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RoHS(ローズ)指令とは-有害規制10物質・規制製品を解説

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RoHS(ローズ)指令とは、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限するEUの法規制であり、欧州市場へ製品を輸出する外資系企業にも適用されます。

EU市場へ製品を輸出する日本企業にとって、RoHS指令は遵守すべき重要な規制のひとつです。

本記事では、なぜRoHS指令が導入されたのか、どのような物質が使用制限の対象となっているのか、どの製品がこの規制に含まれるのか、そして日本の製造業者が知っておくべき義務についてわかりやすく解説します。

1. RoHS(ローズ)指令とは

RoHS(ローズ)指令とは何なのか? このセクションでは、RoHS指令の概要について簡潔に解説します。

RoHS指令とは

RoHS指令とは、電気・電子機器内での特定有害物質の使用を制限することを目的とした欧州連合(EU)の法規制です。

「RoHS」とは「有害物質使用制限指令」を意味する英語「Restriction of Hazardous Substances」の略称であり、電気・電子機器の製造過程や廃棄時に、有害物質が環境に放出されることを最小限に抑えることを目的として、2006年7月より施行されています。

RoHS指令の変換としては、2003年2月に制定され、2006年7月に最初に施行されたのが「RoHS1」です。その後2011年7月に改正され、「RoHS2」と呼ばれるようになりました。

「RoHS2」の改正指令では、制限対象の有害物質が初期の6物質から追加の物質を含む10物質に拡大。これらの規制対象物質には、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、特定のフタル酸エステルなどが含まれており、これらの物質の使用を1,000ppmを超えないよう制限しています。

RoHS指令は、その誕生から現在に至るまで、製品設計からリサイクルといった、電気・電子機器のライフサイクル全体にわたって、環境保護の観点から、製造業者の責任を強化し続けています。

2. EUにてRoHS(ローズ)指令が生まれた背景

RoHS(ローズ)指令が生まれた背景には、化学物質に関する深刻な懸念があります。この項では、なぜEU(欧州連合)でRoHS指令が制定されるようになったのか、その理由と背景について解説します。

EU諸国の環境汚染のリスクを考慮して制定

RoHS指令が制定される以前、EUでは、廃棄される電気・電子機器の大部分が適切に処理されずに埋め立てられたり焼却されたりしている状況が問題視されていました。この不適切な廃棄プロセスにより、有害な化学物質が地下水に漏れ出し、環境汚染や人体への害を引き起こすリスクが高まっていたのです。

このような背景から、EUは2003年2月13日に電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限する「RoHS指令」を公布し、2006年7月1日からその施行を開始しました。

その後、この指令「RoHS1」は2011年に大きく改正され、2013年1月3日からは新たな規制として「RoHS2」が施行されています。

3. RoHS(ローズ)指令の規制対象10物質

RoHS指令は、環境と人の健康を守るため、電気・電子機器における特定有害物質の使用を厳しく制限しています。この指令により、現在10種類の物質が使用制限の対象となっており、それぞれに対して最大許容濃度が定められています。

以下の表は、その規制対象物質と制限レベルについての概要となります。

RoHS指令によって制限されている物質とその使用制限値

RoHS指令の規制対象物質


上記の表には、RoHS指令によって使用が制限されている10種類の物質を記載しています。これらの物質は、人体や環境への潜在的な害を理由に、電気・電子機器における使用が厳しく規制されています。各物質に割り当てられた最大許容濃度は、製品が安全に使用されるために設定された基準値です。

有害物質の最大許容濃度がwt%で表示されていることについて

wt%とは、重量パーセント(weight percent)の略で、特定の成分の質量が混合物全体の質量に占める割合をパーセント(%)で表したものです。この単位は、化学や材料科学など多くの分野で、混合物や合金、溶液内の各成分の濃度を示すのに使用されます。

例えば、100gの溶液に2gの塩が溶けている場合、塩の重量パーセント濃度は2wt%となります。これは、溶液全体に対する塩の質量の割合が2%であることを意味します。

RoHS指令で規制されている有害物質の最大許容濃度がwt%で表されているのは、このようにして、製品や材料に含まれる特定の物質の割合を明確にするためです。たとえば、鉛の最大許容濃度が0.1wt%とされている場合、鉛を含む部品や材料100gあたりに鉛が0.1g以上含まれていてはならない、という基準になります。

