台湾の販売代理店・ディストリビューター20選

台湾は、人口約2,300万人と比較的小規模な市場ながらも、高い消費力、安定した経済成長、親日的な文化など、多くの海外企業にとって魅力的な市場となっています。特に、電子機器、食品・飲料、医薬品、化粧品、日用品などの分野で海外ブランドの需要が高く、多くの企業が台湾市場への進出を積極的に進めています。
台湾市場の特徴として、近代的な流通インフラが整備されており、大手のスーパーマーケットやコンビニチェーンが強い影響力を持っている点が挙げられます。また、EC(電子商取引)も急成長しており、オンライン販売が重要なチャネルとなっています。これらの販売チャネルを効果的に活用するためには、現地の販売代理店やディストリビューターと連携し、市場に適した流通戦略を構築することが不可欠です。
本記事では、台湾市場の流通環境を解説し、主要な販売代理店・ディストリビューター20社を紹介します。自社のビジネスに最適なパートナーを見つけ、台湾市場での成功につなげてください。
▼ 台湾の販売代理店・ディストリビューター20選
販売代理店とディストリビューターの違い
販売代理店(エージェント)とは
販売代理店(エージェント)は、メーカーの代理人として営業活動を行い、商品を販売する企業です。通常、代理店は在庫を持たず、メーカーからの直接委託を受けて営業し、販売が成立した際に手数料(コミッション)を受け取る形で運営されます。特に、新規参入時の市場調査や規制対応、販路拡大のサポートが期待できるため、台湾市場への最初のステップとして活用するケースが多く見られます。
ディストリビューターとは
ディストリビューターは、メーカーから商品を購入し、在庫を管理しながら流通・販売を行う企業です。代理店とは異なり、ディストリビューターは商品を買い取るため、メーカーにとっては安定した販売量を確保できるメリットがあります。台湾では、スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストア、百貨店、ECなどの小売チャネルへの供給を担当する大手ディストリビューターが存在し、特に都市部での流通を効率的に進める上で重要な役割を果たします。
両者の主な違いと選択のポイント
販売代理店とディストリビューターの最大の違いは、在庫管理の有無と販売リスクの所在です。短期間で市場テストを行いたい場合は販売代理店を活用し、市場が確立されている場合はディストリビューターと契約することで、安定した流通を確保することができます。
台湾市場の概要
人口、経済規模、消費者動向
台湾は、人口2,300万人と市場規模は小さいものの、購買力の高い中間層が厚く、海外ブランドへの関心が強い市場です。特に、日本製品に対する信頼度が高く、食品・飲料、化粧品、健康食品などの分野で日本企業の成功事例が多数あります。
また、台湾の消費者は品質や安全性を重視し、健康志向の強い傾向があります。環境問題への関心も高まりつつあり、オーガニック食品やエコフレンドリーな製品の市場が拡大しています。
主要な流通チャネルと小売業者
台湾の流通市場は、モダントレード(近代的流通)とトラディショナルトレード(伝統的流通)が共存しており、大手チェーン店の影響力が強い一方で、伝統的な市場(夜市など)や個人経営の小売店も一定のシェアを持っています。
モダントレード(近代的流通)
台湾では、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ECが主要な販売チャネルとなっています。代表的な小売業者としては、以下のような企業が挙げられます。
- 7-Eleven Taiwan(統一超商):台湾最大のコンビニチェーン
- FamilyMart Taiwan(全家):全国展開するコンビニチェーン
- Carrefour Taiwan(家楽福):大手スーパーマーケットチェーン
- PX Mart(全聯福利中心):ローカルのスーパーマーケット大手
- MOMO、PChome、Shopee Taiwan:EC市場の主要プレイヤー
トラディショナルトレード(伝統的流通)
台湾では、地域ごとに個人経営の小売店や伝統的な市場が依然として影響力を持っており、地元のディストリビューターを活用することで効果的な市場開拓が可能です。特に、生鮮食品や加工食品の分野では、伝統的市場へのアプローチが重要になります。
物流とサプライチェーンの特性
台湾は地理的にコンパクトで、物流インフラが発達しているため、流通の効率性が高い市場です。主要都市間の配送は迅速であり、EC市場の成長に伴い、当日配送や翌日配送サービスも広く普及しています。
このため、日本からの輸入品も比較的スムーズに流通させることが可能であり、現地のディストリビューターを活用することで、物流コストを抑えつつ効率的な市場展開が可能となります。
台湾の主要な販売代理店・ディストリビューター20選
