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タイの外資規制(ネガティブリスト)の基礎知識 / 「外国人事業法」(2020年3月施行)の日本企業への影響は?

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「タイの外資規制」の基礎知識を解説します。2020年3月、タイで外国人が行ってはいけない事業を規定している「外国人事業法(Foreign Business Act)」が施行されました。これは1972年に制定された外国企業規制法が1999年に改正されたものであり、タイの外資規制を知る上でもっとも重要なポイントでもあります。

本テキストでは「タイの外資規制の基礎知識」と銘打って、タイビジネスにおける外資規制、先述した「外国人事業法(Foreign Business Act)」について、さらには他国との貿易や投資において、禁止・制限する対象をリスト化した「ネガティブリスト」とは何か?…といったタイの外資規制の基本についてわかりやすく解説していきます。

タイと日本は600年以上もの交流の歴史をもつ友好国であり、それぞれの皇室、王室との関係も親密です。長期に渡って経済的にも非常に緊密な関係を築いてきました。

タイは輸出依存度が高いため、世界経済の景気に左右されやすく、GDPの浮き沈みが激しい国です。現在は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響を受けており、タイ中央銀行は2021年と2022年のGDP成長率予測を下方修正しました。とは言え、輸出先となる国の経済が回復すれば、それに伴ってタイの経済も活性化すると見られています。

本テキストを参考に、タイの外資規制に関する基礎知識について理解を深めていきましょう。

1. 外資規制とは?

外資規制とは「国内企業の外国企業の投資に対する規制」のこと

外資規制とは一言でいうと「外国企業が国内企業に対して行う投資に関する規制」のことです。

つまり、他国の資本が国内企業に対して行う投資を規制するのが「外資規制」ですが、規制内容は国によって異なります。

安全保障や経済政策のための非常に重要なルールである、ということはどの国も同じですので、他国で取引を行う際には、その国の外資規制について必ず調べるようにしましょう。

2. なぜ外資規制が必要なのか?

外資規制が必要な理由とは?

外資規制が必要な理由を一言でいうと「自国の資源や資産などを他国に奪われないため」です。

貿易の自由化が進んでいる今、先進国は対外取引を原則自由としています。ですが、これが完全に自由となると、資金さえあれば何でも買えるということになってしまい、他国に資源や資産を奪われる可能性があります。先述のように「自国の資源や資産などを他国に奪われないため」にあるのが外資規制なのです。

さまざまな技術が発展し、産業構造が大きく変化しようとしている現代。中国とアメリカの覇権争いが激化し、インドは明らかに中国をターゲットとした外資規制の強化を行いました。自国の安全と経済を守るべく、多くの国が外資規制を見直し始めています。

ただ、国際競争に遅れを取らないためにも、外資規制を厳格化しすぎないことも重要です。世界経済を今後も発展させるためには、それぞれの国が外資規制と自由貿易のバランスをうまく取る必要があります。

3. なぜタイビジネスにおいて外資規制・規制緩和に着目すべきなのか?

ここまで読んでいただければ、外資規制についてご理解いただけたと思います。

ここからは本テキストのメインテーマである、タイの外資規制について解説していきます。

外資規制にはそれぞれの国特有のルールがあることはすでに解説したとおりですが、タイへの投資においては、外資による投資が規制または禁止されている業種をまとめた「ネガティブリスト」に注意する必要があります。

ネガティブリストとは?

そもそもネガティブリストとはなんでしょうか? 一般的に海外ビジネスにおける「ネガティブリスト」とは、他国との貿易や投資において、禁止・制限する対象をリスト化したものを言います。ネガティブリストの対義語はポジティブリストですが、こちらは許可する対象をリスト化したものです。

ネガティブリストとは「リストに掲載されている以外の業種・投資であればOK」ととらえることも可

そんなナガティブリストですが、ここでは海外ビジネスにおけるネガティブリストについての考え方について述べていきます。

日本ではネガティブという言葉を否定的にとらえる傾向が強く、政策や制度において、「これだけはOK」といったポジティブリストを重視するケースが多くあります。

これは日本のみならず、いわゆる〝大陸法〟を適用しているヨーロッパ各国や日本に見られます。

それに対して、アメリカやイギリスやオーストラリアといった、いわゆる〝英米法〟を適用している国々では、「これだけはNG」というネガティブリストを重視する傾向があります。

これをそのまま貿易に当てはめることは無理があるかもしれませんが、貿易におけるネガティブリストにはさまざまな禁止事項が記載されていますが、それを見て「これも、これもやってはいけないのか……」と否定的に捉えていては、せっかくのチャンスを逃してしまいます。

それらを踏まえて、タイビジネスにおいては、ネガティブリストに掲載されていない業種・投資こそチャンスがあるととらえてみるのもひとつの考え方です。

当然ですが、多くの物事は表裏一体で成り立っています。ネガティブリストには投資のチャンスが隠れているという認識は、海外ビジネスにおいて非常に重要です。

そもそも外資規制は国の経済戦略と密接な関わりを持つため、状況に応じて改正が頻繁に行われる可能性も多く、タイへの進出や投資を考えるのであれば、ネガティブリストを含めた外資規制や規制緩和について常に最新の情報を調べておくことがビジネスチャンスにつながることは言うまでもありません。

4. タイの「外国人事業法(Foreign Business Act)」とは?

