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【2018年版】ベトナム経済の最新事情 〜躍進する新興国の伸びしろ〜

掲載日:2018年09月27日

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本稿では、躍進する新興国としての「ベトナムの最新経済事情」を詳しく解説。一般情報を始め、2018年における経済の現状や将来の展望、さらには他国との関係を概観しつつ、ベトナムの最新経済情報に裏打ちされた、同国に進出する際の日系企業のメリットについて述べていきます。

ASEAN諸国の中でも、特に経済発展が著しいベトナム。平均年齢30歳と比較的若年人口が多い国と言われており、若くて優秀な労働者が多い国として知られています。この経済発展には、「ドイモイ政策」と呼ばれる経済政策に依るところが大きいと言われています。

 

1. ベトナムってどんな国?

多民族国家で仏教が優勢

ベトナムは、人口約9,270万人の国で主要民族であるキン族(越人)と53の少数民族からなる多民族国家です。公用語はベトナム語ですが、ハノイや観光地では通じます。

ビジネスにおいては、英語がスタンダード(現地の地場企業は、ベトナム語しか通じないことが多い)となっており、今後も英語ができる人材は、労働人口の拡大とともに増加する見込みです。

宗教は、日本と同じ大乗仏教が優勢でその他にキリスト教やイスラーム教、ヒンドゥー教 、最近では「カオダイ教」という新興宗教も人気を博しています。

「ミニ中国」と呼ばれるベトナム

ベトナムは、中国と同様に共産党による一党社会主義体制を敷いています。「ミニ中国」として呼ばれることもありますが、これは、政治体制並びに経済政策が非常に中国と類似していることから来ています。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、ベトナムは、中国と同様に、ODAによるインフラの整備と外貨獲得、外資系企業主導の輸出主導での工業・経済発展を推進し、更には、自国通貨の流出制限を行い、世界的不況の際もダメージを少なくしている、と述べています。

2.ベトナムの今の経済は?

「ドイモイ政策」の恩恵を受ける経済成長

ベトナムは、2015年~2017年の平均実質GDP成長率が6.5%と非常に高い経済成長を遂げています(同時期の日本の平均実質GDP成長率は1.3%)。

この経済成長の発端となったのは、1980年代から始まった「ドイモイ(刷新)政策」です。

この「ドイモイ政策」は、当時支援を受けていたソ連・東欧諸国の東側陣営の援助の削減や国際連合の制裁の背景から制定されました。

本格的に政策が施行され始めたのは、ソ連崩壊後の92年からであると言われています。

90年代後半には、タイのバーツ暴落から始まったアジア通貨危機がありましたが、通貨の流出制限が功を奏し、直接的な被害を受けることはありませんでした。

また2009年には、リーマンショックが起き世界的な不況となりましたが、この時も被害は最小限にとどまりました。

現在でもこのドイモイ政策に則り、経済政策が実施されています。

高い経済成長率を誇るベトナムですが、課題としてインフレに伴う物価の上昇が挙げられます。

2007年のWTOにベトナムが加盟した際には、外資系企業からの投資が相次ぎ、約30%まで上昇しています。2011年にも金融緩和により、インフレ率が上昇しました。

しかしながら、現在では引締め政策によりインフレ率を抑えることに成功しており、金利や物価は安定しています。

今後は外資投資が加速する?

富国生命のレポートによると、ベトナムは、EUとのFTAの締結、AEC(アジア経済共同体)の発足、更には、TPPへの加盟をここ数年で行っており、スピード感を持って門戸を開放しています。

それに伴い、より外資系企業からの投資が増加すると推測されています。

また、2050年まで安定的に成長を遂げると推測しており、非常に将来性が高い国と言えます。

3.他国の関係とASEANの立ち位置とは?

最大貿易国のアメリカ

ベトナムにとって最大の貿易国はアメリカです。

ベトナムの輸出先としては、最大の輸出国であり、主に、衣服や靴といったアパレル、木材品や水産物を輸出しています。

東南アジアの中でもアメリカとの輸出取引は最大とも言われています。

しかしながら現在、ベトナムとの貿易では、貿易摩擦が生じています。

2017年現在、米越間の取引は540億米ドル(約6兆円)と過去最高を記録していますが、それに乗じてアメリカの貿易赤字も拡大している傾向にあります。

今後、米中貿易戦争とアメリカがベトナムに中国と同様に黒字回復のための措置をとることも考えられ、関係性は安定しているとは言えません。

「よき友」の中国

現在、アメリカに次いで2番目の貿易国となっています。

2005年には、ベトナムと中国間でFTAを締結しました。

主に中国からは、繊維原料や機械設備を輸入し、衣服や繊維を輸出しています。

ベトナムにとっては、最大の輸入先となっています。しかしながら、政治的な問題もあり、友好関係が安定的に続くとはいえない状況があります。

この状況について、Forbesは、「ベトナムと中国は、最も良きライバルであり、良き友でもある」と述べています。

歴史的に、2ヵ国は離れたり、歩み寄ったりを繰り返しており、現在は、比較的安定していますが、将来的に「ケンカ別れ」をしてしまう可能性もあるかもしれません。

大型投資が盛んな日本

日本は、ベトナムの輸出入先として存在感を示しています。2009年には、日越間のEPA(経済連携協定)が締結されました。

2017年には、ベトナムの直接投資国として、総合商社を中心とした大型投資により首位になり、投資国としても存在感を高めています。また、ベトナム政府も日本の投資を歓迎しており、日本の技術力を以て、農業部門やハイテク部門、更には食品衛生部門での投資を拡大したいと考えています。