台湾市場への進出において、信頼できる販売代理店やディストリビューターの選定は成功の鍵を握ります。台湾は流通インフラが発達しており、大手の小売チェーンやECサイトを活用した流通が主流ですが、地域密着型の小売市場も依然として強い影響力を持っています。そのため、適切な販売パートナーと提携し、ターゲット市場に応じた販売戦略を構築することが不可欠です。
ここでは、食品・飲料、医薬品、化粧品・パーソナルケア、消費財、家電・電子機器などの分野で、台湾市場で確かな実績を持つ主要な販売代理店・ディストリビューター20社を紹介します。
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DKSH Taiwan Ltd.(大昌華嘉)
- 業界: 消費財・医薬品・工業製品
- 企業概要:スイスに本社を持つDKSHは、台湾市場でも強い流通ネットワークを構築しており、食品・飲料、医薬品、消費財、化粧品など幅広い分野で代理販売を行っています。市場調査から物流、マーケティングまで包括的なサポートを提供しており、海外企業の台湾市場参入に適したパートナーです。
- 公式ウェブサイト: https://www.dksh.com/tw-en/home/about-us/about-dksh-taiwan
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President Chain Store Corporation(統一超商)
- 業界: 食品・飲料・消費財
- 企業概要:台湾最大のコンビニチェーン「7-Eleven」を運営する統一超商は、コンビニを中心とした広範な流通ネットワークを持ち、全国規模の販売が可能です。特に、飲料・食品・日用品のディストリビューションに強みを持っています。
- 公式ウェブサイト: https://www.7-11.com.tw/
-
Taiyen Biotech Co., Ltd.(台塩生技)
- 業界: 健康食品・化粧品・ヘルスケア
- 企業概要:台塩生技は、台湾国内で健康食品、サプリメント、化粧品の販売代理業務を手掛ける大手企業であり、ヘルスケア製品の販売ネットワークを持つ。薬局、ドラッグストア、ECチャネルを活用した流通に強みを持っています。
- 公式ウェブサイト: https://www.taiyen.com.tw/
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Test Rite International Co., Ltd.(特力集団)
- 業界: 家電・DIY・家庭用品
- 企業概要:Test Riteは、DIY用品や家電製品、家具などの輸入販売を手掛けるディストリビューターで、ホームセンターや家電量販店への供給を行っています。
- 公式ウェブサイト: https://www.testritegroup.com/
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Great Wall Enterprise Co., Ltd.(大成集団)
- 業界: 食品・飲料
- 企業概要:台湾の大手食品メーカー兼ディストリビューターで、食肉製品、冷凍食品、調味料などの流通を担当。レストランやスーパーマーケットへの供給に強みを持ち、B2B市場でも確固たる地位を築いています。
- 公式ウェブサイト: https://www.dachan.com/
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Standard Foods Corporation(統一標準食品)
- 業界: 食品・飲料・健康食品
- 企業概要:健康食品や機能性飲料、ベビーフードの分野で強い流通ネットワークを持ち、台湾国内のドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニに商品を供給しています。
- 公式ウェブサイト: https://www.sfworldwide.com/
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Taiwan FamilyMart Co., Ltd.(全家便利商店)
- 業界: 食品・飲料・日用品
- 企業概要:全国展開するコンビニチェーン「FamilyMart」の運営企業で、食品・飲料・日用品の流通を担っています。特に、スナック、飲料、カップ麺、冷凍食品の販売が強みです。
- 公式ウェブサイト: https://www.family.com.tw/
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Cosmos Pharmaceutical(和信藥品)
- 業界: 医薬品・ヘルスケア
- 企業概要:台湾国内の医薬品流通を担う大手ディストリビューターで、病院、薬局、ドラッグストアへの供給を行っています。海外の製薬会社とも提携し、新薬の市場導入にも強みを持っています。
