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法人税は20%? 進出時に知っておきたい「台湾税務・会計のイロハ」

掲載日:2020年02月07日

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地理的な近さや、成熟しつつある市場とビジネス環境で、日本企業の海外進出先として年々注目されている「台湾」。世界で最も親日であるとも言われており、日本企業にとっては是非とも押さえておきたい進出国と言えるでしょう。

そんな台湾への進出を考える際に、まずポイントとなるのは会社経営に欠かせない会計、そして海外ビジネスでは非常に重要となる現地税制度への対応でしょう。海外ビジネスの成否は税務・会計業務が握っていると行っても過言ではありません。

そこで、本記事では、最も気になる法人税はもちろん、その他の知っておきたい税制度、そして実際の税務会計業務の流れや、押さえておきたい注意点などについて解説します。是非、御社の台湾進出にお役立てください。

1. 最も気になる「台湾の法人税」

法人税は20%

それでは、まず海外展開する企業が一番知りたいであろう法人税の話です。2020年度の最新の情報となります。台湾の法人税は、ずばり20%になります。ここ最近の台湾の税率を見てみましょう。

2008年 国民党 馬英久総統就任時 25%
2010年 同政権時に17%に法人税率を引き下げ
2016年 民進党 蔡英文総統就任 同率の17%
2017年 所得税改正草案を発表 この年も同率の17%
2018年 法人税率20%に引き上げ ~ 2020年現在20%を維持

日本が法人税23.2%ですので台湾はそれより幾分低いと言えます。それではアジア周辺国と比べるとどうなのかを比較してみましょう。

香港 16.5%
シンガポール 17%
台湾 20%
日本 23.2%
韓国 25%
中国 25%

ご覧のとおり、ちょうど真ん中の位置にいます。これは蔡政権が、国民の税負担軽減を公約に掲げてきたため、法人税増による個人所得税の現行最高税率を引き下げ調整を図ったと考えられます。また、他国と税率を比較して国際競争力に耐え得ると判断したのではないでしょうか。

台湾進出において法人税率は日本よりも低いので幾分の優位性があります。日本では法人税と言うと、

1・国に納付する法人税
2・自治体に納付する法人住民税
3・自治体に納付する法人事業税

となんだかたくさん存在しますが、台湾は簡単で1しかありません。

また、以前存在していた、未処分利益(保留金)追加税が10%であったものが2019年以降廃止されました。2017年度は未処分利益追加税が10%、2018年度は5%、2019年度以降は廃止という過程をたどっています。拠って、これから台湾進出をする企業にとっては非常に有利な条件と言えるでしょう。

日本企業の進出時の罠

そして、台湾では法人税(営利事業所得税)は、課税所得額が12万元を超えているか否かで決まります。

・12万元未満 無税
・12万元以上 20%

なるほどと思われますが、ここに罠が潜んでいます。外国からの外国人投資の会社にはある規則が儲けられています。それは、1年間の売り上げが300万元以上、若しくは3年間のトータル売り上げが1000万元以上ないと会社の存続が出来ないということです。赤字黒字の話ではなく、売り上げに制限が有ります。政府から見ればこれくらいの金額を売ってもらわなければ当然税金も貰えないと言う事でしょうから、台湾進出に関しては、綿密な計画と、しっかりとした勝算、そして資金が必要となります。日本で既に組織が出来ており、台湾にもお客様がいる場合でしたら問題無いでしょうが、個人で投資する場合、ほとんどの方がこの売り上げの壁に引っかかっています。弊社でも多くの会社を設立して参りましたが、個人で投資される方でこの壁を乗り越えるのはなかなかの至難です。

拠って、個人、零細の場合、進出する際には台湾を理解しているしっかりとしたパートナーに相談する必要が有るでしょう。

2. その他、台湾の税制度まとめ

<消費税>

次にその他の税についてまとめていきます。まずは、消費税です。台湾は一律5%の税率になります。例を挙げますと、1万元の売り上げ 5%500元が消費税 お客様には10,500元で請求します。

台湾の会計は2カ月で1タームとなっており、例えば1月、2月の2か月分を会計士がまとめて計算し、仕入れで立て替えた消費税分を差し引き翌月の15日までに銀行に納めます。