日本は、今後もベトナムの長期的な優良パートナーとして期待されています。

ASEANの優等生の「ベトナム」

ASEANの中で、経済的な影響力を高めているのがベトナムです。

今では、ASEANの優等生として、その地位を確立しています。

ベトナムは後進ASEAN諸国として数えられていますが、今やその中でも急激に発展していることから、中進ASEAN諸国といっても過言ではありません。

このベトナムの躍進については、下記の4つの要因があると考えられています。

1.労働人口の割合が高い
2.年々生産力が上昇している
3.中産階級層の拡大
4.未開拓の市場が多く、外資系企業の投資が期待できる

また、2018年夏頃に発効される予定であるEU・ベトナム間の自由貿易協定(EVFTA)により、ベトナムの強みであるアパレル製品の輸出でよりASEANでも影響力を強めると考えられています。

4. ベトナムが抱える経済の課題とは?

インフラが未整備

ベトナムでは、インフラの未整備が課題としてあります。

近年まで、電力不足で停電等が多く見られましたが、電力に関しては、改善されてきています。

しかし物流・交通インフラについては、整備が遅れています。

特に大都市(ホーチミン-ハノイ)をつなぐ交通機関の脆弱さが指摘されています。

主な交通機関としては、鉄道・トラック・船舶が挙げられますが、本数が少ない鉄道は老朽化しており、トラックでは、渋滞が常態化している為、ホーチミン-ハノイ間で3~4日ほどかかってしまいます。

また、二大都市圏は、河川部に面しているため、船が入りにくいという現状があります。

政府では、高速道路の建設、港湾の整備、地下鉄の敷設を計画していますが、インフラ事情を改善するには、まだ時間がかかる見込みです。

しかしながら、政府はインフラの問題については、最優先で対応している為、数年後には解決されそうです。

国営企業の改革が遅い

ベトナムには、国営企業が多いという指摘がされています。

これは、国内外の競争力の向上を目指すという意味では障害になります。現在、国営企業の民間払い下げも行っていますが、あまりうまくいっていない現状があります。

また、2015年には、国内大手企業への外資出資の規制を撤廃しましたが、情報の開示性が低いことや国の干渉が多いことから、こちらもうまく機能していません。

労働コストの上昇

労働者の賃金が安いと言われていますが、2012年から2018年までに、約2倍まで最低賃金が上昇している点が挙げられます。

2018年には、前年比平均6.5%引き上げ、約175ドルまで上昇しています。

その為、ミャンマー(約110ドル)やカンボジア(約170ドル)より高くなっており、「ベトナムが低賃金な国で、労働コストが安い」と言われなくなる日も近いかもしれません。

5.ベトナム進出のメリットとは?

それでも労働コストや物価が安い

ベトナムの労働コストが上昇している点については、先ほど指摘しましたが、それでも安い労働コストであると言えます。

また、物価も上昇していますが、日本の約3分の1と非常に安いです。その上、ベトナム人は、一般的に勤勉であり、労働生産性が高いと言われています。

その為、進出企業としては、ITのオフショア開発をはじめとした、人件費が主要なコストとなる事業を展開している企業の進出が見られます。

経済特区や工業団地があり、進出しやすい

東南アジアでは、外資企業誘致の為、経済特区や工業団地開発に積極的な投資を行っています。

日系企業も経済特区、工業団地開発に参画しており、大手商社やデベロッパーが現地の土地を買収し、オーナーとして運営している日系企業団地があります。

経済特区や工業団地は、港や空港など貿易拠点に近い土地で開発されることが多く、利便性が高い点、更には税制優遇やビザ要件の緩和などの特典があり、進出しやすい体制を整えています。

日系工業団地では、域内への進出前の計画から進出後までフルサポートしている場合が多く、初めての海外進出でもリスクを最小限にして現地法人を立てることができます。

ベトナムでも工業団地や経済特区が設けられており、日系工業団地としては、双日が運営しているロンドウック工業団地やタンロン工業団地があります。

特にホーチミンを中心としたベトナム南部の投資が盛況です。

今後も、工業団地の開発は進むと思われます。その為、ベトナムの進出機会は多くありそうです。

6. 今後も成長が見込まれるベトナム

優良なベトナム進出サポート企業をご紹介

今後も成長が見込まれるベトナム。PWCの調査によると、2050年までに実質経済成長率は年平均5.4%であると推計されています(日本は1.4%)。

短期的に見ても、長期的に見ても非常に将来性が高い国です。また、労働人口も多く平均年齢の30歳と若い為、労働市場としても魅力的です。

「Digima〜出島〜」には、厳選な審査を通過した優良なベトナム進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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(引用文献)
・外務省 「ベトナム社会主義国基礎データ
・富国生命「ベトナム経済の現状と課題
・PwC プレスリリース「PwC、調査レポート「2050年の世界」を発表し、主要国のGDPを予測‐2020年以降、中国の成長は大幅に鈍化するものの、世界の経済力の新興国へのシフトは止まらず
・三菱UFJリサーチ&コンサルティング 「ベトナム経済の現状と今後の展望~タイを抜いてインドシナ半島最大の輸出国に成長したベトナム~
・JETRO「最低賃金、2018年にも引き上げへ-労働組合は全国一律最低賃金を要求-(マレーシア)
・Forbes「China And Vietnam, Best ‘Frenemies’ Forever
・双日株式会社「ベトナムロンドウック工業団地事業

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