フィリピンで成功できる(かもしれない)新ビジネスモデル13選【後編】

2018年のフィリピンにおいて、大きなビジネスチャンスの可能性がある「新規ビジネス」の数々をご紹介します。
今回の後編では【IT開発・ITラボ】【日本語教育サービス】【オンラインアシスタント(英語人材事業)】【ラーメン事業】【コンドミニアム・Airbnb投資・不動産ビジネス】といった、前中編と比較すると、やや専門性が必要になる分野を解説。
本シリーズでは、インターネット上に掲載された、ローカルのフィリピン人や欧米人が運営するブログやコラムなどをリサーチし、比較的新しいとされるビジネスや、フィリピンで芽が出始めていると思われるビジネスをピックアップ。
その中でも【日本人が比較的参入しやすい】新規ビジネスを筆者独自の視点でまとめています。
※本シリーズは、前編・中編・後編の3回に分けての連載となります
▼ フィリピンで成功できる(かもしれない)新ビジネスモデル13選【後編】
- 1. IT開発・ITラボ
- 2. 日本語教育サービス
- 3. オンラインアシスタント(英語人材事業)
- 4. ラーメン事業
- 5. コンドミニアム・Airbnb投資・不動産ビジネス
- 6. 今後はマニラ首都圏よりも地方都市に注目
▼アナタのフィリピンビジネスを成功させるために
1. IT開発・ITラボ
すでにマニラ首都圏ではIT人材の確保が困難

経済産業省の調査によると、日本では2020年までに情報セキュリティ人材で19.3万人、AIやIoT、ビッグデータに携わる先端IT人材で4.8万人、全体で合計36.9万人の人材が不足すると推計されています。
一方フィリピンでは、現在、マニラ・セブを中心に開発系IT企業の進出が著しいスピードで進んでいます。日系のみならず中国、韓国、アメリカ、オーストラリアなど国籍はさまざまですが、IT人材の取り合いは一様に激しいのが現状です。
セブではそれが特に顕著で、フィリピンのメジャー求人サイトを調べてみると、セブ・中央ビサヤ諸島のIT求人数は、恒常的に中央であるルゾンの約3倍となっています。セブのIT関係者の話では、人材の取り合いが激化しており、すでにIT人材の確保が困難になっているとのこと。
そこで注目したいのが、メトロマニラ外の近郊ラグナ、カビテ内の中規模都市、ルソン島のクラーク、ミンダナオのダバオ、カガヤン・デ・オロなどの地方都市なのです。
IT人材は、仕事を求めて大都市を目指す傾向がありますが、地方都市にも優秀な人材は残っているのです。そして彼らの多くは、オンラインでフリーランスとして活躍しているケースが多いのです。
したがって、フィリピンの地方にて、IT関連事業を立ち上げる際の重要なポイントは、各都市において、IT系に力を入れている大学の有無となります。
さらにドゥテルテ大統領は、2017年6月以来度々大手インターネットプロバイダーに警告を出しており、フィリピン全土のインターネットスピードの改善が見られない場合は、外資系企業を誘致したいとも語っています。
2. 日本語教育サービス
技能実習生制度でもっとも懸念されているのが日本語教育

日本語教育サービスは、ビジネスチャンスの背景が他の教育サービスとは全く異なるため、「中編」で取り上げた教育系にはあえて含めませんでしたが、その需要は高まっています。
この背景にあるのは2017年11月に法改正が行われ、制度が変更になった外国人技能実習制度。この度「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」の施行にあわせ、外国人技能実習制度の対象職種に介護職種が追加されたのです。
厚生労働省の発表によると、介護人材業界では2025年には38万人が不足すると言われており、フィリピン人介護士が非常に注目を集めているのはご存じのとおり。このような流れの中、現在マニラを中心にして技能実習生を集めるブローカーが急増しており、詐欺まがいトラブルも多発しているとの報告もあります。
そして技能実習生送り出しの仕組みとして、もっとも不足が懸念されているのが日本語教育の部分なのです。
技能実習生制度の枠組みでは、介護実習生は入国前にN4相当の日本語力が要求されています。フィリピンの日本語教師不足は最近始まったことではありませんが、技能実習生制度の改変により更に需要が高まっており、現在、不足が著しいマニラ首都圏では、日本語能力初級のコースを終了した直後の人材が、同レベルの学習者を教えねばならないほどの状況になっているとのこと。
技能実習生の送り出し機関である人材派遣会社と提携すれば、今後安定した事業収益が見込める可能性はより高まります。
3. オンラインアシスタント(英語人材事業)
英語人材の雇用が必要であればフィリピン人英語人材を視野に

