バンコク進出のメリット・デメリット|日本企業の進出動向

本記事では、バンコク(タイ)にて海外展開する際の日本企業にとってのメリットとデメリット、さらにはバンコクに進出した日本企業の最新のバンコク進出動向に加えて、バンコクビジネス成功のカギを握る、バンコク進出を支援する海外進出サポート企業の探し方についてもレクチャーします。
そもそも海外ビジネスを検討している企業の最大の関心事とはなんでしょうか? それは「どこに進出するか?」ではないでしょうか。それを決定するために、様々な国や進出形態をリサーチされているのだと思います。
しかし、各国の情報だけを収集し、比較検討するだけでは片手落ちと言えます。やはり「都市」にクローズアップしてリサーチを進めていくべきです。同じ国にあっても、都市によって商習慣が大きく変わったりすることもありますし、人口規模も国単位ではなく都市単位で見ることによって印象が変わってくるからです。例えば、タイと中国の人口の差は20倍くらいになりますが、バンコクと上海の差は3倍程度に縮まります。20倍と3倍ではだいぶ印象が変わってくるでしょう。
さて、そこで本記事で取り上げたいのがタイの首都バンコクです。注目されるASEAN市場の中心都市とも言えるバンコク――。日本企業の進出先として、様々なメリットやリスクが存在します。本記事では、まずメリット・デメリットについてまとめた上で、最新の経済状況をもとに、その背景を分析。さらに、バンコクでのビジネス成功のカギを握る、進出サポート企業の探し方についてもレクチャーします。

▼バンコク進出のメリット・デメリット|日本企業の進出動向
- 1. バンコクビジネス基本情報
- 2. バンコク進出、3つのメリットとは?
- 3. バンコク進出、3つのメリットとは?
- 4. バンコクでのビジネスチャンスについて
- 5. バンコク進出成功の秘訣は進出サポート企業の活用にあり
- 6. バンコク進出サポート企業の探し方
▼アナタのバンコクビジネスを成功させるために!
1. バンコクビジネス基本情報
ASEANの中ではジャカルタに次ぐ世界有数の大都市圏を形成するバンコク
メリットやデメリットを解説していく前に、まずはバンコクの基本情報について解説しておきます。バンコクはタイの首都で、人口は800万人程度とされています。周辺の県を含めた都市圏まで広げると1500万人程度の人口規模となります。ASEANの中ではジャカルタに次いで大きな規模の都市となり、世界有数の大都市圏を形成しています。
中心部から32kmにある「スワンナプーム国際空港」は、世界中から多くの国際便が離発着しており、ASEANのハブとも言える存在となっています。観光地としても人気で、欧米や中華圏、日本からも多くの観光客が訪れています。また、都市のGDPは3000億ドルほどと、名古屋の1.5倍ほどの規模があります。
特筆すべきなのは、その邦人数です。バンコクには5万人ほどの邦人が在住しているとされ、海外都市ではロサンゼルスに次いで2番目に多い数字となっています。
気になる物価や人件費ですが、おおよそ2〜3分の1程度と考えるといいかもしれません。家賃に関しては、東京都比べても中心部と郊外の差が激しいと言われています。
2. バンコク進出、3つのメリットとは?
メリット1 日本企業や日本人が多い
先述したように、邦人数が多いのがバンコクの特徴です。その理由は日本企業の進出数が多いからなのですが、このことは日本企業の新規進出に関しても大きなメリットとなります。勝手知ったる日本企業や日本人を相手に、ある程度のビジネスをすることができるからです。
そのため、日本食レストランや医療サービスはもちろん、WEBの制作や会計事務所、不動産会社など、日本人や日本企業を対象としたビジネスを展開している企業も少なくありません。またビジネスの最重要ポイントである採用に関してもプラスに働くでしょう。
メリット2 ビジネスインフラが整っている
通信環境や交通網、オフィス施設などといったビジネスインフラに難のあるASEANの都市は少なくありません。そうした中で、バンコクは最も進んでいると行っても過言ではないほど整った環境にあります。
オフィス施設も豊富ですし、スワンナプーム国際空港と中心部を約15分で結ぶ「エアポートレイルリンク」をはじめ、地下鉄「MRT」や高架を走る「BTS」など、鉄道網も張り巡らされています。そのため、渋滞もそれほどひどく起こらず、ビジネス環境としては良好です。
メリット3 観光にビジネスに、人種のるつぼとなっている
観光地としても人気があり、ASEANの代表都市となっているバンコクには、世界中から人が集まっています。東京などと比べても文化のミクスチャーが盛んで、世界都市の様相を呈しています。世界中を相手にするグローバルビジネスにおいては、こうした環境で感覚を養うことが大変重要となります。価値観を共有することで発想の幅が広がりますし、ヒアリングやテストマーケティングなども容易となります。
3. バンコク進出、3つのデメリットとは?
