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シンガポールの関税制度の基礎知識 | シンガポールの関税率を調べる3つの方法 / 関税体系・関税率の種類・課税基準…ほか

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「シンガポールの関税の基礎知識」を解説します。シンガポールの関税体系・種類・課税基準はもちろん、日本とシンガポール間の輸入適用税率、シンガポールの関税率を調べる3つの方法、さらには、ンガポールの通関制度における少額免税制度と小口貨物について…など、シンガポールの関税制度に関する基本情報をわかりやすく解説します。

世界最大の屋上プールのあるマリーナ・ベイ・サンズやマーライオンなどが有名なシンガポールは、日本の23区よりやや大きい728.3 km²の国土面積を持ち、570万人が住んでいる都市国家です。

1965年8月9日、日本政府はシンガポールを国家として承認し、翌1966年4月26日にシンガポールと外交関係を樹立しました。第二次世界大戦時には日本がシンガポールを占領していたこともありましたが、現在の日本とシンガポールの関係は良好で、交流も活発に行われています。

シンガポールの対日貿易では、輸出入どちらも電子機器・部品が主要品目で、その貿易額は年々増え続けています。

そんなシンガポールの「関税の基礎知識」を改めて確認しておきましょう。

1. そもそも関税とは?

シンガポールの関税制度について知る前に、まずは関税とはどのような税で、何の目的で課せられるものなのかを解説します。

関税とはなにか?

そもそも「関税」とはどんな税なのでしょうか? 関税は「輸入品に対して課される税金」のことです。

関税とは、海外から輸入する貨物に対して国が課す税金であり、税関で徴収されます。

国内の産業保護や市場の経済を安定させるための税金であり、関税率は国によって異なります。

ほかの税金と同じく国庫収入となるので、元来は国家の財源としての機能も重視されていましたが、現代の先進国においては関税が国家収入に占める割合は低く、どちらかと言うと国内の産業を守ることを目的として課せられています。

途上国においてはまだまだ関税が重要な国家収入となっている国もありますが、世界的な貿易自由化の流れから、近年では協定などで関税が減免されることが増えています。

関税率には2種類あり、それぞれ「条約」に基づいて設定されている関税率と、「法律」に基づいて設定されている関税率があります。

法律に基づいて設定されている関税率は「国定税率」と言い、日本では「関税定率法」と「関税暫定措置法」で定められています。

2. シンガポールの関税の体系・種類・課税基準

シンガポールに関税はほぼ〝ない〟

関税の基本的な概要について理解したら、続いては、シンガポールの関税の体系・関税の種類・課税基準について見ていきましょう。

シンガポールの関税体系は一般関税と特恵関税の2つに分かれており、一般関税においては一部のアルコール製品以外の品目は関税が原則無税となります。ビールなどの4品目が課税対象となりますが、自由貿易協定(FTA)を締結している国に対しては、特恵関税が適用されるため、こちらも原則税率はゼロとなるのです。

つまり、シンガポールでは関税はほぼ「ない」のです。

輸入時の一般関税(輸入税)では一部のアルコール製品が課税対象となり、その他は基本無税なのですが、輸入時に別途物品税を課税される品目があるので注意が必要です。

シンガポール税関では、輸入時の一般関税と物品税を合わせて「輸入課税品目」と定義しています。

シンガポールの関税の体系

シンガポールの関税体系は前述したとおり、一般関税と特恵関税の2つです。輸入にかかる税金は輸入時の一般関税(輸入税)と物品税の2つです。特恵関税が適用される場合はすべての品目が無税となります。

一般関税(輸入税)について

シンガポールの一般関税(輸入税)とは自由貿易協定(FTA)を締結していない国からの輸入品に対して課せられる通常の関税であり、一部のアルコール製品に対して課税されます。

シンガポールにおける関税の課税対象品目となるアルコール製品は、スタウト(黒ビール)とビール(beer & ale)のみ。それぞれがアルコール度数(5.8%以下もしくは超)によって2種類に分類されるので、課税対象品目は4品目となります。

その他の品目は一般関税(輸入税)については無税ですが、物品税が課せられる品目があるので注意しましょう。

物品税について

物品税はシンガポールの国内税であり、輸入品以外にも課せられる税です。 物品税の課税対象となっているのはアルコール製品(調製品を含む)、たばこ・葉巻、石油製品(ガソリン)、乗用車・二輪車などの588品目です。