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Carrefour Taiwan(家楽福台湾)
- 業界: 食品・飲料・日用品
- 企業概要:フランス系のスーパーマーケット「Carrefour」の台湾法人で、生鮮食品、飲料、消費財の流通を担当。全国に店舗を展開し、輸入食品の取り扱いも多い。
- 公式ウェブサイト: https://www.carrefour.com.tw/
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PX Mart(全聯福利中心)
- 業界: 食品・飲料・日用品
- 企業概要:台湾国内最大級のスーパーマーケットチェーンで、食品・飲料・消費財のディストリビューションを担当。特に、生活必需品や加工食品の取り扱いが豊富。
- 公式ウェブサイト: https://www.pxmart.com.tw/
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President Pharmaceutical Corp.(統一藥品)
- 業界: 医薬品・ヘルスケア
- 企業概要:統一グループの製薬・医薬品流通部門で、病院、薬局、ドラッグストア向けに医薬品・健康食品の供給を行う。台湾国内の流通インフラを活かし、海外製品の市場導入も積極的に支援している。
- 公式ウェブサイト: https://www.ppc-life.com.tw/
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TCI Co., Ltd.(大江生医)
- 業界: 健康食品・化粧品・医薬品
- 企業概要:健康食品・サプリメントの製造と販売を手掛ける大手ディストリビューターで、医薬品、化粧品の流通にも強い。台湾市場でのB2B向け販売とともに、ECを活用した販売戦略も展開している。
- 公式ウェブサイト: https://www.tci-bio.com/
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Taiwan Pelican Express Co., Ltd.(台灣宅配通)
- 業界: 物流・EC配送・消費財
- 企業概要:台湾国内の配送・物流を担う企業で、特にEC向けの配送に強みを持つ。Shopee、PChome、MOMOなどのオンラインマーケットプレイスと提携し、物流を一元化している。
- 公式ウェブサイト: https://www.e-can.com.tw/
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Fu-Tai Co., Ltd.(富泰貿易)
- 業界: 消費財・食品・飲料
- 企業概要:食品・飲料の輸入販売を手掛ける大手ディストリビューターで、日本・韓国・ヨーロッパブランドの輸入品を取り扱う。高級スーパーマーケットやコンビニへの流通に強みがある。
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Ever Rich Duty Free Shop(昇恆昌免稅店)
- 業界: 免税店・化粧品・高級ブランド流通
- 企業概要:台湾最大の免税店グループであり、高級化粧品、アルコール、時計、ファッションブランドの流通を手掛ける。特に、台湾の空港での販売シェアが高く、観光客向けの販売戦略を展開。
- 公式ウェブサイト: https://www.everrich.com/
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Taiwan Fuji Trading Co., Ltd.(台灣富士貿易)
- 業界: 食品・飲料・消費財
- 企業概要:台湾市場向けに日本製品を輸入・販売する大手ディストリビューターで、食品・飲料、日用品を中心に取り扱う。日本ブランドの市場参入を支援し、スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストアへ流通を行う。
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Taiwan Star Telecom Co., Ltd.(台灣之星)
- 業界: 家電・通信機器
- 企業概要:通信機器、スマートフォン、家電製品の流通を担当し、台湾国内の大手家電量販店やモバイルキャリアとの取引が多い。Apple、Samsungなどのブランドとも提携し、台湾市場での販売支援を行う。
- 公式ウェブサイト: https://www.tstartel.com/
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Hi-Life International Co., Ltd.(萊爾富國際)
- 業界: 食品・飲料・日用品