タイビジネスにおけるネガティブリストの重要性に続いては、タイの外資規制を知る上でもっとも重要な「外国人事業法(Foreign Business Act)」について解説します。

「外国人事業法(Foreign Business Act)」とは、1972年に制定された外国企業規制法が1999年に改正されたものであり、2000年から施行されているタイの法律です。

2000年3月より施行された外国人事業法(Foreign Business Act)とは?

外国人事業法(Foreign Business Act)とは、タイで外国人が行ってはいけない事業を規定している法律です。この法律では「外国人」の定義が定められており、制限される業種がグループごとに分類されています。グループについては後ほど説明しますが、規定はそんなに多くはありません。この外国人事業法は規定が曖昧で下位規則も少ないため、解釈に注意が必要です。

例えば…「ネガティブリストにないので問題ないだろう…」と判断した業種が「その他サービス業」に含まれて規制対象とみなされることがあります。また、製造事業はタイの外資規制において規制されず自由に実施可能な業種なのですが、自社で設計から製造までを行っているにもかかわらず、顧客の要望に合わせて製造したものは製造受託とみなされるなど、「製造」の範囲に注意が必要です。

「外国人事業法」における外国人の定義とは?

続いては「外国人事業法」における〝外国人の定義〟について解説します。

タイの外国人事業法において、外国人の定義は以下のとおりです。

①タイ国籍を持っていない(外国籍の)自然人
②タイ国内に登記のない外国法人
③タイ国内で登記しており、①もしくは②が資本の半分以上を保有する法人
④タイ国内で登記しており、経営者や共同経営者が①である有限パートナーシップまたは登記済みパートナーシップ
⑤タイ国内で登記しており、①②③④に該当する外国人が資本の半分以上を保有する法人

外資100%の会社設立は可能ですが、外国人の出資比率が5割を超えるため、外国人事業法の規制を受けることとなります。次項で詳しく解説しますが「BOI(タイ投資委員会)」の投資奨励事業であれば、規制を受けないといった例外もあります。

タイ投資委員会(BOI)とは?

ここでは前項で触れた「BOI(タイ投資委員会)」について見ていきましょう。

タイ工業省傘下の投資誘致機関がタイ投資委員会(BOI:Board of Investment)であり、タイにおける投資政策の策定や投資案件の認可などを行っています。

BOIに奨励されることで得られる特典は、法人所得税や機械設備・製品に使用される原材料の輸入税の減免、事業用土地の所有許可、労働ビザの手続きの簡素化、外資資本規制の緩和などがあります。

申請にあたっては「払込資本金が1000万バーツ以上」「1カ国以上の海外支店・関連会社を統括している」この2つの条件を満たす必要があり、奨励の取得にあたってはその他にもいくつかの条件がありますが、詳しくは次の項で解説します。

「外国人事業法」を違反した際の制裁について

このセクションの最後に外国人事業法」を違反した際の制裁について見ておきましょう。

外国人事業法に違反した場合は、3年以下の懲役、もしくは10万〜100万バーツの罰金、または懲役と罰金両方が課せられるので注意が必要です。

5. タイの外資規制(ネガティブリスト)

この項では、いよいよタイの外資規制の内訳について具体的に見ていきましょう。

タイでは、製造業の場合、原則100%外資資本で設立が可能

タイの外資規制では、製造業の場合は原則100%外資の会社設立が可能です。サービス業は原則不可となっており、小売や卸売に対する規制が非常に厳しいのがタイの外資規制の特徴です。

ただし、前述したとおり「製造」とみなされる範囲が日本の一般的なイメージとは異なるため、どこからどこまでが「製造」とみなされるのかはしっかり調べておく必要があります。

タイの外国人事業法による規制業種・禁止業種

外国人事業法によって規制・禁止されている業種は全部で43業種。それらは国内の産業に与える影響によって下記の3種類に分類されています。

第一種規制事業:外国企業の参入が禁止されている9業種
(新聞発行・ラジオ・テレビ放送事業、農業・果樹園、畜産、林業・天然木材加工、タイ海域・経済水域内の漁業、タイ薬草の抽出、骨董品の売買・競売、仏像および僧鉢の製造・鋳造、土地取引)