デメリット1 都市として成熟しており、競合が多い
バンコクはASEANを代表する経済都市となりました。そうした成熟都市では様々なサービスが勃興し、淘汰されてきており、質も高まっています。また多くのアイデアが実現されています。そのため、新規参入のハードルは高くなってしまいがちです。
必ずと言っていいほど多くの競合が既に存在し、しのぎを削っている状況でしょう。そこに新規参入してシェアを広げていくためには、差別化や付加価値、工夫などが必要となってくるでしょう。
デメリット2 賃料や物価の上昇が激しい
ASEANに進出する日本企業の考えとして、「物価の安さ」が頭にあることは多いと思います。もちろん先述したように、東京と比べれば、まだ物価は安いといえます。ただし、近隣のASEAN各国都市と比べると割高になります。急激な成長に伴って、ビジネスコストは昔と比べ格段に上がってしまいました。例えば、バンコクの地価は30年で47倍になったとまで言われています。こうした点は、他のASEAN都市に比べるとデメリットと言わざるを得ません。
デメリット3 進む少子高齢化
ASEAN都市でビジネスを行う最大のメリットは、急激な人口増加にあります。しかし、実はタイに関して言えば、少子高齢化が進んでしまっているという現実があります。65歳以上の人口が全体の14%を超す高齢社会が、2022年には到来すると言われています。バンコクは大都市ですので、東京のように若者は集まってくるでしょう。しかし、都市圏の出生率は少なくなってしまう傾向があるので、人口増加にストップがかかってしまうことが懸念されています。
4. バンコクでのビジネスチャンスは?
日本国内で成功したモデル・商品・サービスを、バンコクでも提供していくべき
このような成熟した都市でビジネスチャンスを見つけることは簡単ではありません。そこで、ここではその打開策を二つ授けます。まず一つ目は、得意分野を徹底してやることです。日本国内で成功したモデル・商品・サービスを、バンコクでも提供していくべきです。逆に、日本で厳しくなってきてので、販路をバンコクに求めようとするのは、得策ではありません。
次に、先程挙げたデメリットに注目することです。例えば競合が多いのであれば、その競合を徹底的にリサーチし、良いところを取り入れることができます。それを自社の強みとかけ合わせれば、チャンスは広がります。また、少子高齢化もチャンスとなります。少子高齢化先進国である日本は、介護や医療分野のサービスが進んでおり、高いプレゼンスを持つ企業がたくさんあります。彼らにも大きなチャンスが広がっているといえるでしょう。
また、この項の最後に具体的なチャンスをご紹介しておくと、「健康」というキーワードになります。成熟した都市となったバンコクは、所得や生活レベルが上がりました。そのため、日本や欧米で置きた健康ブームが今、まさに始まり始めています。こうした健康分野のサービス・製品に関わっている企業はチャンスと言えます。
5. バンコク進出成功の秘訣は進出サポート企業の活用にあり
海外事業における準備及びリサーチに必要なタスクを専門家にアウトソーシングするという選択
このように、上海やホーチミンなどと同様に、バンコクにおけるビジネスシーンも、スピーディかつ変化に富んだ状況になりつつあります。そのような状況において、タイという国への理解を深めつつ、さらに自社のみでバンコクでのビジネス市場を調査することが必要です。
しかし、そもそもリサーチと一口にいっても、そのタスクの内訳は多岐に渡るはずです。それらは市場調査およびフィジビリティスタディ(企業が作成した事業計画を実行に移す際に、実現可能性を検証・調査すること)に始まり、あるいはタイならではの商習慣や法令についてであったり、会計・税務関係に及ぶこともあるでしょう。当然ながら現地での会社設立や登記代行のリサーチも重要ですし、それこそ項目を挙げていったらキリがありません。
そこで、ひとつの選択肢として浮かび上がってくるのが、「自社の海外事業における準備及びリサーチに必要なタスクを専門家にアウトソーシングする」ということです。
そもそもバンコクに限らず、海外での拠点設立には専門的な知識が必要です。行いたい業務によって、法人登記が必要かどうか、営業ライセンスが必要かどうかも変わるからです。あるいは、現地での事業可能性を調査するためには、的確な市場調査や現地視察、テストマーケティングなどが必要になります。また、展示会への出展なども有効な手段です。事業計画立案のため、タイ進出専門のコンサルタントに相談するのもいいでしょう。
もちろん、その全てをアウトソーシングする必要はありません。これまでに培ってきた自社の強みは活かしつつ、知見が乏しい分野においては、その道のプロの専門家のサポートを受けるという選択も充分に効果的なのです。もし御社が初めてタイ進出に挑戦する段階であるならば、なおのことバンコク専門の進出サポート企業の支援を検討することをオススメいたします。
6. バンコク進出サポート企業の探し方
進出サポート企業を探す際は、複数企業の比較検討を
そんなタイ専門の進出サポート企業を探す際に、もっとも手間のかからない方法は、やはりインターネット上のオンライン検索になります。ただ、先述したように、各進出サポート企業のHP上に記載している情報だけでは、なかなか判断に悩むところですし、それだけで決めてしまうのは早計です。
また、知人からの紹介といった探し方も有効ですが、自社の事業及び相談内容が、お知り合いの方のケースとぴったり一致することは難しいでしょうし、そのサポート企業の担当者との相性もあるでしょう。関係性が近いため、何かトラブルがあった場合、かえって断りにくい…というケースもあるかもしれません。