これらの物質が規制される主な理由は、廃棄時やリサイクルプロセス中に環境に放出されると、土壌や水源を汚染し、動植物および人間の健康に重大な害を及ぼす可能性があるからです。例えば、鉛やカドミウムは脳や腎臓に損傷を与える可能性があり、水銀は神経系統に影響を及ぼします。六価クロムは皮膚炎や肺がんのリスクを高めることが知られています。

このように、RoHS指令による規制は、これらの物質が人々の健康や環境に及ぼす悪影響を最小限に抑えることを目的としています。それにより、電気・電子製品の安全な使用と持続可能な廃棄・リサイクルが促進されます。

4. RoHS(ローズ)指令の対象製品

RoHS指令による規制は、特定の有害物質の使用を制限することで、電気・電子機器の環境への影響を最小限に抑えることを目的としています。この指令は、主に交流1,000ボルト以下、直流1,500ボルト以下の定格電圧を持つ電気・電子機器を対象にしており、現在、11の主要カテゴリーに分類されています。

下記の表は、RoHS指令によって対象とされる電気・電子機器の範囲と、各カテゴリーに対する適用開始日を示しています。

RoHS指令の対象とされる主要製品カテゴリーとその例

RoHS指令の対象とされる主要製品

RoHS指令の適用除外品目について

RoHS指令からは、特定の製品や条件が除外されています。

これには、軍事用機器、宇宙航空機器、固定設置の大型工業用機器、輸送用機器(個人または貨物輸送用)、非道路移動機械用の電子機器が含まれます。また、ソーラーパネルも適用除外の対象です。これらの除外品目は、特定の条件や用途に基づいてRoHS指令の適用範囲から外れています。

RoHS指令の適用範囲と除外品目を理解することは、製品の設計者や製造者にとって重要です。これにより、適合性を確保し、欧州市場での製品の販売をスムーズに行うことができます。

5. RoHS(ローズ)指令に対して生産者が負うべき義務

RoHS指令は、電気・電子機器に含まれる特定の有害物質の使用を制限することで、環境保護と人の健康保護を目指しています。

RoHS1指令の時点では、生産者のみが法的義務の対象でしたが、RoHS2の導入により、生産者だけでなく輸入者や販売者も含めたサプライチェーン全体に義務が拡大されました。この変更は、指令の遵守をより広範に保証し、製品がEU市場で販売される前に満たされなければならない要件を強化するものです。具体的な義務には以下が含まれます。

① 適合性評価の実施と適合宣言

生産者は、製品がRoHS指令に適合していることを証明するために適合性評価を行い、適合宣言書を作成して、製品にCEマークを貼付しなければなりません。さらに、技術文書を作成し、これを10年間保管する義務があります。

② 適合状況の維持と管理

製品設計や関連規格に変更がある場合、生産者はこれらの変更に適切に対応し、製品が引き続きRoHS指令に適合していることを確認しなければなりません。

③ 製品識別情報の提供

生産者は、製品またはその包装、添付文書に製品を識別するための情報(製造番号など)とともに、生産者の名前、登録商標、住所、連絡先情報を明記する必要があります。

④ 不適合製品の対応

市場に出た製品がRoHS指令に適合していないことが判明した場合、生産者は製品をリコールし、関連する加盟国の所轄当局に直ちにその事実を通知しなければなりません。


RoHS2によるこれらの義務は、EU内での製品の自由な流通を促進し、同時に環境と公衆衛生を保護するためのものです。生産者、輸入者、販売者はこれらの義務を遵守することで、製品がEU市場での販売資格を獲得し、保持することが可能になります。

CEマークについて

CEマークとは、欧州連合(EU)市場に製品を流通させるために必要な合格マークです。このマークが製品に貼付されていることは、その製品がEUが定める安全性、健康、環境保護に関する一連の基準や指令に適合していることを示しています。

CEマークは、製品が自由にEU内で販売されるためのパスポートのようなものであり、製品安全指令やRoHS指令など、適用されるすべてのEU指令を満たしていることを表します。

製品製造者は、適合性評価手順を実施し、適合宣言を行った後、製品にCEマークを自ら貼付することになります。このプロセスを通じて、製品がEUの市場での基準に合致していることが保証されます。

6. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

貴社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します

今回は、日本企業が知るべき「RoHS(ローズ)指令の基礎知識」について解説しました。EU市場へ製品を輸出する日本企業にとって、RoHS指令は遵守すべき重要な規制のひとつです。

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。海外進出のサポート企業を探すにあたっては、1社だけに絞るのではなく、複数のサポート企業を「比較する」ことが重要です。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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(参考文献)
・「RoHS(特定有害物質使用制限)指令の概要:EU」JETRO
・「RoHS(ローズ)指令とは?規制対象となる10物質を詳しく解説」富士フイルムビジネスイノベーション
・「RoHS指令(ローズ指令)とは?誰でも分かるRoHS【2023年最新版】」株式会社オーミヤ
・「RoHS指令 | おさえておきたい知識集 | 筐体設計のススメ」キーエンス

(当コンテンツの情報について)
当コンテンツを掲載するにあたって、その情報および内容には細心の注意を払っておりますが、掲載情報の安全性、合法性、正確性、最新性などについて保証するものではないことをご了承ください。本コンテンツの御利用により、万一ご利用者様および第三者にトラブルや損失・損害が発生したとしても、当社は一切責任を負わないものとさせていただきます。
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     沖縄をハブに、台湾・中国・香港・ベトナム・タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・オーストラリア・ニュージーランド・イギリス・ドイツ・ブラジル各国にパートナーエージェントを配置し、アメリカ合衆国・インドは提携先を設けていますので、現地でも情報収集、視察等も直接支援可能、幅広く皆様の海外展開とインバウンド事業をサポートしております。

  • オススメ

    合同会社from TR

    月額定額制という新しい商社の形。総合商社の豊富な知見が月10万円〜使い放題!

    ご利用企業からの評価

    ※ご利用企業から集めた評価をもとに作成

    総合評価
    サポート実績数
    90
    価格
    対応
    スピード
    知識

    私たちfrom TRは、マーケティングとトレーディング、2つのノウハウを活用し、お客様のモノづくりと販路拡大をサポートいたします。
    お客様の強みである”つくる力”と、私たちの強みである”伝える力”と”届ける力”を組み合わせることで、
モノづくりの次の一手を実現いたします。

    「モノづくりを、モノがたりへ。」をミッションに事業を展開しており、海外進出のサポートにとどまらず、マーケティング戦略設計、ブランディング、国内外クラウドファンディング、商品開発、販路構築などお客様のビジネスをトータルでサポートいたします。

  • 株式会社コンパスポイント

    Amazonを使った日本企業の海外進出をサポートします。

    ご利用企業からの評価

    ※ご利用企業から集めた評価をもとに作成

    総合評価
    サポート実績数
    600
    価格
    対応
    スピード
    知識

    弊社コンパスポイントでは、越境EC、各国Amazon特有のノウハウに加え、
    貿易に関する知識と数多くの企業様への支援実績に基づいて
    Amazonを中心とした国内外EC全般のサポートとコンサルティングを提供させて頂いております。

    また、中小機構開のEC・IT活用支援パートナー、及び販路開拓支援アドバイザー、
    JICAマッチング相談窓口コンサルタント、
    複数の銀行の専門家として企業様のご支援をさせて頂いており、
    また、中小機構、銀行、地方自治体、出島 等が主催する各種セミナーでの登壇も行っております。

    日本Amazonはもちろん、北米、欧州、インド、オーストラリア、サウジ、UAE、
    トルコ、シンガポールAmazonなどへの進出サポートを行っており、
    中小企業から大手まで、またAmazonに出品可能なあらゆる商品に対応致します。

    企業様が海外Amazonへ進出される際にハードルとなる、
    Amazon販売アカウントの開設、翻訳、商品画像・動画撮影、商品登録、国際配送、
    多言語カスタマーサポート、国際送金サポート、PL保険、Amazon内広告を含む集客、
    テクニカルサポート、アカウント運用代行、著作権・FDA・税務対応・GDPR対応サポート、
    市場調査、コンサルティング、SNSマーケティング、メディアバイイング、現地スタッフの手配 
    等について、弊社パートナーと共に対応させて頂きます。

    また、国内Amazonの場合、並行して楽天、ヤフー、自社サイト、SNS、メディアサイト、広告なども含めたデジタルマーケティングのトータルサポートも実施しております。