物品税のほとんどは従価税ですが、アルコール飲料、たばこ・葉巻、石油製品は従量税となります。従価税・従量税については後ほど解説します。

特恵関税について

特恵関税とは、先進国が途上国から物品を輸入する際の関税率を引き下げるものであり、これは途上国の支援を目的としています。該当国からの輸入品は関税が減免されます。

シンガポールにおいては下記のいずれかを締結している協定国との輸出入に対し、特恵関税が適用されます。

・自由貿易協定(FTA)
・一般特恵関税制度(GSP)
・コモンウェルス特恵(CP)制度
・世界的貿易特恵関税制度(GSTP)


物品税については特恵関税で免税となった製品であっても等しく課税されます。

シンガポールでは通常の関税である一般関税で課税される品目が前述した4つの品目に限られる上に物品税については減免されないため、特恵関税の利用によって貿易が活性化する、という効果は他国に比べると少ないと言えます。

関税の種類

シンガポールでは品目によって従価税と従量税、2つの課税方式があります。

・従価税とは
「価格に従う」の文字通り、輸入品の価格に対して税を課すのが従価税です。同じ税率なら価格がより高い物品の方が、税金が高くなります。

・従量税とは
「量に従う」の文字通り、例えば個数や重量といった輸入品の量に対して税を課すのが従量税です。税率が同じであれば、より多いもの、より重いもの、より大きいものなどの方が、税金が高くなります。

・従価従量併用型
シンガポールは該当しませんが、国によっては従価税と従量税を併用することもあります。この併用型の課税方式には、従価税と従量税どちらも課される方式と、どちらか税額が多い方もしくは少ない方が選択される方式があります。

課税基準

シンガポールでは、関税は下記の3つの費用を含んだ取引価額合計に対して課税されることになっています。

・CIF価格(※)
・航空・海上輸送の場合は貨物取扱手数料
・その他、商品の販売・運送にかかる手数料(代行料や書類作成にかかる費用の他、梱包費やロイヤルティー、ライセンス料などが該当します)


※CIF価格とは
CIFとは、「Cost Insurance and Freight」の略であり、運賃保険料込み条件のことです。FOB価格に運賃や保険料を加えたものがCIF価格です


先述したCIFやFOBといった貿易条件(インコタームズ)については下記のテキストに詳しく欠かれていますので、貿易についてより理解を深めたい方は下記の記事も併せてご覧ください。

また、従価税の場合と従量税の場合では課税基準に下記のような違いがあります。

■従価税の場合
CIF価格に下記の2つを合計した取引価格に対して税が課されます。
1)貨物取扱手数料
2)商品の販売・運送にかかるその他の費用

■従量税の場合
それぞれの商品によって基準が定められており、それに基づいて税が課されます。

3. 日本とシンガポール間の輸入適用税率について

日本からシンガポールへの輸入品については基本的には一般税率が適用されますが、JSEPA(日本・シンガポール新時代経済連携協定)に基づく原産地規則を満たせば、日本からシンガポールへ輸入される物品にかかる関税が免除されます。

シンガポールとの貿易を行う上で必ず知っておきたい協定がこの「JSEPA」です。

JSEPA(日・シンガポール新時代経済連携協定」とは?

日本とシンガポールの経済活動の連携を強化するため、国境を越えた物や人、サービスや資本、情報がより自由に移動できるようになることを目的に、2002年11月30日に締結された協定です。これは日本にとって初のEPAでありFTAでもあります。

EPAやFTAについて理解を深めたい方には、下記のテキストもぜひご覧ください。

4. シンガポールの関税率を調べる3つの方法

シンガポールの関税率を調べる方法はおもに「World Tariff」「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」「税関などでHSコードを調べる」の3つ

シンガポールの関税制度について理解できたところで、この項では実際のシンガポールの関税率を調べる方法をご紹介します。

前項までで解説した品目に対してのシンガポールの関税を調べるにはどのような方法があるのでしょうか?