- 企業概要:台湾国内のコンビニチェーン「Hi-Life」を運営し、食品・飲料・日用品の流通を担当。特に、都市部だけでなく地方市場への販売チャネルを持ち、広範囲な流通ネットワークを持つ。
- 公式ウェブサイト: https://www.hilife.com.tw/
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RT-Mart Taiwan(大潤發)
- 業界: 食品・消費財・家電
- 企業概要:大手スーパーマーケットチェーンで、食品、消費財、家電、衣料品の流通を手掛ける。台湾全土に大型店舗を展開し、大手ブランド製品の販売に強みを持つ。
- 公式ウェブサイト: https://news.rt-mart.com.tw/main
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Wowprime Group(王品集團)
- 業界: 飲食・レストラン・食品流通
- 企業概要:台湾国内で複数のレストランブランドを展開し、飲食業界向けの食品流通も手掛ける。特に、外食産業向けのB2B販売に強みがあり、海外ブランドの食品・飲料の導入支援を行っている。
- 公式ウェブサイト: https://www.wowprime.com/
台湾市場は、消費者の購買力が高く、流通インフラが発達している一方で、競争が激しい市場でもあります。そのため、適切な販売パートナーの選定が、成功の鍵を握るといえます。
ディストリビューター選定のポイント
- 全国規模の流通を持つ企業と、地域特化型の代理店を組み合わせる
- 業界ごとの強みを持つディストリビューターを選定
- EC販売にも対応可能な流通パートナーを確保する
代理店・ディストリビューターとの効果的な協力方法
台湾市場での成功には、適切な販売代理店・ディストリビューターとの強固な協力関係を築くことが不可欠です。流通インフラが発達している台湾では、パートナー企業との連携を強化し、販売戦略を最適化することで、より広範な市場へのアクセスが可能になります。
ここでは、台湾の販売代理店・ディストリビューターと効果的に協力するためのポイントを詳しく解説します。
1. 効果的なコミュニケーションの確立
台湾市場では、対面での関係構築がビジネスの基本です。特に、販売代理店やディストリビューターとの関係を強化するために、定期的なミーティングや現地訪問を行い、関係を深めることが重要です。一方で、台湾はITインフラが発達しており、LINE、WeChat、Microsoft Teams、Zoom などのデジタルツールを活用したオンラインコミュニケーションも一般的です。ビジネスの効率化を図るために、適切なバランスを取ることが求められます。
また、台湾では、パートナーとの信頼関係(グアンシ / 關係)を重視する文化が強く、単なる取引関係ではなく、長期的な協力を視野に入れた関係構築が重要です。急ぎすぎず、慎重に関係を築くことが、円滑なビジネスの展開につながります。また、台湾のビジネスパーソンはフレンドリーでオープンな一方、契約や取引に関しては細かい部分まで慎重に確認する傾向があります。そのため、細部まで合意を得たうえで契約を進めることが重要です。
2. 販売目標とパフォーマンス評価を明確にする
台湾市場で成功するためには、販売代理店やディストリビューターと共に具体的な販売目標を設定し、定期的に成果を評価することが不可欠です。販売目標の設定には、以下の要素を含めると効果的です。
- 売上高と販売数量(特定の期間内に達成すべき数値を明確化)
- 市場カバレッジの拡大(新規エリアやチャネルの開拓を目指す)
- ブランド認知度の向上(マーケティング施策の成果も評価)
- 月次または四半期ごとのレビューを実施し、目標達成度を確認する
- 市場の変化に応じて戦略を柔軟に調整する
- 成果に応じたインセンティブ制度を導入し、販売意欲を高める
特に、台湾市場ではECとオフラインの売上のバランスを考慮しながら評価を行うことが重要です。ECが成長する一方で、消費者は実店舗での体験も重視するため、オムニチャネル戦略を意識した評価基準を設定することが求められます。
3. トレーニングとマーケティング支援を提供する
代理店やディストリビューターの販売力を強化するために、定期的な製品トレーニングを実施することが不可欠です。台湾の消費者は、商品の品質や機能に関する知識を求める傾向があるため、販売スタッフが製品の特長を正しく伝えられるようにサポートすることが重要です。
- 対面ワークショップ(販売スタッフ向けの実践的なトレーニング)
- オンライン学習プログラム(LINEグループや専用プラットフォームを活用)
- 販促用の資料や動画を提供し、商品知識を強化
- 店頭プロモーションの実施(試食・試飲イベント、サンプル配布)
- デジタルマーケティングのサポート(SNS広告、KOL(Key Opinion Leader)との連携)
- ECとの連携(MOMO、PChome、Shopeeでのキャンペーン)
