TikTok Shopの出店方法|日本企業の必要書類と手数料、アメリカなど海外で売るときの条件
TikTok Shopは、ショート動画やライブ配信を見ながら、そのアプリの中で商品を買えるECです。日本では2025年6月に始まり、出店料と月額費用はかからず、法人なら書類をそろえて申請できます。
海外展開を考える企業が気をつけたいのは、TikTok Shopの店が売る国ごとに分かれている点です。日本向けの店を開いても海外の購入者には売れず、アメリカでは関税と通関、東南アジアでは現地の体制が別に必要になります。
ここでは、海外展開を始める企業の担当者に向けて、法人の必要書類、出店の5ステップ、販売手数料、アメリカと東南アジアで売るときの条件、運用代行に任せられる範囲を解説します。
目次
1. TikTok Shopの出店条件は売る国で変わる

図のとおり、TikTok Shopは購入者のいる国によって出店の形が変わります。日本向けの店の条件を満たしても、そのまま海外で売れるわけではありません。申請の前に、どの国の購入者に売るのかを決めます。
日本向けの店は国内の法人か個人が開く
公式の案内では、国税庁に登録された事業者は法人の出品者として、それ以外は個人の出品者として申請します。売上の受け取りには国内の銀行口座を使い、名義は登録情報と一致させます。国内で商品を売るための店なので、販売の練習にはなりますが、海外展開の販路そのものにはなりません。動画の作り方やライブ配信の進め方を社内で試す場として位置づけると、海外へ広げるときの判断材料が残ります。
出典:TikTok Shop「Seller Registration」(2026年10月確認),Funnel「TikTok Shopのやり方」(2026年10月確認)
アメリカには日本拠点の越境出品者の規約がある
アメリカ向けの出品者規約には、2026年10月15日発効の版で、アメリカの購入者に販売する日本拠点の越境出品者についての条項が設けられています。関税の負担、売上金の受け取り、紛争を東京の裁判所で扱うことなどが定められています。規約に条項があることと、すべての企業がすぐ登録できることは別です。登録の窓口と審査の条件は、申請の前にセラーセンターで確かめてください。
中国で売るなら別のアプリになる
中国の消費者が使っているのはTikTokではなく、同じByteDanceが運営する抖音(Douyin)です。TikTok Shopの店を開いても、中国の購入者には届きません。中国で動画とライブ配信を使って売りたい場合は、抖音(Douyin)のアカウント開設とライブコマースを別に検討します。同じ動画を使い回せると考えず、売り場も規制も別のものとして準備します。
2. 法人の出店に必要な書類と審査の日数
日本向けの店を法人で開くときに必要なのは、会社を証明する書類、代表者の本人確認書類、担当者の住所を証明する書類です。審査は通常1〜5日と案内されており、書類がそろっていれば長くはかかりません。
法人で用意する書類の一覧
公式の案内に挙がっている書類は次の表のとおりです。登記事項証明書は発行から3か月以内のものを求める解説もあるので、取り直してから申請すると差し戻しを避けられます。
| 区分 | 書類 |
|---|---|
| 会社の証明 | 登記事項証明書または印鑑証明書のいずれか |
| 代表者 | 本人確認書類 |
| 主な担当者 | 住所を証明する書類(公共料金の請求書、住民票、銀行の明細など) |
| 売上の受け取り | 法人名義の国内の銀行口座 |
表:法人の出店で用意するもの
会社名の表記が書類と申請画面で違うと、審査で止まる原因になります。英字やカタカナの表記まで、登記の内容にそろえて入力してください。銀行口座の名義も同じ表記にそろえます。
出典:TikTok Shop「Seller Registration」(2026年10月確認),Funnel「TikTok Shopのやり方」(2026年10月確認)
食品や化粧品は追加の書類が要ることがある
商品によっては、許認可の書類を求められます。食品の営業許可や化粧品の製造販売業の許可が代表的な例です。美容や健康の商品は表現の審査も厳しい傾向があり、効果を断定する説明や誇大な表現は認められません。医薬品や医療機器、タバコ関連など、扱えない商品も定められています。主力の商品が扱えるカテゴリかどうかを、書類を集める前に確かめておくと、準備が無駄になりません。
