台湾の税金と法人税|税率・税務・会計の基本と進出時の注意点【2026年最新版】
台湾への進出を考えるとき、多くの担当者が気にかけるのが「税金はどのくらいかかるのか」という点です。法人税の税率はいくらなのか、日本の消費税にあたるものはあるのか、日本と台湾で税金が二重にかからないのか。こうした疑問が整理できないまま話が進んでしまい、あとから慌てるケースは少なくありません。
台湾の税制は、日本と共通する部分もありながら、独自の仕組みも多く持っています。法人にかかる「営利事業所得税」、日本の消費税に近い「営業税(付加価値税型)」、個人にかかる所得税や源泉徴収、そして日台間の二重課税を調整する取決めなど、押さえておきたいポイントは意外と多いものです。
本記事では、台湾の税制の全体像から、法人税・営業税・個人所得税といった主要な税目の考え方、日台租税協定、さらに決算・申告の実務や進出時に気をつけたい点までを、2026年時点の情報をもとにわかりやすく整理します。数値はあくまで目安として捉え、実務では最新の制度を確認しながら進めてください。
この記事でわかること
- ・台湾の税制の全体像と主要な税目の概要
- ・法人税(営利事業所得税)の税率と課税の仕組み
- ・営業税(付加価値税・消費税)と統一発票の基本
- ・個人所得税・源泉徴収と日台租税協定のポイント
- ・台湾での決算・申告の流れと進出時の注意点
▼台湾の税金と法人税|税率・税務・会計の基本と進出時の注意点【2026年最新版】
1. 台湾の税制の全体像とは?主要な税目の概要
台湾の税制とは、国が課す「国税」と地方自治体が課す「地方税」から構成される仕組みのことです。企業の海外進出に関わってくるのは主に国税で、代表的なものが法人の利益にかかる「営利事業所得税」、日本の消費税に近い「営業税(付加価値税型)」、そして個人の収入にかかる「個人総合所得税」です。日本の税制と大枠は似ていますが、名称や運用の細部が異なるため、日本の感覚をそのまま当てはめると思わぬ食い違いが生じることがあります。
台湾で事業を行う場合、まず自社がどの税目の対象になるのかを整理することが出発点になります。現地に法人を設立して事業を行うのか、支店として活動するのか、あるいは現地法人を持たずに取引だけを行うのかによって、課される税金や申告の義務が変わってきます。とりわけ配当や使用料などを日本に送金する場面では源泉徴収が関わってくるため、進出形態を決める段階から税務の見通しを立てておくことが大切です。
また、台湾には相続税や贈与税といった資産に関わる税目もあり、駐在員個人の税務や資産管理まで視野に入ると論点はさらに広がります。まずは事業活動に直結する法人税・営業税・個人所得税の三つを軸に理解を進め、必要に応じて周辺の税目を確認していくと、全体像がつかみやすくなります。
2. 台湾の法人税(営利事業所得税)の税率と仕組み
台湾の法人税にあたるのが「営利事業所得税」です。現在の標準税率はおおむね20%とされており、多くの進出企業がまず確認するポイントになっています。台湾の法人税率はこれまで何度か見直されており、一時は17%だった時期もありましたが、2018年ごろに引き上げられ、その後は20%前後の水準が続いています。税率だけを見ると日本より低い印象を持たれることも多いですが、実際の負担は課税所得の計算方法や各種の控除・優遇によって変わってきます。
課税の仕組みとしては、課税所得が一定の少額(およそ12万台湾ドル)以下にとどまる場合には負担が生じない、あるいは軽減される扱いが設けられています。小規模な段階では急に重い税負担がかからないよう配慮されている一方、事業が軌道に乗って利益が積み上がると標準税率で課税されていきます。かつては利益を社内に留保したままにすると追加で課される税(未処分利益に対する課税)がありましたが、この扱いは近年見直され、負担が軽くなる方向に整理されています。
気をつけたいのは、外国企業が台湾で法人を維持していくうえで、一定の事業規模が実質的に期待される場面があるという点です。売上がごく小さいまま推移すると事業の実体を問われることもあるため、進出後の事業計画と税務・会計の体制はセットで考えておくと安心です。数値はあくまで目安であり、実際の適用税率や優遇の可否は、業種・所在地・投資形態によって変わるため、最新の制度を専門家と確認しながら進めることをおすすめします。
