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【2019年版】アメリカ経済の見通し | 最新のアメリカ経済指標から読み解く

掲載日:2019年04月02日

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2019年におけるアメリカ経済の見通しについて、2019年3月に公表されたアメリカの経済指標と併せて、詳しく解説していきます。

2019年現在、「強いアメリカ」を目指して国内産業の強化を図っているアメリカですが、実際に経済政策は功を奏していると言えるでしょう。しかしIMFによると、すでに“世界経済の拡大は力を失って”おり、その大きな要因のひとつが、米中貿易戦争の負の影響であると述べています。

確かに、EUや中国、更には日本との貿易関係を見てみると、アメリカと各国による関税の掛け合いになっており、四面楚歌の様相を呈しています。中国はもちろん、ロシアに対する制裁措置も非常に厳しいものとなっており、未だ予断を許さない状況ではあります。

アメリカ進出を画策する日系企業にとって、最新の経済状況を把握しておくことは必須事項です。2019年のアメリカ経済の見通しを分析するにあたって、本テキストでは、2017年に就任したトランプ大統領による保護貿易のリスクや各国との関係および、アメリカ進出のメリットについても解説していきます。

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1. 2019年におけるアメリカ経済の見通し

アメリカ経済の下降が世界不況に及ぼす影響とは?

2019年1月にIMF(国際通貨金)より発表された「IMF世界経済見通し」によると、“世界経済の拡大は力を失って”おり、その大きな要因のひとつが、“アメリカと中国で行われた関税引き上げの負の影響”、つまりは「米中貿易戦争」にあるとしています。

IMFと同じように世界銀行(THE WORLD BANK)も同年1月に発表した「世界経済見通し」のタイトルにおいて、“Darkening Skies(暗雲立ち込める空)”と表現しました。

そもそも、2018年の世界経済の成長率は3.7%だと推定されていたものの、2018年後半の時点で多くの国が時刻の経済成長率を下方修正したとも述べています。

2019年においても、アメリカと中国が共に経済保護策を強化する姿勢は崩れておらず、両国の経済活動が低迷する予測は避けられません。

これまで、世界不況発生の年間リスクは7%とされていましたが、アメリカ経済が下降すれば、その可能性は50%まで上昇するともされています。

2019年3月に公表されたアメリカの経済指標から見てみると、小売売上高が2018年12月で前月比 1.6%減と急減。1月には反発(同0.2%増)しましたが、予断を許さない状況と言われています。

また、3月の消費者信頼感指数が低下の傾向を示しており、個人消費のピークアウトが懸念されています。さらに、主要経済指標のおいては、すでに企業活動には変調が表れており、輸出が2018年の前半をピークに下降しているとされています。

■『DIGIMA〜出島〜』関連記事:
ファーウェイ(HUAWEI)・ZTE問題とは? 【米中貿易戦争の行方と日本への影響】

参照:「IMF世界経済見通し 2019年1月」国際通貨基金

参照:「SMBC信託銀行 投資調査部レポート」SMBC信託銀行

2. 世界1位の「経済大国」アメリカ

GDP1位で世界経済のメッカ

ここからは改めて、世界1位の「経済大国」としてのアメリカの概要から解説します。いわずもがなアメリカは世界第1位のGDPを誇る国です。人口は約4億人で、首都はワシントンD.C.にあります。

経済の中心部はニューヨークで、有名企業の本社や国際連合などが密集しています。

アメリカ西海岸には、「シリコンバレー」と呼ばれるIT企業地帯があり、GoogleやApple、その他世界各国の最先端企業が集まっている地域があります。

リーマンショックから始まったオバマ政権

2009~2016年まで政権を担ったオバマ大統領は、オバマケアや不況からの脱却を推し進めていました。

オバマ大統領が就任した2009年には、アメリカの大手証券会社リーマンブラザーズの破綻により、「リーマンショック」が勃発し、世界的な不況を迎えました。

2013年には、ウクライナ問題やクリミア問題でロシアとの関係が悪化し、その後シリア問題で両者の対立が決定的となりました。

経済政策としては、2009年のリーマンショックからの脱却への成功という点で評価されていますが、国内の格差の拡大、労働生産性の鈍化等の弊害もあった点では、「失敗」と評しています。