3. TikTok Shopの出店方法は5ステップ
出店の手順は、セラーセンターへの登録、書類の提出と審査、店の基本設定、商品の登録、TikTokアカウントとの連携の5ステップです。審査を通ったあとも配送と返品の設定が残るため、販売を始めたい日から逆算して申請します。
ステップ1と2:セラーセンターに登録して審査を受ける
出品者向けの管理画面であるセラーセンターに、会社のメールアドレスか電話番号で登録し、法人の区分を選びます。担当者個人のアドレスにせず、複数人で見られる連絡先にしておくと、異動や不在で連絡が止まりません。事業情報と書類を提出すると審査に入り、結果はメールかセラーセンターで確認できます。審査の結果を待つ間に、配送と返品の方針を社内で決めておくと、通過後の設定が早く進みます。
ステップ3:出荷元と返品先と銀行口座を設定する
審査を通ったら、出荷元の住所、配送方法、返品の受付先、入金先の銀行口座を登録します。送料の設定によっては自社が配送料を負担することになるため、商品の重さと単価を見ながら決めます。返品を受ける期間と、不良品のときの対応も先に決めます。出荷の遅れは店の評価に響き、次の段階へ進むときの条件にも関わるので、毎日の出荷を誰が担当するかまで決めておきます。
ステップ4と5:商品を登録してアカウントと連携する
商品を登録したら、販売に使うTikTokアカウントを店と連携します。連携すると、動画やライブ配信に商品を付けられるようになります。TikTok Shopは動画を見ている途中で商品に出会う売り場なので、商品名や説明文だけでなく、使っている場面が伝わる動画を同時に用意します。動画がないまま商品だけ並べても、購入者の目に触れにくくなります。
4. 販売手数料と入金までの期間

日本向けの店では、出店料と月額費用はかからず、売れたときに販売手数料が引かれます。2026年5月の改定で、一律の率からカテゴリ別の率に変わりました。図の数字は例なので、自社の商品のカテゴリの率で計算します。
カテゴリで変わる販売手数料
料率は食品と家電が7%、美容と健康が10%、ファッションとペット用品が12%といった形で分かれています。解説記事には古い率のままのものもあるため、確かめる先はセラーセンターのプラットフォーム手数料のページにします。同じ売上でも、カテゴリによって手数料に5ポイントの差が出ます。価格を決めるときは、手数料に送料と広告費を足した額を引いて、手元にいくら残るかを商品ごとに計算してください。
開設直後の注文数の上限と入金までの期間
開設直後は注文と出品の数に上限があり、2026年10月時点では1日30件の注文、100商品の出品から始まって、実績に応じて引き上げられます。セールやライブ配信で一度に売ろうとする計画は、この上限を見て立てます。入金も開設直後は遅く、配達から最長31日程度の決済期間があり、過ぎた売上が原則として毎月1日と14日に支払われます。商品の仕入れと支払いの時期が合うよう、資金繰りに余裕を持たせておきます。
アフィリエイト報酬と広告費も見込む
クリエイターに紹介してもらう場合は、自社で決めた率の報酬を支払います。率に決まりはありませんが、ベトナムのTikTok Shopでは商品単価の10〜20%が一般的とされており、販売手数料より大きくなることもあります。ここにShop広告の費用も加わると、利益の幅は小さくなります。報酬と広告を使う前提で価格を決め、どちらも使わなかった場合の利益と比べておくと、販促をやめる判断もしやすくなります。
5. アメリカで売るときに自社が負う関税と通関

アメリカの購入者に日本から売るときは、図の4つが自社の責任になります。少額の荷物でも関税がかかるようになったため、価格を決める段階で関税を入れて計算します。
関税と通関は出品者の負担になる
公式の規約では、日本拠点の越境出品者は、アメリカへの輸入にかかる関税、通関の手数料、その他の税金を負担し、適切に申告して支払うことが求められます。売上金はTikTok側が受け取り、手数料を引いた額が登録した銀行口座に入金されます。関税が販売手数料に含まれているわけではないので、販売価格から別に引く費用として計算します。注文の処理と出荷も出品者の責任で、配送の方針に沿って発送します。