台湾では売り上げを立てる際に、各企業に国が発行している「統一発票(請求書のような物)」が配られ(会計士が銀行で購入)、書式に基づいて内容を記載していきます。台湾国内での取引の際には、正式な中国語での企業名、会社の8桁番号、品目、数量、金額、税額、トータル売上金額を記入し、トータル金額は数字で記入した後、更に確認の為に難しい繁体字でその金額を記載するようになっています。また、統一発票には種類があり、通常国内企業間の取引の場合、3連式の統一発票、個人や外国企業に発行する統一発票は2連式の統一発票。レストランや、コンビニなど頻繁に統一発票のやり取りが起こる所では、電子式の簡易統一発票が使われます。

拠って、我々企業は売り上げを上げる際には、必ずその指定された統一発票を使用しなければならず、売り上げの取りこぼし(過少申告)など、出来ない仕組みになっています。また、その統一発票は5年間の保存が義務付けられています。

しかも、脱税を防ぐ為に統一発票には、統一発票番号と言う物が付いており、政府が2カ月に一度くじ引きを行い統一発票番号の当たりくじ引きを行います。なんと、特別賞1000万元、特賞200万元、頭賞、20万元、2等4万元、3等1万元、4等400元、5等1000元、6等200元。

この様な方法も取り入れて申告漏れを防いでいます。余談ですが、日本でもこの制度を採り入れれば、不正が撲滅できると思います。

<関税>

次に、関税に関しては、台湾では商品分類番号として、全ての物品にCCCコードと呼ばれる番号を付け規制対象品を区別しています。これは11桁で構成されており台湾固有のものとなっています。頭の6桁はHSコードと同じです。台湾に輸出入する際は、台湾独自の関税率が掛けられているので、事前にしっかりと調べましょう。

又規制品もたくさん存在するので、成分分析もしっかりと行い、台湾国内の法律に適しているかどうかを必ず調べる必要が有ります。

<所得税>

次に、台湾で所得が有る個人の所得税を説明します。国籍、居住の有無にかかわらず台湾で所得が有った場合の税率です。台湾も累進課税になっています。

A・課税所得額 540,000元以下       5%  控除額0
B・課税所得額 540,001元~1、210,000元 12%  控除額37,800元
C・課税所得額 1,210,001元~2,420,000元 20%  控除額134,000元
D・課税所得額 2,420,001元~4,530,000元 30%  控除額376,600元
E・課税所得額 4,530,001元~ABOVE    40%  控除額829,600元

非居住者に対する配当金支払いの際の源泉徴収率は21%です。台湾で労務を提供し収入を得る場合21%の源泉徴収が行われます。

<その他>

話は少し脱線しますが、台湾では日本よりも優れた税制が存在します。相続税と贈与税です。これについてもご紹介しておきます。

相続税は、
・遺産総額が5000万元(日本円で1.8億位)未満は10%。
・遺産総額が5000万元~1億台湾元未満は15%。
・遺産総額が1億台湾元以上は20%となっています。

贈与税は、
・贈与総額が2,500万元未満の場合10%。
・贈与総額委が2500万元~5000万元未満は15%。
・贈与総額が5000万元以上が20%となっています。

3. 台湾税務・会計「決算の流れ」

さて、実際の納税の方法ですが、台湾では12月を決算としている会社がほとんどです(決算時期は各会社で選べますが、12月が通常とされています)。会計士が、決算を行い、決算書が出来上がります。法人税申告期限は、毎年5月1日~5月31日までになります。

我々外国人は、所得税に関しても同じ5月1日~5月31日までに各地区に定められた外国人専用の指定国税局に出向き、自己申告、納付を行わなければなりません。

先述した通り、台湾の税務・会計は日本と違う所がございますので、肝心な部分として、しっかりとした会計士を選ぶことが大切になります。会計士によって決算書に関する内容作成もかなり違う部分が見受けられます。名前が十分通っている会計事務所はそれなりに費用が掛かります。台湾国内にも優秀な会計士が沢山いますので、お困りの際はご相談下さい。