そもそも輸出先での関税率を調べるのは容易ではありません。通常は下記のような複雑な調査を要します。

1,貨物のHSコードを特定 2,輸出国と輸入国の間のFTAの有無を調べる 3,相手国での一般関税率やFTA関税率、原産地規則を、協定文を読み確認する 4,上記で調べた以外に別のFTAの存在の有無を確認する 5,別のFTAがあった場合、どちらが関税率、原産地規則において有利かを検討する

これを見るとなかなか大変そうですが、最近は関税率を調べるのにとても便利なツールが用意されており、シンガポールの関税率を調べるには、下記の3つの方法があります。

① World Tariffで調べる
② RULES OF ORIGIN FACILITATORで調べる
③ シンガポールの税関などでHSコードを調べる


以下よりそれぞれの方法およびツールを見ていきましょう。

「World Tariff」で調べる

「World Tariff」で調べてみるのが1つ目の方法です。「World Tariff」とは、オンラインで利用できるFedEx社が運営する関税データベースのこと。本来は有料のツールですが、JETROのサイトからユーザー登録すれば日本居住者は無料で利用することができます(JETRO以外から登録してしまうと有料となるので注意!)。

この「World Tariff」には世界175カ国の関税率や関税関連情報が収録されており、HS番号をクリックするだけで原産国別に最も低い税率が表示されます。通常の関税だけでなく、特恵関税も確認することができる優れものです。

https://www.jetro.go.jp/theme/export/tariff/

「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」で調べる

「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」で調べるのが2つ目の方法です。

「RULES OF ORIGIN FACILITATOR」とは、WTO、WCO、ITCが合同で開発した無料ツール。

複雑な関税調査の手間を省くことで、中小企業がより貿易を活発に行えるようになることを目指して作られた関税削減ツールです。

原産地規則のデータベースには190カ国以上で適用されている貿易協定のデータが入っています。情報を抽出するのも非常に簡単です。

https://findrulesoforigin.org/

シンガポール税関などで「HSコード」を調べる

3つ目はとても基本的な方法ですが、税関でHSコードを調べる方法もあります。

最初にそもそもHSコードとは何かについて解説します。

HSコードとは、日本語では「輸出入統計品目番号」、「関税番号」、「税番」などと呼ばれる関税率を決めるために使われる世界共通の品目番号で、現在では200以上の国と地域がHSコードを使用しています。6桁が世界共通の番号であり、以降の数字は国によって桁数や数字が異なります。

シンガポール税関への直接の問い合わせはHSコード4桁については無料ですが、その他の詳細な問い合わせについては有料となります。一件につき、75シンガポール・ドルがかかるので注意が必要です。

シンガポールの政府機関であるEnterprise Singaporeが運営している関税検索データベース「Tariff Finder」を利用することもできますが、こちらを利用するには、会社登記時にACRA(Accounting and Corporate Regulatory Authority:会計企業規制庁)から発行されるUEN(個別企業登録番号)が必要となるようです。

■日本関税協会の「Web輸出統計品目表」
https://www.kanzei.or.jp/statistical/expstatis/headline/hs1dig/j#hs1dig03
※日本側のHSコードを調べる

■Enterprise Singapore(Tariff Finder Home)
https://www.enterprisesg.gov.sg/non-financial-assistance/for-singapore-companies/free-trade-agreements/ftas/tariff-finder
※シンガポールのHSコードを調べる

5. シンガポールの通関制度における少額免税制度と小口貨物について

本来、シンガポールで輸入を行う際はまず監督官庁から許可を取得することが必要ですが、一定額を超えない範囲の輸入に関しては少額免税制度の対象となり、許可がなくとも免税で輸入することができます。また、個人が携行品として持ち込む場合に簡易通関が可能になる品目もあります。

少額免税制度が適用される貨物

・航空便で搬入される非管理品目
シンガポールの省庁の法令によって管理されていない品目(非管理品目)の場合は、航空便で搬入される場合に限ってCIF価格が400 シンガポールドル以下のものは、輸入許可やGST(財・サービス税)の納付が免除されます。ただし、海上・陸上貨物で搬入される場合は、小口貨物であっても少額免税制度は適用されません。

・CIF価格が400シンガポールドル以下の貿易見本品や分析試験用標本、贈答品


・CIF総額が400シンガポールドル未満の国際郵便小包
非課税品目・非管理品目の場合は輸入許可とGST納付が免除となりますが、荷受人が受け取る際にインボイス(仕入書)を提示しなければなりません。 管理品目の商業貨物の場合はGSTの納付は免除されますが、荷受人は受け取りの際に輸入ライセンスを提示する必要があります。