台湾市場では、SNSの影響力が大きく、特にFacebook、Instagram、YouTubeが主要なプロモーションチャネルとして利用されています。KOL(Key Opinion Leader)やインフルエンサーを活用したマーケティング戦略も効果的です。
4. 在庫管理と物流の最適化
台湾は比較的コンパクトな地理的特性を持つため、物流の効率は高いですが、ECの発展により迅速な配送が求められる市場でもあります。そのため、ディストリビューターと協力して、主要都市(台北、高雄、台中など)に倉庫を配置し、迅速な物流ネットワークを構築することが必要です。特に、EC向けの流通では、MOMOやPChomeなどのプラットフォームと連携し、スムーズな物流を確保することが重要です。
契約時の注意点
台湾市場で販売代理店やディストリビューターと契約を結ぶ際には、慎重な準備と詳細な交渉が必要です。台湾のビジネス環境は比較的透明性が高く、法制度も整っていますが、契約の内容を曖昧にしてしまうと、後々のトラブルにつながる可能性があります。特に、契約期間や独占権の有無、支払い条件、知的財産権の保護、紛争解決の方法については、細かく取り決めることが不可欠です。
契約期間と終了条件
契約期間の設定は、台湾市場でのリスク管理において重要な要素の一つです。初めて取引を開始する場合は、まず1年から3年程度の短期契約を結び、相手の実績や対応を見極めたうえで契約更新を検討するのが一般的です。長期契約を結ぶ場合でも、契約終了の際の対応を詳細に定めておくことが求められます。
契約終了条件も明確にしておくことが不可欠です。例えば、販売目標を達成できなかった場合、競合ブランドとの取引が発覚した場合、支払い遅延が続いた場合など、具体的な契約解除の条件を設定しておくことで、万が一の際にもスムーズに対応できます。また、契約終了後の在庫処理に関する取り決めも重要です。残存在庫をどのように扱うのか、返品の可否や引き取り条件についても、事前に取り決めておくことで、後の混乱を防ぐことができます。
独占権の設定とリスク管理
台湾市場において、代理店やディストリビューターに独占権を与えるかどうかは慎重に検討する必要があります。独占契約を結ぶことで、販売代理店はより積極的に市場開拓を行い、ブランドの認知度向上にも貢献する可能性があります。しかし、独占契約を与えることで、販売の自由度が制限され、市場拡大の機会を失うリスクも伴います。
特に、台湾では地域ごとの流通チャネルが発展しているため、全国規模の独占契約を結ぶのではなく、特定の地域や販売チャネルに限定した独占契約を設定するのが望ましいでしょう。例えば、「台北・高雄のみの独占販売権」や「EC販売は独占契約に含めない」といった形で契約を調整することで、より柔軟な市場展開が可能になります。
また、独占契約を結ぶ場合は、一定期間ごとに販売実績を評価し、売上が目標に達しない場合には独占権を解除できる条項を設けることで、代理店の販売努力を促す仕組みを導入するのが効果的です。
価格設定と支払い条件
台湾市場では、競争が激しく、適正な価格設定が成功の鍵を握ります。ディストリビューターのマージンを考慮しながら、適正な価格を設定し、市場の競争力を維持する必要があります。一般的に、ディストリビューターは30〜50%のマージンを確保することが多いため、この点を考慮しながら販売価格を決定しなければなりません。
支払い条件についても、事前にしっかりと取り決めておくことが求められます。通常、台湾では30日から60日の支払い期限が設定されることが多いですが、新規取引の場合は、信用リスクを最小限に抑えるために部分前払いを求めることが推奨されます。例えば、契約初期には20〜50%の前払いを義務付け、その後の取引に応じて支払い条件を柔軟に調整する方法が有効です。
また、支払い遅延を防ぐために、取引前にディストリビューターの信用調査を行うことも重要です。信用情報を事前に確認することで、支払い能力の低い企業との取引を避けることができます。さらに、L/C(信用状)や銀行保証の活用、支払い遅延時のペナルティの設定など、リスクを軽減する対策を講じることが推奨されます。
知的財産権の保護
台湾市場では、日本ブランドの人気が高い一方で、商標の無断使用や模倣品の流通といった問題が発生する可能性もあります。そのため、商標登録を事前に行い、ブランドの保護を徹底することが不可欠です。台湾では「先願主義」が適用されるため、他者に先に商標を登録されると、正規ブランドであっても使用が制限される可能性があるため注意が必要です。
契約書には、知的財産権の保護に関する条項を明記し、代理店が無断でブランドロゴを使用したり、契約終了後にブランドを引き続き販売し続けたりすることを禁止する規定を設けるべきです。また、模倣品の販売を防ぐために、違反時の罰則や契約解除条項を盛り込むことで、不正行為の抑止効果を高めることができます。
まとめ
台湾市場は、高い消費力と安定した経済環境を持つ魅力的な市場であり、特に日本ブランドへの信頼が厚く、多くの海外企業が成功を収めている地域です。しかし、競争が激しく、消費者の品質要求が高いため、単に製品を投入するだけではなく、適切な販売戦略と流通パートナーの選定が必要になります。