繰り返しになりますが、2カ月に一度の消費税納税、台湾の年度末決算は12月末が普通で、納税期限が5月末になります。

4. 進出成功のために押さえておきたい税務・会計での注意点

進出成功のために押さえるポイントとしては、下記が挙げられます。

<ポイント1>
・会社設立時に法律をしっかりと理解しているパートナーを探すことが重要になります。各省庁に提出する文章をしっかりと記載できる能力。経済部、外交部、外国審査投資委員会、市政局、労働部、移民局、国税と全ての省庁で書類を審査される訳ですから、そこに関係する会計士の力、それをアシストする人材の力で会社の設立時間も変わってきます。

<ポイント2>
・会社設立後には運営の為に優秀な人材が必要です。日本語が話せるから優秀だなどと簡単な理由だけで人材採用をするのはやめてください。台湾は、日本と比べ物にならないくらい労働者寄りに出来上がっている労働基準法が有ります。

そのため、経営者としては、まず台湾の労働法を理解する必要が有るでしょう。「1例1休」など日本では聞いた事のない内容が含まれていますので、社員に対する最低限のルールは理解してください。

社員は、会社の理念、会社のベクトルを理解させ、協調を重んじ、同じ目的に向かって会社を助けてくれる人材を見つけましょう。気持ちよく、長く一緒に働ける人材を確保する事を優先してください。

<ポイント3>
・外国企業には先にも述べましたが売り上げの壁が有ります。進出の際は、事前準備をしっかりと行い、良く台湾市場を理解し、十分な戦略を練り、余裕のある資金を準備し、優秀な人材と共に明日の為に邁進しなければなりません。良い思考→良い行動→良い習慣→良い結果。これが成功の法則です。

<ポイント4>
・台湾は日本と似ていると皆さん言いますが、全く違います。ここは外国です。台湾は2300万人の人口しかおらず、少子高齢化が日本よりも進んでいる国です。 また、先進技術が進んでいる国と言う事も有り、世界中の一流企業を始め、多くの企業が台湾に進出してきています。極端に言えば、どの市場もレッドオーシャン的な側面が有ります。そこに新規で打って出るわけですから、出てくる前の市場調査や何度にもわたる現地視察が必要でしょう。経営者は自分の目でこの市場を見に来てください。そして感じてください。皆様の成功をお祈り申し上げます。

5. 優良な台湾進出サポート企業をご紹介

専門家との二人三脚で台湾進出を成功させよう

編集部:いかがでしたでしょうか? 今回は台湾税務・会計について専門家の方に解説いただきました。台湾は、日本との国交は持っていないものの、日本に関心がある人が多く、ジャパンブランドも受け入れられやすいと考えられます。また、個人消費も堅調なことから、外食や飲食産業にも需要があるかもしれません。

従来より親日で潜在性が高い台湾ですが、現地に進出する際には、もちろん現地のパートナーを探すことがもっともスムーズです。その際に必要なのは、そのような手続きのサポートです。

「Digima〜出島〜」には、厳選な審査を通過した優良な台湾進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

「台湾進出の戦略についてサポートしてほしい」「台湾での事業計画立案のアドバイスがほしい」「台湾に進出したいが何から始めていいのかわからない」…といった、多岐に渡る台湾進出におけるご質問・ご相談を承っています。

ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが、御社にピッタリの台湾進出サポート企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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海外ビジネスに関する情報につきましては、当サイトに掲載の海外進出支援の専門家の方々に直接お問い合わせ頂ければ幸いです。

この記事を書いた人

鈴木治年

鈴木 治年

J&T international consulting 株式会社

青山学院大学・商社出身。台湾の人材・語学・教育・文化・経済に精通している。台湾での人材紹介・派遣、語学講師派遣、翻訳・通訳、労務法務顧問を事業とする会社Bz*BlueBirdの代表、櫻日國際貿易社の顧問を務めている。 2018年6月、日本にてJ&T international consulting株式会社を設立。日本企業経営者向けに、台湾進出指導・台湾現地法人の経営問題・経営・労務問題解決に関するコンサル指導を展開中。

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