万バーツ以上、FBL取得の場合は300万バーツ以上が必要です。
Q. タイでの起業・会社設立は自社だけで進められますか?
定款の事業目的の書き方やBOI認可の要否判断などは専門知識を要するため、現地の法律・会計事情に詳しい専門家・サポート企業と連携しながら進める企業が多く見られます。
10. 優良な海外進出サポート企業をご紹介
今回は「タイでの会社設立」として、法人形態の選び方、会社設立の5ステップ、BOI認可の取得方法、定款の事業目的の書き方、社印の作成・登録、費用や資本金の目安までを実務目線で整理してご紹介しました。
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