「強いアメリカ」を目指すトランプ政権

2017年から大統領を務めているトランプ大統領は、突飛な発言やフェイクニュース操作でしばしば取り上げられます。

政策についてもオバマ大統領が進めていた政策を方向修正しながら、「米国第一主義」を掲げ、国内産業の成長を目指しています。

主な経済政策としては、TPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉(もしくは離脱)、更には、日本・中国・EU等へのアルミ・鉄鋼製品の関税措置が挙げられます。

国内では、ヘルスケア分野でのイノベーションの促進やインフラ投資を進めることで、GDPを高めることを目標としています。

3. 不況を乗り越え安定した成長へ

リーマンショックから立ち直り

リーマンショック後のアメリカでは、正規雇用者数が大幅に落ち込み、非正規雇用者が相対的に増加しました。

現在では、非正規雇用者が減少傾向にあり、正規雇用者数が増加しています。

非正規雇用者の減少に伴い、失業率も低下しています。リーマンショックが起きた翌年には、失業率が約10%まで上昇しましたが、現在では約4%まで下がっています。

安定した好景気

リーマンショック後、景気は緩やかに回復しています。

トランプ大統領の就任後、緩やかに経済が成長しており、GDP率3%には達していませんが、毎年2%強のGDP成長率を記録しています。

その意味では、アメリカは、安定的な経済成長を遂げていると言えます(日本は、1.7%(2017年度))。

更に、景気過熱防止策として行われているFRBの段階的な利上げからも、好景気と捉えることができます。

また、介護等の低賃金雇用の拡大により、失業率も低く抑えられています。

保護貿易政策をとるアメリカ

トランプ大統領は、「アメリカ第一主義」をスローガンとして掲げ、国内産業の保護と成長を優先事項としています。その為、貿易赤字額が大きい中国や日本に対して、関税措置や輸入制限をかけています。

更に、TPP(環太平洋経済連携協定)への離脱、NAFTA(北米自由貿易協定)への再交渉(または離脱)を施策として、保護主義的な経済政策を目指しています。

4. 主要諸国・地域との関係は?

熾烈な貿易戦争を展開する中国

最もアメリカの貿易赤字額が大きい中国に対しては、関税措置や中国企業製品の輸入を一部ストップさせています。最近では、中国の大手通信会社である「ZTE」が制裁を受け、7年間自社製品の対米輸出が禁止されていました。現在では、輸出禁止令は解除されています。

また、Bloombergによると、アメリカが中国の対米直接投資を制限する可能性があると報じています。

参照:米国、安保上のリスクを理由に中国の対米投資制限を計画

中国国内に進出しているアメリカ企業の中には、米中貿易摩擦により、拠点をベトナムやカンボジアなどの東南アジアに移転する企業も出てきています。このため、長期化している米中貿易戦争が、中国に進出しているアメリカ企業にもマイナス影響を与えていることは明らかです。さらに、中国だけでなく、世界的な投資が縮小する可能性もあり、米中貿易戦争による影響は、全世界に波及するとも考えられています。

参照:米中貿易戦争の煽りを受ける企業 中国からの有力な事業移転先とは?

EUも保護主義の煽りを受ける

EUも中国と同様に、関税措置をアメリカから掛けられています。発端は、アメリカによる鉄鋼やアルミニウムの追加関税の適用です。

これに対し、EUは、農産品や食料品を中心に約340品目に報復関税をかけています。更には、カナダと同様に、WTO(世界貿易機関)へ提訴も行っています。

「新冷戦」の様相を見せるロシア

ウクライナ問題やシリア問題での対立により、いささか「新冷戦」の様相を呈しています。また、2018年10月にはトランプ大統領がINF(中距離核戦力)全廃条約の破棄を表明し、冷え込んでいる米露関係がより悪化する見方もあります。

アメリカは現在、ロシアに対して経済制裁により、ロシア人経営者やロシア企業のアメリカ資産の凍結を行っています。特に、ロシア経済の要であるエネルギー関連企業(ロスネフチやガスプロム)に対する融資や物品提供の禁止を制裁に加えています。

更に2018年4月にも新興財閥の「オリガルヒ」の経営者を対象に追加制裁を実施しました。

今後もアメリカによる制裁は続くと考えられ、経済回復の兆しが見られたロシアが、厳しい状況に追い込まれるのは不可避です。

参照:米政府がロシアに追加制裁、サイバー攻撃に対抗

関税措置もありうる日本

日本は、アメリカの主要な貿易国の一つで、輸入額・輸出額共に4位になっています。

しかし、アメリカの対日貿易赤字額は中国に次いで2位となっており、日本の輸出過多が問題となっています。特に問題となっているのは、自動車産業と農業です。これに対しアメリカは、日本製の自動車の非関税障壁撤廃により、自国の自動車産業の保護を目指しています。