第二種規制事業:国家安全保障や伝統・文化、環境などに影響を及ぼす13業種
(国内航空事業や養蚕、さとうきびからの製糖、岩塩や塩田からの製塩など) 第三種規制事業:外国人に対して競争力が不十分な21業種
(精米や製粉、植林、会計・法律サービス、競売、広告業、ホテル業など)

二種と三種については、それぞれ内閣の承認や外国人事業委員会の承認によって許可された場合、参入が可能となります。

タイでの規制事業の例外

タイでの外資の規制事業であっても、規制の対象外となるケースは以下の3種類になります。

① 最低資本が一定の水準を満たした第三種規制事業
② 事業ライセンスを得た事業
③ BOIの投資奨励事業


それぞれの詳細は下記の通り。

① 最低資本が一定の水準を満たした第三種規制事業 第三種規制事業(外国人に対して競争力が不十分な21業種)のうち、以下の事業については規制対象外となります。

・最低資本5億バーツ以上の建設業
・最低資本1万バーツ以上の仲介代理業
・最低資本1万バーツであり、各店舗の最低資本が2000万バーツ以上の小売業
・各店舗の最低資本が1億バーツ以上の卸売業

② 事業ライセンスを得た事業 第二種規制事業と第三種規制事業に該当する34業種は、商務省から個別に事業ライセンスを取得することで規制の対象外となります。

③ BOIの投資奨励事業 BOIの投資奨励事業として認められると、認可を受けた範囲内で事業が可能となります。投資奨励事業にはIPO、TISO、ROHなどがあり、それぞれ対象の事業や要件、受けられる恩典が異なります。

タイでの外国企業の土地所有の可否

タイでは外国人は個人法人ともに土地を取得することはできませんが、BOI奨励企業、タイ工業団地公社に認定されている工業団地に立地する企業は外資比率にかかわらず土地を取得できます。

タイでの資本金に関する規制

外国企業の最低資本は200万バーツ以上と定められていますが、外国人事業法によって特別な認可を取得しなければいけない業種の場合、最低資本は300万バーツ以上となります。

外国人事業法上の認可を取得した場合は、借入を資本金の7倍以内とすることが求められますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、一部の金融事業者について規制対象外とする一時的な特別措置が設けられました。

タイでのその他の外資規制

国産化率の上昇のため、輸入関税に差を設けるなどさまざまな措置をとっています。BOIが輸入課徴金の設定・輸入制限ができるのもその措置の一つです。また、政府は国産化率の達成状況によって特典を区分しているので、国産化率の状況によって区分は今後変わる可能性があります。

6. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

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今回は「タイの外資規制」として、外資規制の基礎知識から、タイビジネスにおける外資規制の重要性、2020年3月に施行された「外国人事業法(Foreign Business Act)」…などについて解説しました。

タイの外資規制を知る上で必ずおさえておきたい法律である「外国人事業法」ですが、その定義が曖昧であり、日本の事業分類とは異なることから、解釈に悩む企業は多いようです。また、認可を受けることで規制対象外となるケースにおいては申請が必要となるため、タイに進出・投資を行う際には専門家の協力をあおいだ方がよいでしょう。

国内の専門家でもタイの外国人事業法については解釈が分かれるケースもありますので、無料の専門コンシェルジュにお悩みをご相談いただければ、ぴったりの専門家をご紹介することができます。ぜひ一度お問い合わせください。

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    これからのユビーク

    ユビークは今後もグローバル企業に直接サービスを提供するとともに、広告代理店と連携したプロジェクトを遂行していきます。この2つの顧客基盤を拡大しながら、リソースやサプライヤーのネットワークを構築することで、個々のプロジェクト課題に最適な人材のマッチングを図ります。同時に、VRをはじめとする新しいビジネスチャンスに挑戦。中長期的には、企業や代理店に最高品質の成果を提供するために、ニッチを開拓します。また、日本のみならず海外のグローバル企業とのコンサルティング関係を構築し、新しい技術を積極的に導入することにより、バーチャル化が進む世界でコミュニケーションを強化していきます。

    ユビークはデジタル時代にふさわしいプロセスと統合的なアプローチによって課題を解決する、信頼のおけるパートナーになりたいと考えています。重要なのは、未来に向けた理想のロードマップを戦略的に構築することです。日本から世界へ、世界から日本へ。時と場所を超えたコミュニケーションで人とブランドをつなぎ、ブランドにクリエイティブな力を吹き込む。それがユビークです。

    ぜひ、思いを一緒にかなえましょう。

    ユビーク株式会社
    代表取締役
    マイケル・フーバー

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