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中国の最先端スマートシティ「雄安新区」とは?【世界の経済成長都市ランキング】

掲載日:2020年07月28日

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本稿では、「世界の経済成長都市ランキング」の番外編として、世界が注目するスマートシティの先がけとされる中国・河北省に位置する「雄安新区(Xiong’an New Area)」について解説します。

今回ご紹介する「雄安新区」とは、習近平国家主席肝いりの「千年大計」と呼ばれている一大国家プロジェクトであり、テンセントやアリババなどの中国国内の大手IT企業の進出が予定されています。

そもそも、雄安新区が注目される大きな理由としては、最先端の「スマートシティ」構想が挙げられます。AI(人工知能)や自動運転等の技術を用いることで、環境に配慮した都市開発が着々と進んでいるのです。

近年話題となった書籍『年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学』でも述べられているように、同じ国内でも、その都市・地域によって特徴やビジネス環境は異なってきます。

同じ中国国内でも、北部の都市と、南部の都市とでは、その文化はもちろん、外資企業にとっての参入障壁も、それぞれ異なる特徴があるのです。

今回は、日本では、まだあまり知られていない新興エリア「雄安新区」の特徴や問題点について解説します。

【2019年、最も成長する都市ランキング】
■第1位:ホーチミン(ベトナム)
■第2位:ジャカルタ(インドネシア)
■第3位:マニラ(フィリピン)
■第4位:クアラルンプール(マレーシア)
■第5位:深セン(中国)
■番外編:雄安新区(中国・河北省)
■番外編:ハノイ(ベトナム)

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▼中国の最先端スマートシティ「雄安新区」| 経済&ビジネス情報【世界の経済成長都市ランキング】

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1. 雄安新区とは?

ハイテク都市の建設を目指す

雄安新区(Xiong’an New Area)とは、2017年に習近平国家主席から「河北雄安新区計画要綱」という形で発表された新たなハイテク都市構想計画です。対象地域となっているのは、河北省保定市の雄県・容城県・安新県を中心とした1,770㎢の区域です。

2035年までに自動運転やAI、ブロックチェーンといった現在の最新技術を駆使した街づくりを目指しています。さらに、これらの技術を用いることで、中国国内で問題となっている公害や空気汚染などの環境問題にも対処することで、「グリーン発展」を標榜しています。

雄安新区では、2035年までに低炭素、情報化・スマート化が進んだ高水準の「社会主義現代化都市」を目標としており、世界的都市として北京・天津市と肩を並べる都市建設(京津冀)が期待されています。

2. 「スマートシティ」で国内での注目が集まる

最先端の技術でスマートシティを建設

雄安新区が注目される一つに「スマートシティ」の実現があります。「スマートシティ」とは、IoT(モノのインターネット)技術を用いて、街の生活インフラや基礎インフラをインターネットに接続して管理する先進的な都市形態です。日本では、千葉県の柏の葉スマートシティが例として挙げられます。

雄安新区では、そのスマートシティ建設のために、AIや自動運転等を駆使した都市開発を目指しています。雄安新区の中でも「スタートアップ区」の中に建設される予定の「先行開発区」では、上記以外にもバイオテクノロジーやビッグデータの活用により、新しい都市の形を提示します。

その取り組みとして、ロボットによる荷物の自動配送と顔認証による荷物の受け取り、更には、顔認証でチェックインや部屋の施錠ができるホテルも開店しました。自動運転による車の開発も進んでおり、今まで人が行っていたことが、全て自動で行われるようになりつつあります。

3. 中国のネット・IT大手企業が続々参入

テンセントやアリババ、バイドゥも参画

雄安新区の構想が発表されてから1年半たちますが、すでに中国の大手企業の入居が決まっています。

その企業群としては、ECサイトの「天猫(T-mall)」の運営やQR決済サービス「アリペイ(Alipay)」を提供しているアリババ(阿里巴巴集団)、中国最大のSNS「Wechat」を運営しているテンセント(騰訊)、さらに中国最大の検索エンジンを開発したバイドゥ(百度)等、中国や世界のネット・IT業界をリードする企業が挙げられます。

先述の通り、雄安新区では「スマートシティ」の建設を目指していることから、アリババのクラウド技術(Alibaba Cloud)やバイドゥの自動運転プロジェクト「アポロ計画」による公共交通機関の全自動運転化などの技術が使用される予定です。

4. 雄安新区建設には問題が山積み

周辺環境に配慮した開発が重要

雄安新区の建設に向けては、多くの問題が残っています。まず、雄安新区を設立する場所は、人口2万人しかいない小さな町であることが挙げられます。そのため、新区を建設する際には、現地住民の住居の確保が問題になります。また、雄安新区が位置する雄県の近くには、琵琶湖の5倍の広さを持つ観光名所・白洋淀(はくようてん)があるため、周辺の環境に配慮した開発が必要になります。

更に建設状況についても進んでいるとはいい難い状況にあります。中国には、雄安新区のような開発区や新区(天津・鄭州・西安など)が複数ありますが、当初予測より低い人口流入数によってゴーストタウン化している地域も多数あります。そのため、雄安新区もそのようになってしまうのではないかという懸念もあります。

しかしながら、習近平国家主席は、雄安新区の開発を「千年大計(千年にわたる大計画)」と述べていることから、国にとしては成功させなくてはならない計画であると言えます。

中国メディアでは、2018年4月に雄安新区は設立1周年を迎え、活気に満ち溢れていると報道されています。今年の雄安新区のインフラ投資は、2,000億元(3兆2,200億円)以上とされており、いかに中国政府が力を入れているかがわかります。しかしながら、上記の周辺環境や住民の問題もあるため、これらを解決しなくては、開発は難しいと考えられます。

5. ハイテク都市は実現可能なのか?

今後の開発に期待

以上、雄安新区について見てきました。

現在中国では、IT先進都市として、深センが有名ですが、雄安新区の開発が完了した場合、テンセントやアリババといった世界・中国のIT市場をけん引する企業を筆頭に、国内外から多くの企業が進出する可能性は高く、深センと双璧をなすIT都市になる可能性を秘めています。

しかしながら、現在工事は大々的に進んでいるというわけでもないため、企業が進出できるビジネス環境が整備されるには、もう少し時間がかかるでしょう。

構想自体は非常に魅力的なため、10年後、20年後の進出先としては、上手くいけば有望な地域になるかもしれません。

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「Digima〜出島〜」編集部

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