800ドル以下の免税がなくなり小口の採算が変わった
アメリカでは2025年8月29日に、800ドル以下の輸入品を免税にするデミニミス制度が廃止されました。ジェトロの2025年10月のレポートでは、輸入1件ごとの輸送と通関の費用がほぼ固定になり、低単価の商品を小口で送るメリットが減ると説明されています。日米の合意に基づく日本原産品の税率も、通常の税率が15%未満の品目は15%とされました。関税の措置は変わることがあるので、出荷の前に最新の税率とHTSコードを確かめます。
関税込みの価格で利益が残る商品を選ぶ
購入者が受け取り時に追加の費用を求められると、不満や受け取り拒否につながります。ジェトロのレポートも、関税込みの価格の表示が標準になる可能性に触れています。単価の低い商品を1点ずつ送るより、単価の高い商品やセットのほうが、1件あたりの費用を吸収しやすくなります。まず代表的な商品で、関税込みの販売価格を計算し、現地の競合の価格と並べて売れる水準かを確かめます。
6. 東南アジアはShopeeやLazadaと並べて考える
東南アジアではTikTok Shopが広く使われていますが、日本企業が直接店を開ける条件は、公開された規約からは確認できません。Shopee、Lazadaと並べて、どの売り場から入るかを考えます。
越境出品の規約は中国本土と香港の事業者が対象
2025年1月に発効した越境出品者向けの規約は、中国本土または香港に居住、登録している事業者を対象としており、シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムなどの売り場が含まれています。日本の事業者がこの枠で出品できるとは書かれていません。そのため実務では、現地の法人で店を開くか、現地の店を持つ提携先を通じて販売する形を検討します。条件は改定されることがあるため、国ごとに最新の案内を確かめてください。
出典:TikTok Shop「Global Selling Seller Terms of Service」(2026年10月確認)
最初の売り場と組み合わせて考える
日本から直接出品できるShopeeやLazadaに対して、TikTok Shopはライブ配信で新しい購入者を増やす場として使われます。東南アジアのECモールの攻略ロードマップでは、まず1つの売り場で実績を作り、成果が出てからLazadaやTikTok Shopを加える進め方を解説しています。国ごとの違いも大きく、ベトナムのECモールのように、TikTok Shopの比重が高い国もあります。売りたい国の購入者がどの売り場を使っているかを確かめてから決めます。
7. TikTok Shopの運用代行に任せられる範囲
TikTok Shopの運用代行は、動画とライブ配信を社内で回せない企業の選択肢です。任せる範囲が広いほど費用も増えるため、社内に残す仕事を決めてから依頼します。
動画とライブ配信と受注を分けて考える
任せられる作業は、申請と初期設定、動画の企画と撮影、ライブ配信、クリエイターとのやり取り、受注と問い合わせへの対応に分かれます。商品知識が要るライブ配信だけ社内で担当し、動画の制作を任せる形もあれば、すべてを任せる形もあります。価格、在庫、ブランドの見せ方の判断は、代行を使っても社内に残ります。どの作業を任せるのかを書き出してから見積もりを取ると、固定費と成果報酬を同じ条件で比べられます。
海外向けなら現地の言葉で配信できるかを見る
海外で売る場合は、日本向けの実績だけで会社を選べません。現地の言葉で配信できる人がいるか、その国のクリエイターとつながりがあるか、関税や通関の実務まで分かっているかを確かめます。売る国での販売実績を、売上、配信の本数、使ったクリエイターの例まで聞くと、力の差が見えてきます。店の名義が誰になるのか、契約を終えるときに動画や顧客の情報をどう扱うのかも、契約の前に取り決めます。
8. TikTok Shopは売り場選びと動画と現地の相手探しでつまずく