「オンラインアシスタント」とは、フリーランサーが市民権を得ている欧米では、1990年代からバーチャルアシスタント(Virtual Assistant)という職名で定着しています。
オンラインアシスタントの業務とは、インターネットや電話を使って、遠隔でデスクワークの代行サービスを提供することです。その業務内容はデータ入力、会計管理、ライティング業務など多岐に渡ります。
フィリピン人人材は英語でのコミュニケーションが可能なため、欧米企業はフィリピン人のオンラインアシスタントを積極的に利用しており、同業種の派遣・マッチングサイト事業も多数展開されています。
オンラインアシスタント人材やフリーランサー用のプラットフォームUpworkでは、2015年の時点でフィリピンの登録者数が140万人を超えました。このフィリピン人オンラインアシスタントの利用が、今後日本でも増えていく可能性があります。
その背景にあるが、越境ECなどの日本のオンラインマーケットの海外展開です。越境ECは、英語圏のマーケットサイズが大きく、英語でのカスタマーサポートや、オンラインマーケティング、情報収集などが非常に重要となってきます。この部分を担える可能性があるのが、フィリピン人の英語人材なのです。
今後、海外展開を予定しているサービスに関して、英語人材の雇用が必要であれば、フィリピン人の英語人材を視野に入れるといいでしょう。また日本のサービスプロバイダー向けに、オンラインアシスタントを登録させておけば今後の需要に対応できるはずです。
4. ラーメン事業
フィリピンのラーメン戦争は地方都市へと戦線を拡大

すでに「ラーメン戦争」状態と言ってもいいほど、首都マニラは“ラーメン激戦区”の様相を呈しています。しかし、それがセブなどを除く地方都市となると、その店舗数は一気に減少します。
つまり、マニラやセブ以外の地方都市においては、いわゆる「本場のラーメン」を食べられる店は皆無と言っていいのです。
外食産業全体としてもその傾向は顕著です。国家統計局(2012)によると、家計の中でフィリピンの外食産業が占める割合は7.5%で、3,100億ペソそのうち32%はマニラ首都圏での支出で占められています。
だからこそ、今後は地方都市への外食産業としての進出が期待されるのです。その裏付けとなるのが、フィリピン人による「ラーメン」ヌードル屋の増加です。
日本の味からはほど遠いものの、小規模店舗やモールのなかでも、ラーメン風ヌードルを出している店が増えています。ポイントとなるのは食材の確保。現在フィリピンの多くのラーメン店が、麺やスープなどを日本から輸入することで事業を展開していますが、すでに日系の製麺所のフィリピン進出が始まっています。
今後、フィリピンのラーメン戦争は、徐々に地方都市へとその戦線を拡大させていくはずです。
5. コンドミニアム・Airbnb投資・不動産ビジネス
建設ラッシュの渦中にあるフィリピンの現状

まさに建設ラッシュの真っ只中と言っていい現在のフィリピン。マニラ首都圏のみならず、他の都市でもコンドミニアム、ショッピングモール、ホテルの建設が進んでいます。
インクワイア紙の発表によると、2016年には首都圏で38,800ユニットが販売されました。これは前年の2015年と比較すると25%アップとなっています。016年は首都圏の建設数字体は下がったものの、取引き量は増加しており、これまでのデータによれば、2017年度も販売数が増加する結果となることはほぼ間違いありません。
購入価格としてはスタジオタイプのシングルユニットが250万ペソ程度から購入でき、投資対象としてもお手軽です。最近では、コンドミニアムを購入した後のアフターケアも充実しています。コンド開発会社が賃貸契約者を探してくれるだけでなく、契約者が見つかるまでは会社が賃貸料を負担してくれる、という夢のようなプランを提示している不動産物件もあるのです。
Airbnbを利用して賃貸運用するのもいいでしょう。また同時にビジネスとなり得るのが、コンドミニアムを含む不動産物件の情報ビジネスです。コンドのみならず一軒家、賃貸などの不動産情報を大量に扱っている業者は思いの外少ないのが現状です。また日本語のみならず、英語情報もさほど充実していません。これらをまとめていければ、充分に可能性のあるビジネスとして成り立つはずです。
6. 今後はマニラ首都圏よりも地方都市に注目
フィリピンの地方に投資が集まる

本シリーズの「前編」でも述べましたが、フィリピンでは新規ビジネス投資承認額は毎年増加傾向にあり、マーケットとしても着実に成長しています。その中でも注目したいのが、建設・不動産、IT、農業関連ビジネス、英語人材、地方都市などのキーワードです。
「建設・不動産」では、2017年10月にワールドバンクが「2018年のフィリピンのGDP成長は6.7~6.9% 程度になる」との予測を発表しましたが、この成長に大きく寄与しつつ牽引しているのが「住宅建設」なのです。
さらに「IT系」だと、BPO(ビジネス・プロセスアウトソーシング)の成長には陰りが見え始めつつありますが(2017年9月19日フィリピン・スター紙)、外資系開発会社の進出は増加しています。
また「農業関連ビジネス」ですと、ビサヤス諸島、ミンダナオを中心に投資が増加中です。
そして「英語人材系ビジネス」は、今後日系企業からの需要が増えていくことが予想できます。
いずれにせよ、どの分野において、強くオススメしたいのが「地方都市への進出」です。
特にドゥテルテ政権が存続する間は、ミンダナオ島を始めとするフィリピンの地方に投資が集まりやすくなることは間違いありません。人材獲得競争が加熱しているマニラ首都圏よりも、一度フィリピンの地方へ視点を移してみてはいかがでしょうか?
■企画/構成
株式会社クリエイティブコネクションズ&コモンズ
Founder:三宅一道(ミンダナオ日本人商工会会頭)
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