3. 台湾の営業税(付加価値税・消費税)の基本
台湾で日本の消費税に相当するのが「営業税」で、多くの取引には付加価値税型の仕組みが適用されます。一般的な業種における標準税率はおよそ5%とされており、日本の消費税率と比べると低めの水準です。ただし、金融業や一部の飲食・娯楽業などでは異なる税率や計算方式がとられる場合があるため、自社の業種がどの区分に当たるのかを確認しておく必要があります。
営業税で特徴的なのが「統一発票」と呼ばれる公式インボイスの存在です。台湾では税務当局が管理する統一発票を用いて取引を記録するのが原則で、これが売上や仕入れの証憑となり、営業税の計算の土台になります。発行や保管のルールが定められているため、日本の請求書の感覚だけで運用すると不備が生じやすく、進出初期につまずきやすいポイントの一つです。
申告のサイクルも押さえておきたいところです。台湾の営業税は原則として2カ月を1期として申告・納付する流れが一般的で、日本の消費税とはリズムが異なります。仕入れにかかった営業税を売上にかかった営業税から差し引いて納める仕組みは日本と共通しますが、統一発票の管理と2カ月ごとの申告に対応できる経理体制を、進出の早い段階から整えておくことが大切です。
4. 台湾の個人所得税と源泉徴収の考え方
台湾で働く個人には「個人総合所得税」がかかります。日本と同じく所得が多いほど税率が上がる累進課税の仕組みが基本で、給与や各種の所得を合算して課税されます。駐在員を台湾へ派遣する場合、その人が台湾でどのように課税されるのかは、赴任期間や滞在日数によって扱いが変わってきます。一般に、台湾での滞在が一定日数(おおむね183日)を超えると現地での申告義務が生じ、居住者として扱われる可能性が高まります。
一方、台湾に長く滞在しない非居住者に対しては、給与や報酬などから源泉徴収が行われるのが原則です。非居住者への源泉徴収率は居住者の一般的な負担より高めに設定される傾向があり、おおむね20%前後が一つの目安とされています。滞在日数が居住者の基準に達するかどうかで税負担の考え方が大きく変わるため、赴任の計画段階で滞在スケジュールと税務上の取り扱いを整理しておくと、あとからの手戻りを防げます。
個人所得税の確定申告は、法人税と同じく毎年5月ごろに行うのが通例です。外国人向けの申告窓口が設けられていることもあり、必要書類や手続きは日本と異なる点が少なくありません。駐在員本人が不安を抱えやすい部分でもあるため、会社としてサポート体制を用意しておくと、赴任者の安心にもつながります。
5. 日台租税協定と二重課税の調整
日本と台湾に事業や所得がまたがると、同じ利益に対して両方で税金がかかってしまうのではないか、という点が気になるところです。この二重課税を調整するために設けられているのが、いわゆる日台租税協定(日本と台湾の間の租税に関する取決め)です。正式な国家間条約とは形式が異なりますが、民間の枠組みを通じて条約に準じた効果を持たせており、2016年ごろから実務での適用が始まっています。
この取決めによって、配当・利子・使用料(ロイヤルティ)といった所得にかかる源泉税の負担が、一定の要件のもとで軽減される場合があります。たとえば台湾の子会社から日本の親会社へ配当を送る場面などで、本来より低い税率が適用され、グループ全体の税負担を抑えられる可能性があります。日本側でも、外国で納めた税金を一定の範囲で控除する「外国税額控除」の仕組みと組み合わせることで、二重課税の影響をやわらげることができます。
ただし、こうした軽減措置を受けるには、居住者であることを示す証明の取得や所定の届け出など、事前の手続きが必要になるのが一般的です。要件を満たさないまま送金してしまうと軽減が受けられないこともあるため、配当や使用料の支払いを計画する段階で、日台双方の税務に詳しい専門家に確認しておくことをおすすめします。
6. 台湾の会計・申告の実務と進出時の注意点
