ベトナム貿易・輸出入の基礎知識|相手国・品目・EPA【2026年最新版】
ベトナムへの輸出やベトナムからの輸入を検討し始めると、「そもそもベトナムはどこの国と、どんなモノを取引しているのか」「日本との貿易にはどんな協定が使えるのか」といった全体像が気になるところです。情報が断片的で、何から押さえればよいか迷う担当者も少なくありません。
ベトナムは、部材を輸入して完成品を輸出する加工貿易を軸に成長してきた、東南アジアを代表する貿易大国です。電子機器や繊維製品を中心とした輸出が伸び、日本にとっても輸出・輸入の双方で欠かせないパートナーになっています。日越EPAやCPTPP、RCEPといった枠組みが整い、関税面のメリットを活かしやすい環境が広がっている点も見逃せません。
本記事では、ベトナム貿易の全体像から主要な相手国・品目、日本との貿易関係、輸出入の手続きや関税・規制、さらに市場の魅力と進出機会、実務上の注意点までを一通り整理します。ベトナムとの取引を始める前に押さえておきたい基礎知識をまとめました。
この記事でわかること
- ・ベトナム貿易の全体像と加工貿易型という構造の特徴
- ・主要な貿易相手国と、代表的な輸出入品目
- ・日本とベトナムの貿易関係とEPA・CPTPP・RCEPの活用
- ・輸出入の手続き・関税・規制で押さえるべき実務ポイント
- ・ベトナム市場の魅力・進出機会と、実務で注意すべき点
▼ベトナム貿易・輸出入の基礎知識|相手国・品目・EPA【2026年最新版】
1. ベトナム貿易の全体像と特徴
ベトナム貿易とは、ベトナムが世界各国との間で行う輸出入の総称です。ベトナムは1986年の「ドイモイ(刷新)」政策以降、市場経済化と対外開放を進め、外国からの投資と輸出を成長のエンジンとしてきました。貿易総額は年々拡大を続け、近年は数千億ドル規模に達しています。輸出が輸入をやや上回り、貿易収支は黒字基調で推移する年が多く見られます。
ベトナム貿易を理解するうえで欠かせないのが「加工貿易型」という構造です。海外から部品や原材料を輸入し、ベトナム国内の工場で組み立て・加工したうえで、完成品を再び海外へ輸出する流れが取引の中心にあります。豊富で若い労働力と、比較的抑えられた人件費、そして政府による外資誘致策が、この構造を支えてきました。米中の貿易摩擦を背景に、生産拠点を中国からベトナムへ移す動きが加速したことも、輸出拡大を後押ししています。
つまりベトナムは、単なる消費市場としてだけでなく「世界に向けた生産・輸出の拠点」としての性格を強く持っています。日本企業がベトナムとの貿易を考える際も、現地で売るのか、現地で作って輸出するのか、部材を供給するのかによって、取るべき戦略が変わってくる点が特徴です。
2. ベトナムの主要な貿易相手国と輸出入品目
ベトナムの輸出先として最も大きいのはアメリカで、電子機器や縫製品、家具などが多く流れています。これに中国が続き、日本や韓国、EU諸国も主要な輸出先です。一方、輸入元では中国が突出して大きく、韓国がそれに次ぎます。生産に使う部品や機械、原材料をこれらの国から調達し、完成品を欧米や日本へ輸出するという流れが、相手国の顔ぶれにもはっきり表れています。
品目で見ると、輸出の主役は電話機・同部品、コンピューターや電子製品・同部品といった電子機器類です。これに縫製品(アパレル)や履物が続き、さらに水産物・コーヒー・米・野菜果実といった農水産物も、ベトナムらしい輸出品として存在感があります。輸入側では、電子製品・同部品や機械設備・同部品、電話機用の部材など、まさに完成品を作るための中間財・資本財が上位を占めます。
このように輸出入の品目が表裏一体になっているのが、加工貿易国ベトナムの分かりやすい特徴です。日本企業にとっては、高品質な部材や生産設備を供給する「輸出の機会」と、コスト競争力のある製品を調達する「輸入の機会」の両面が存在します。自社の製品や強みがこの流れのどこにはまるのかを見極めることが、取引を組み立てる出発点になります。
3. 日本とベトナムの貿易関係とEPA・CPTPP・RCEP
日本にとってベトナムは、東南アジアの中でも特に関係の深い貿易相手です。日越間の貿易額は年々拡大しており、日本からは機械設備・鉄鋼・電子部品・自動車部品などが輸出され、ベトナムからは縫製品・水産物・電子機器・木材製品などが日本へ入ってきます。互いの産業を補完し合う関係が築かれており、進出している日系企業の数も東南アジア有数の規模です。
関税面では、複数の経済連携協定を使い分けられる点が大きな魅力です。二国間では日ベトナム経済連携協定(VJEPA)、地域枠組みとしては日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)があり、多くの品目で関税が段階的に撤廃・削減されてきました。さらに、日本とベトナムはいずれもCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)とRCEP(地域的な包括的経済連携)にも参加しています。同じ品目でも協定ごとに税率や原産地規則が異なるため、最も有利な協定を選んで活用できるかどうかがコストを左右します。
実務では、対象品目のHSコードを特定したうえで各協定の税率を比べ、原産地規則を満たせる協定を選ぶという流れになります。特恵関税を受けるには原産地証明書の取得が必要で、どの協定を使うかによって手続きや必要書類も変わります。制度を正しく使いこなせれば関税負担を大きく抑えられるため、貿易実務や協定に詳しい専門家の力を借りながら進めると安心です。
4. ベトナムへの輸出入の手続き・関税・規制