日本の自動車企業は、アメリカ以外で生産し輸出しているところが多く、輸出額も全体の3割を占めていることから、鉄鋼やアルミニウム関税のような関税措置、または、輸入制限措置がとられた場合、日本にとっては大きな打撃となります。

アメリカは、日本に対してFTA(自由貿易協定)の締結を望んでいます。これにより、今まで高い関税がかけられていたアメリカ車が、非関税で日本に入ってくる可能性があります。トランプ大統領は、日本の対米貿易姿勢には強く非難してしており、双方での妥結が求められます。

5. 今後も好景気が続くアメリカ

保護貿易のリスクもあり

アメリカ経済の見通しとしては、今後も好景気が続く見込みで、安定した経済成長が見られると予想されています。しかしその一方で、トランプ政権による保護貿易のリスクも考えられます。これは、アメリカが保護貿易を主導することによって、世界各国が保護主義的な貿易を行う可能性があるとしています。

その場合、国内産業の成長は見込まれますが、輸入品の価格上昇、お互いに高い関税をかけることで、国際的な競争力が落ちてしまうということが懸念されています。今後も貿易赤字が大きい、中国や日本、メキシコなどの各国に対して非関税・関税障壁の撤廃を目指していくとトランプ大統領は述べています。

さらに、国内の金融政策も諸刃の剣です。減税や歳出拡大といった景気刺激政策が功を奏し、景気が拡大しています。しかし、金利上昇や金融緩和により急激な債券価格の下落のリスクもあります。

6. アメリカ進出のメリット

先が見えない貿易戦争の被害を受けない

上記の通り、日本でもアメリカによる関税措置が実施される可能性もあります。特に製造業では、アメリカに工場や現地法人を持つことで、関税リスクに備えることができます。

今後自動車関連部品や自動車は、関税適用の可能性もあるため、現地調達、現地生産で賄えることができれば理想的です。この場合、全て国内で補うことができるため、関税による不利益を被ることはありません。また、国内景気も拡大しているため、市場としては魅力的です。

日系企業の進出先として人気

日系企業の進出先として最も多いのがアメリカです。これは、国土面積の広さや人口の多さ、更には豊富な国内資源があることから、「製造業」、「IT・通信業」を中心に日本企業が進出しています。また、アメリカでは現在、21%の法人税減税を含めた税制改革法案が審議されており、成立すれば、税負担の軽減が可能となります。

7. 日系企業進出の可能性はあり?

アメリカ国内の景気観は好況

以上から、アメリカは、主要国と貿易戦争に突入しつつあることが見えてきます。トランプ大統領と各国首脳は、どのように妥協案を見つけるかが重要になってきます。

また、トランプ大統領は、外国で製品を製造し、アメリカに輸出している企業に対し、「アメリカで作れ」という発言などをしており、今後関税バトルが続く場合、進出していく企業も増えるかもしれません。さらにアメリカは保護主義政策を盾に、他国に対して強硬な姿勢で対峙しているため、各国の対米貿易情勢は、不安定になりつつあります。しかしながら、アメリカ国内の景気観は好況であるため、アメリカ進出については検討の余地があります。

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(引用文献)
・外務省 「アメリカ合衆国 基礎データ」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/data.html 
・日本経済新聞(2017)「[FT]オバマ大統領の遺産 不完全だった経済再建」 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO11561820R10C17A1000000/?df=2
・大和総研(2018)「米国経済見通し 貿易を巡る不透明感は続く 」 https://www.dir.co.jp/report/research/economics/usa/20180419_020055.pdf
・日本総研(2017)「アメリカ経済見通し」 https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/10249.pdf
・DIAMOND Online(2018)「トランプ1年目の経済は未熟さが奏功、今後は保護主義台頭に警戒」 https://diamond.jp/articles/-/157431?page=4
・Bloomberg(2018)「米国、安保上のリスクを理由に中国の対米投資制限を計画」 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-06-24/PAUP0A6JTSI001
・内閣府(2018)「世界経済の潮流2018年I 第2章 主要地域の経済動向と構造変化 第2節アメリカ経済」https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh18-01/s1_18_2_2.html

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この記事を書いた人

「Digima〜出島〜」編集部

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