台湾の会計・申告の実務では、まず決算のスケジュールを押さえておくことが大切です。台湾では12月決算が一般的で、法人税(営利事業所得税)の確定申告は翌年の5月1日から5月31日の期間に行うのが原則とされています。個人所得税の申告時期もこれに重なります。決算書の作成にあたっては、現地の会計士や記帳士が関与するのが通例で、日々の帳簿づけや統一発票の管理を含めて、申告の直前にまとめて対応するのではなく、期中から継続的に整えておくことが求められます。
進出時に見落としがちなのが、日本と台湾で経理・税務のルールや必要書類が異なる点です。統一発票の運用、2カ月ごとの営業税申告、源泉徴収の手続きなど、日本にはない作業が日常的に発生します。現地に経理担当を置くのか、記帳代行を活用するのか、日本本社でどこまで管理するのか。こうした体制を進出の設計段階で決めておくと、立ち上げ後の混乱を避けやすくなります。とりわけ初めての海外進出では、税務・会計をどこまで自社で抱え、どこから専門家に任せるかの線引きが悩みどころになりがちです。
Digima〜出島〜に実際に寄せられた相談では、医療機関向けサプリメントを扱う企業が、初めての海外進出先として台湾を選び、日本での販売モデルを現地でも展開したいと考えていました。海外はまったくの初めてで、販路開拓だけでなく、法人をどう構えるか、税務や会計の実務をどう回すかといった全般的な不安を抱えていたのが印象的です。このように、事業そのものは有望でも「進出後の税務・会計まで含めた実務が見通せない」という悩みは、業種を問わず多く見られます。早い段階で現地事情に詳しい専門家を巻き込むことが、スムーズな立ち上げの近道になります。
7. よくある質問(FAQ)
Q. 台湾の法人税率は日本より低いのですか?
台湾の法人税(営利事業所得税)の標準税率はおよそ20%とされ、日本の実効税率と比べると低めの水準です。ただし実際の負担は課税所得の計算方法や優遇措置によって変わるため、税率だけで単純に比較せず、総合的に見積もることをおすすめします。
Q. 台湾の消費税(営業税)は何%ですか?
一般的な業種の標準税率はおよそ5%とされています。取引には統一発票と呼ばれる公式インボイスの発行が求められ、申告は原則として2カ月ごとに行う点が日本の消費税と異なります。
Q. 日本と台湾で税金が二重にかかることはありますか?
日台間には二重課税を調整する租税の取決めがあり、配当・利子・使用料などの源泉税が軽減される場合があります。日本側の外国税額控除と組み合わせることで、二重課税の影響を抑えられる可能性があります。適用には事前の手続きが必要です。
Q. Digima〜出島〜で台湾の税務・会計を相談できますか?
はい、可能です。台湾の税務・会計・法人設立に精通した専門家や支援企業が登録されており、進出前の情報収集から申告実務、日台租税協定の活用まで無料で相談できます。
8. 台湾の税務・会計の相談はDigima〜出島〜へ
海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima〜出島〜」では、台湾の税務・会計・法人設立に精通した専門家を無料でご紹介しています。法人税(営利事業所得税)や営業税の考え方、統一発票を用いた記帳、決算・申告の実務、日台租税協定の活用まで、進出のどの段階でもご相談いただけます。
「台湾に法人を設立したいが税務・会計の体制をどう組めばいいかわからない」「日本と台湾で二重に課税されないか不安」「初めての海外進出で何から手をつければいいか整理したい」など、状況に応じたお悩みに対応しています。台湾進出では、事業計画と税務・会計の設計を早い段階からすり合わせておくことが成功の鍵になります。
海外進出の専門コンシェルジュが、御社の業種・課題・進出フェーズに合わせて、最適なサポート企業を無料でご紹介いたします。台湾での税金や税務に少しでも不安を感じたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
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