ベトナムとの輸出入を実際に進めるには、通関手続きと関税・規制への対応が欠かせません。基本の流れは、契約や見積もりの取り交わし、船積み・航空輸送の手配、そして輸出入それぞれの国での通関です。ベトナム側の通関は電子申告が整備されてきましたが、書類の不備や品目分類の誤りがあると通関が滞ることもあります。多くの日本企業は、現地の通関業者やフォワーダーと連携して手続きを進めています。
関税については、まず品目ごとのHSコードを特定し、そのコードに対応する税率と輸入規制を確認するのが基本です。前述のとおり、日越EPAやCPTPP・RCEPの特恵関税を使えば税負担を抑えられますが、その場合は原産地証明書の取得が前提になります。加えて、食品や化粧品、医薬品、健康食品、機械類などは、事前登録・輸入許可・検査・ラベル表示・現地規格への適合といった規制対応が求められることがあります。ベトナムでは規制が改正されることも多いため、最新情報の確認が重要です。
Digima〜出島〜に実際に寄せられた相談では、健康食品を手がける食品メーカーから、ベトナムでの自社商品のプロモーションに関するご相談がありました。試食・サンプリング・広告宣伝を予定しており、食品や健康食品に強い現地のプロモーションエージェンシーを探しているという内容です。ベトナム市場に商品を届けるには、輸入・規制対応という「入口」だけでなく、現地の食文化を理解した売り方まで含めて設計する必要があることが、こうした相談からも見えてきます。
5. ベトナム市場の魅力と進出機会
ベトナムの魅力は、生産拠点としての強さだけにとどまりません。人口は約1億人規模で、平均年齢が若く、都市部を中心に中間層が拡大しています。所得の向上とともに消費が活発になり、食品・化粧品・日用品・家電・サービスなど、幅広い分野で「売る市場」としての可能性が広がっています。生産拠点として進出した企業が、現地での販売にも軸足を広げていく動きも増えています。
進出のかたちも多様です。現地に販売代理店やパートナーを見つけて輸出する方法、現地法人や合弁会社を設立して製造・販売の拠点を持つ方法、あるいは越境ECで現地の消費者に直接届ける方法など、目的や規模に応じて選択肢があります。政府が外資誘致に前向きで、工業団地や投資インセンティブが整えられている点も、進出のハードルを下げる要素です。
Digima〜出島〜に実際に寄せられた相談では、石油類の卸売・直売を営む企業から、ベトナムでの新規拠点設立に関するご相談がありました。すでにベトナムへ進出しており、現地の政府系機関と契約して新規事業を営む予定という段階で、現地法人や合弁など設立形態ごとのメリット・デメリットや費用感、投資インセンティブの活用について検討されていました。ベトナムは設立形態によって外資規制が異なるため、進出機会を活かすには初期の設計が成否を分けます。輸出から始めて現地拠点へと段階的に踏み込む企業が多いのも、この市場の特徴といえます。
6. ベトナム貿易で押さえておきたい実務の注意点
ベトナムとの貿易では、制度面と商習慣の両方で押さえておきたいポイントがあります。まず制度面では、規制や関税分類が改正されることが少なくありません。取引開始時に確認した条件がその後変わっていることもあるため、通関業者や専門家を通じて最新の情報を追い続ける姿勢が大切です。原産地規則の解釈や必要書類も協定ごとに異なるので、特恵関税を使う際は要件を丁寧に確認する必要があります。
商習慣の面では、現地パートナーとの信頼関係づくりが取引の安定を左右します。契約内容や品質基準、納期、決済条件を書面で明確にし、認識のずれを早い段階で解消しておくことがトラブル防止につながります。物流面でも、リードタイムや輸送中のリスク、港湾での混雑などを見込んでスケジュールに余裕を持たせることが望ましいでしょう。特に食品や機微な製品では、温度管理や検査対応まで含めた設計が求められます。
そして、中間業者に依存しすぎない体制づくりも意識したいところです。取引の窓口を一社に頼り切っていると、その関係が途切れたときに輸出入業務が立ち行かなくなるリスクがあります。自社にノウハウを蓄えつつ、いざというときに相談できる専門家やパートナーを複数持っておくことが、長くベトナム貿易を続けるうえでの安心材料になります。
7. よくある質問(FAQ)
Q. ベトナムの主要な貿易相手国はどこですか?
輸出先ではアメリカが最大で、次いで中国が大きなシェアを占めます。輸入元では中国と韓国が上位で、生産に使う部品や原材料を多く調達しています。日本は輸出・輸入ともにおおむね上位5位以内に入る主要なパートナーです。
Q. ベトナムの主な輸出品目・輸入品目は何ですか?
輸出の中心は電話機・同部品、コンピューターや電子製品・同部品、縫製品、履物、水産物・農産物などです。輸入では電子製品・同部品や機械設備・同部品など、完成品を作るための中間財・資本財が多くを占めます。部材を輸入して完成品を輸出する加工貿易型の構造が特徴です。
Q. 日本からベトナムへ輸出する際に関税を抑える方法はありますか?
日越EPA(VJEPA)や日ASEAN協定(AJCEP)、CPTPP、RCEPといった経済連携協定を活用すると、多くの品目で関税が撤廃・削減されます。品目ごとに有利な協定が異なるため、HSコードを特定して各協定の税率と原産地規則を比較し、原産地証明書を取得したうえで特恵関税を利用するのが基本です。
Q. Digima〜出島〜でベトナムの貿易・輸出入を相談できますか?
はい、可能です。ベトナムでの輸出入・通関・規制対応・販路開拓・現地法人設立に精通した支援企業が登録されており、取引の始め方から進出戦略まで幅広いフェーズで無料相談ができます。
8. ベトナム貿易・輸出入の相談はDigima〜出島〜へ
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