結局のところ、進出サポート企業を探すにあたっては、どんな選択をしたところでリスクは避けられません。だからこそ、1社だけに絞るのではなく、複数のサポート企業を「比較する」ことが重要なのです。オンライン検索でも知人の紹介でも、あるいは口コミでも、候補先の企業が選定できたら、まずは「問い合わせ」をすることが大切です。
自社の海外事業について、その道の専門家と話をするだけでも、新たな気づきがあるはずです。仮に具体的なソリューションの提案にまでは至らなくても、それは御社の事業にとって、とても大きな一歩なのです。
7. 優良なバンコク進出サポート企業をご紹介
御社にピッタリのバンコク進出サポート企業をご紹介します
今回は「バンコク進出のメリット・デメリット&進出サポート企業の探し方」について解説しました。
「Digima〜出島〜」には、厳選な審査を通過した優良なバンコク進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。「バンコク進出の戦略についてサポートしてほしい」「バンコクでの事業計画立案のアドバイスがほしい」「バンコクに進出したいが何から始めていいのかわからない」…といった、多岐に渡るバンコク進出におけるご質問・ご相談を承っています。
ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが、御社にピッタリのタイ進出サポート企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。
(当コンテンツの情報について)
当コンテンツを掲載するにあたって、その情報および内容には細心の注意を払っておりますが、掲載情報の安全性、合法性、正確性、最新性などについて保証するものではないことをご了承ください。本コンテンツの御利用により、万一ご利用者様および第三者にトラブルや損失・損害が発生したとしても、当社は一切責任を負わないものとさせていただきます。
海外ビジネスに関する情報につきましては、当サイトに掲載の海外進出支援の専門家の方々に直接お問い合わせ頂ければ幸いです。
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YCP Group 
自社事業の海外展開実績を活かしてアジア圏への海外展開を完全代行、調査やM&Aもサポート
マッキンゼー/ボストンコンサルティンググループ/ゴールドマンサックス/P&G出身者を中心とする250人規模の多機能チームが、世界20拠点に構えるグループ現地法人にて事業展開する中で蓄積した成功&失敗体験に基づく「ビジネス結果に直結する」実践的かつ包括的な海外展開サポートを提供します。
YCPでは各拠点にてコンサルティングサービスだけでなく自社事業を展開しています。市場調査フェーズからスキーム構築/定常的なビジネスマネジメントまで、事業主として一人称で取り組んできたからこそ得られた現地市場ノウハウや専門知識を活用し、教科書的な「べき論」に終始せず、ヒト/モノ/カネの観点から海外展開リスクを最小化するためのサービス開発を行っています。
<主要サービスメニュー>
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マクロデータに表れない市場特性を探るための徹底的なフィールド調査を踏まえたビジネスに直結するインサイトを提供
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株式会社セカラボ
*アメリカ・アジア・ヨーロッパ / セカイ進出をゼロから設計〜伴走サポート*
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[私たちの実績と理念]
私たちは、あなたの会社の事業と想いが
”セカイとシンクロする(合致)”する海外進出設計・推進を支援します。
これまでさまざまな国と分野の企業から、進出形態・ビジネスモデル(BtoC/B)に関わらず、多様な海外進出を現地企業・専門企業との連携し、
「一緒にやって欲しい」
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というご依頼から通算300社以上(2023年5月現在)サポートしてきました。
下記のような支援実績があります。
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*海外進出事業計画を一緒につくって欲しい
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*マーケティング戦略設計をして欲しい
*海外プロモーションを協力して欲しい
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*海外現地のパートナー企業を探して欲しい
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GLOBAL ANGLE Pte. Ltd.
70か国/90都市以上での現地に立脚したフィールド調査
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東南アジア(マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ等)
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サイエスト株式会社
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