Digima〜出島〜に2025年度に寄せられた相談のうち、越境EC(ECモール出品代行)は4.8%で、業種は卸売・小売が57%、製造業が25%でした。TikTokやライブコマースの名前が挙がる相談から見えてくる、つまずきやすい場面は次の3つです。
どの売り場が自社に合うか決められない
Shopee、Lazada、TikTok Shopのどれに入るべきか、売上の見込みとコストが分からないという相談が寄せられています。判断の材料になるのは、売りたい国の購入者が使っている売り場、商品の単価と重さ、動画で魅力が伝わる商品かどうかの3つです。使い方を見せると欲しくなる商品はTikTok Shopと相性がよく、型番で探される商品は検索の強いモールのほうが向いています。
動画を出しても売上につながらない
フォロワーを増やすことを目的にすると、再生されても商品が売れないことがあります。TikTok Shopでは、動画の中で商品の使い方と価格まで伝わるかが購入を左右します。最初から完成度の高い動画を少数作るより、見せ方を変えた短い動画を複数出して、購入につながった型を残します。社内で続けられない場合は、制作だけを外部に任せる方法もあります。
現地で売ってくれる相手が見つからない
海外向けに売るには、現地の言葉で配信できる人や、影響力のあるクリエイターが必要です。ライブコマースに合う売り場の選び方と、現地で販売力のある配信者を探したいという相談もあります。Digima〜出島〜では、売りたい国と商品、社内で担える範囲をうかがったうえで、現地の運用や配信に対応できるサポート企業を絞って紹介しています。自社で1社ずつ探すより、同じ説明を繰り返さずに比べられます。
9. よくある質問(FAQ)
フォロワーの少ない企業アカウントでも売れるのか、日本向けの店から海外へ発送できるのか、相談先はどこかを取り上げます。
Q1. フォロワーが少ない企業アカウントでも売れますか?
フォロワーが少なくても売れる余地はあります。TikTok Shopには、クリエイターに商品を紹介してもらうアフィリエイトと、売れている動画を広げるShop広告があり、自社の投稿だけに頼らずに商品を見てもらえるためです。ただし報酬と広告費は売上から出ていくので、その分を引いても利益が残る商品から始めます。自社で動画を作る場合も、最初の数本で判断せず、商品の見せ方を変えながら反応を比べると、売れる形が見つけやすくなります。
Q2. 日本向けの店から海外の購入者へ発送できますか?
日本向けの店は、日本の購入者に売るための店で、登録には国内の住所と銀行口座が使われます。アメリカなど海外の購入者に売るには、売る国に合わせた別の条件を満たす必要があります。日本向けで作った商品ページや動画は参考になりますが、海外ではそのまま使えません。言語、表示、安全認証、配送の条件が国ごとに違うため、売りたい国を決めてから、必要な準備を洗い出します。
Q3. TikTok Shopの出店や海外販売はどこに相談できますか?
Digima〜出島〜に無料で相談できます。株式会社Resorzが運営する海外ビジネス支援プラットフォームで、専門コンシェルジュが売りたい国と商品、社内で担える範囲をうかがい、130カ国に対応する登録サポート企業5,000社の中から、条件に合うサポート企業を3〜5社に絞って紹介します。売る国が決まっていない段階でも相談でき、紹介された企業と契約する義務はありません。
10. TikTok Shopへの出店は『Digima〜出島〜』に無料相談
TikTok Shopは固定費なしで始められ、法人の申請も書類がそろえば進みます。海外で売るなら、売る国によって店の条件が変わること、アメリカでは関税と通関を自社が負うこと、東南アジアでは現地の体制が要ることを先に押さえておきます。
どの国と売り場から始めるか決められない、動画や配信を任せられる会社を探したい、という段階でも相談できます。Digima〜出島〜の専門コンシェルジュが商品と体制をうかがい、合うサポート企業を3〜5社に絞ってご紹介します。
▶︎TikTok Shopへの出店の進め方と任せる会社選びをDigima〜出島〜に相談する
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