  • アクシアマーケティング株式会社

    「どの国が自社に適しているのか、客観的データで判断したい」そんなお悩みにお答えします

    ご利用企業からの評価

    ※ご利用企業から集めた評価をもとに作成

    総合評価
    サポート実績数
    300
    価格
    対応
    スピード
    知識

    海外市場の中でも、調査・分析に特化したサービスを提供しております。

    たとえば、市場の調査・分析に関しては、外部環境の影響を推測するPEST分析や、ビジネスモデルの仮説検証などを「正確かつ包括的」に実施しております。なぜその情報が必要なのか、クライアントのご相談背景まですり合わせをすることを徹底していることが強みとなっています。

    競合の調査・分析については、対象企業の強みや弱みを把握するためのSWOT分析、マーケットシェアや競合企業の分析などを行い、「その企業がなぜ成功・失敗したのか」を徹底的に掘り下げます。

    また、得られたデータや分析から、具体的な戦略と実行可能な施策提案まで行っております。貴社の「適切な経営判断」のために、合理的かつ包括的な支援を心がけています。

    ありがたいことに、これまでたくさんの企業様を支援させていただきましたが、相談いただくほどんどの企業様が、
    「どの国・地域に参入すべきかわからない」
    「進出に踏み切れる客観的データがない」
    「海外進出がはじめてだから落とし穴が多そうで困っている」
    などいったお悩みを抱えています。こういったお悩みの企業のご担当者は、ぜひ一度、アクシアマーケティングにご連絡ください。

    東南アジアや中国、韓国、インドをはじめ、北米や欧州といった幅広い国・地域での調査実績があり、調査・分析に特化している弊社が、貴社の海外事業の成功に向けて、伴走支援させていただきます。

    【主要サービスメニュー】
    市場調査
    競合分析
    アライアンス支援

    【よくご相談いただく内容】
    「どの国・地域に参入すべきかわからない」
    「進出に踏み切れる客観的データがない」
    「海外進出がはじめてだから落とし穴が多そうで困っている」
    「市場規模や成長性を正確に把握できていない」
    「公開情報が少ないニッチな市場を細かい粒度で分析したい」
    「現地の消費者ニーズや嗜好が理解できない」
    「競合他社の動向や市場内でのポジショニング戦略が定まらない」
    「法規制、税制、輸入関税などの複雑な規制を把握するのが難しい」
    「効果的なマーケティング戦略や販売チャネルを見つけ出せない」
    「現地でのビジネスパートナー探しや信頼できるサプライヤーの選定が困難」
    「その地域特有の慣習、文化を把握できていない」 
    など

    ①市場調査
    進出を考えている市場をマクロ的視点、ミクロ的視点から調査・分析いたします。
    潜在ニーズやトレンド、製品・サービスの適合性など、多岐にわたる範囲に対応しております。
    「どういった情報があれば、適切な事業判断が下せるのか」といった姿勢を徹底しており、適切な情報を漏れなく提供することができます。
    市場調査では、有識者へのヒアリングなど多くのサービスを展開しておりますが、貴社にとって適切な調査・分析をご提案させていただきます。
    「バイアスがかかった状態で判断してしまっていそう」といったお悩みを抱えるご担当者の方は、壁打ちからでも対応できますので、まずはご相談ください。

    ②競合調査
    「競合がなぜ成功・失敗したのかわからない」といったご相談をよくいただきます。
    弊社の競合調査では、競合の戦略を徹底的に解剖し、貴社のマーケティング戦略の支援まで実施します。
    サービス内容としては、業界の第一線を走る方への一次取材などをご提供しております。
    また、他社が関わる分野の調査ということもあり、匿名性や守秘義務も徹底遵守しています。そのため、クライアントからも大変好評をいただいております。

    ③アライアンス支援
    双方に適切なパートナーシップ構築であることをポリシーとしています。
    数多くの企業と提携を結んでいる弊社が、貴社の適切なパートナーをご提案させていただきます。
    海外進出をご検討されている企業さまに多くご依頼を受けているサービスの1つです。
    「はじめての国・地域」だからこそ、事業を成功させるには、協業することは重要な要素となってきます。
    自信をもって、提携企業様をご提案させていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。

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