小口貨物について

個人が携行品として持ち込むものが以下に該当する場合は、簡略化された輸入申告フォームで簡易通関が可能となります。

・0.4キログラム以下のタバコ類
・10リットル未満の酒類
・車輛の補助容器に携行する10リットル以下の内燃機関用燃料
・0.5キログラム未満の個人での使用を目的とする投資適格貴金属
・GST総額が300シンガポールドル以下の商業目的の荷物
・課税価格が400 シンガポールドル以下であり、貿易見本品(酒類・タバコ類を除く)としての表示が施されているもの


特にタバコの違法輸入に対しては非常に厳しい処罰がありますので注意が必要です。医薬品や化粧品、食品については輸入ライセンスが免除される範囲の数量がそれぞれ定められていますので、必ず確認しておきましょう。

6. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します

今回は「シンガポールの関税の基礎知識」と銘打って、シンガポールの関税体系・種類・課税基準や、シンガポールの関税率を調べる3つの方法、さらには、シンガポールと日本間の輸入適用税率、シンガポールの通関制度における少額免税制度と小口貨物についても解説しました。

日本にとって初のEPAでありFTAを締結した相手国であるシンガポール。貿易額も年々増加傾向にあり、今後も良好な関係を築いていける国の一つです。資源の乏しい国であるシンガポールはさまざまな産業政策によって発展してきました。

そんなシンガポールとビジネスを始めたいなら、関税制度だけでなく現地の風習や最新事情についても調査が必要です。

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(参照文献)
「シンガポール 関税制度」JETRO

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  • オススメ

    サイエスト株式会社

    海外ビジネスプロシェッショナルが長年培った人脈・ノウハウをフル活用し、貴社のもう一人の海外事業部長として海外事業を推進します。  

    ご利用企業からの評価

    ※ご利用企業から集めた評価をもとに作成

    総合評価
    サポート実績数
    1000
    価格
    対応
    スピード
    知識

    全ての企業と個人のグローバル化を支援するのが、サイエストの使命です。
    サイエストは、日本の優れた人材、企業、サービス、文化を世界に幅広く紹介し、より志が開かれた社会を世界中に作り出していくための企業として、2013年5月に設立されました。
    近年、日本企業の国内事業環境が厳しい局面を迎える中、アジアを筆頭にした新興国が世界経済で存在感を増しています。
    それに伴い、世界中の企業がアジアなどの新興マーケットの開拓を重要な経営戦略のひとつと位置付け、一層注力の度合いを高めています。
    サイエストは、創業メンバーが様々な海外展開事業に携わる中で、特に日本企業の製品、サービス、コンテンツには非常に多くの可能性を秘めていると、確信するに至りました。
    ただ、海外市場開拓の可能性はあるものの、その実現に苦労している企業も少なくありません。
    我々はその課題を

    (1)海外事業の担当人材の不足
    (2)海外事業の運営ノウハウの不足
    (3)海外企業とのネットワーク不足

    と捉え、それぞれに本質的なソリューションを提供してまいります。
    また、組織を構成する個人のグローバル化も支援し、より優れた人材、企業、そしてサービスや文化を世界中に発信してまいります。
    そうして、活発で明るい社会づくりに貢献することで、日本はもちろん、世界から広く必要とされる企業を目指します。

  • オススメ

    GLOBAL ANGLE Pte. Ltd.

    70か国/90都市以上での現地に立脚したフィールド調査

    ご利用企業からの評価

    ※ご利用企業から集めた評価をもとに作成

    総合評価
    サポート実績数
    300
    価格
    対応
    スピード
    知識

    GLOBAL ANGLEは海外進出・事業推進に必要な市場・産業調査サービス、デジタルマーケティングサービスを提供しています。70か国90都市以上にローカルリサーチャーを有し、現地の言語で、現地の人により、現地市場を調べることで生きた情報を抽出することを強みとしています。自社オンラインプラットホームで現地調査員管理・プロジェクト管理を行うことでスムーズなプロジェクト進行を実現しています。シンガポール本部プロジェクトマネージメントチームは海外事業コンサルタント/リサーチャーで形成されており、現地から取得した情報を分析・フォーマット化し、事業に活きる情報としてお届けしております。


    実績:
    東アジア(中国、韓国、台湾、香港等)
    東南アジア(マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ等)
    南アジア(インド、パキスタン、バングラディッシュ等)
    北米(USA、メキシコ、カナダ)、南米(ブラジル、チリ等)
    中東(トルコ、サウジアラビア等)
    ヨーロッパ(イタリア、ドイツ、フランス、スペイン等)
    アフリカ(南アフリカ、ケニア、エジプト、エチオピア、ナイジェリア等)

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