本記事では、台湾市場の特性を踏まえ、販売代理店とディストリビューターの違い、主要な販売パートナー20社、効果的な協力方法、契約時の注意点について詳しく解説しました。台湾市場は、今後も経済成長が続き、消費市場の拡大が期待されています。特に、Eコマースの発展、デジタル決済の普及、環境意識の高まりなど、新たなビジネスチャンスが広がっています。これらの市場変化を捉えながら、柔軟な戦略を構築し、台湾市場での成功を目指してください。
なお、「Digima~出島~」には、優良な台湾ビジネスの専門家が多数登録されています。「海外進出無料相談窓口」では、専門のコンシェルジュが御社の課題をヒアリングし、最適な専門家をご紹介いたします。是非お気軽にご相談ください。
本記事が、台湾市場への参入を検討している企業にとって有益な情報となり、現地での成功につながることを願っています。
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南アジア(インド、パキスタン、バングラディッシュ等)
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中東(トルコ、サウジアラビア等)
ヨーロッパ(イタリア、ドイツ、フランス、スペイン等)
アフリカ(南アフリカ、ケニア、エジプト、エチオピア、ナイジェリア等) -
株式会社レイン
海外ビジネスの羅針盤として 〜レイン独自の専門家ネットワークで総合支援〜
【会社概要】
■私たちレインは、世界40カ国以上にわたり構築された専門家とのネットワークで、様々な日本
企業のグローバルな展望に基づいた海外進出の支援をしています。
■レイン独自のネットワークは現地語・日本語を解する多数の専門調査員や、様々な専門領域を
持つ大学教授陣、また、現地の内情に精通した各国の調査会社などから構成されます。
■カバーする地域は東アジア、東南アジア、南アジア、中東、欧州、アフリカ、北米、中南米
及び、世界各地における効果的な調査とその分析により、現地の最新状況をつぶさに把握する
ことが可能です。
■レインは現地のリサーチだけでなく、海外視察のプラニングからビジネスパートナーの発掘、
商談のコーディネートもサポート。海外進出においてあらゆる局面のニーズに対応した包括的な
ソリューションを提供しています。
【レインの特徴】
①『日本からの視点と世界のトレンドの交差点から最新情報を提供』
>>> 世界40カ国のネットワークで国内・海外の視点から最新の調査・分析を実施します。
②『複数カ国の調査・コーディネーションを同時に実施可能』
>>> 海外進出の様々な局面において、ワンストップサービスを効率的に提供します。
③『大手調査会社・シンクタンクとの信頼と実績』
>>> 企業のバックエンドとして、あらゆるストラテジーに対応してきた経験があります。
④『徹底したフォローアップとスピーディーなバックアップ体制』
>>> 様々なニーズにマッチした最適なソリューションで迅速にサポートします。
【世界に広がるレイン独自のネットワーク】
■日本と海外を熟知した専門家とのパートナーシップ
レインとパートナーシップを結んでいる専門家は、現地の言語と日本語、または英語を解し、
日本企業を含む多くのグローバル企業との幅広いプロジェクト経験を持っており、日本国内
と海外双方の視点からビジネスを熟知しています。
■東南アジアすべての国にIT・経営学系等の教授陣とのネットワーク
日本やアジアの大学教授陣との連携により、学術的な観点を取り入れた専門知識のインプッ
トだけでなく、様々な専門家・有識者の窓口として応用もできます。また、このようなネッ
トワークを活用し産学連携プロジェクトを企画することも可能です。
■地場にネットワークを持つ調査会社との連携
大規模な調査については、現地の内情に精通した各国の現地調査会社や、その地域特有の文化、
言語、法律、習慣を熟知した地場系の調査会社と連携することで、よりローカルな視点で
精度の高い情報収集と分析を可能にしています。
【実績のある国】
東アジア >>> 中国・韓国・台湾・香港
東南アジア >>> タイ・インドネシア・ベトナム・フィリピン・マレーシア・シンガポール 他
南アジア >>> インド・スリランカ・ネパール・パキスタン・バングラデシュ
中東 >>> トルコ・UAE・サウジアラビア
欧州 >>> イギリス・スペイン・イタリア・フランス・ドイツ・スウェーデン
アフリカ >>> 南アフリカ・エジプト・ジンバブエ・ケニア
北米 >>> アメリカ・カナダ
中南米 >>> ブラジル・アルゼンチン・メキシコ
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GDX(UDX株式会社)
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