アメリカAmazonの出品方法|日本企業の輸入者の決め方とFBA納品、費用、2026年の関税と通関
アメリカAmazonは、米国のEC市場で約4割のシェアを持つ最大の売り場です。米国の会社を作らなくても、日本法人のまま出品用のアカウントを作って販売を始められます。
難しいのはアカウントより、在庫を米国に入れる段階です。FBAに納品する商品の輸入者を誰にするかを決める必要があり、2026年には外国の輸入者への条件が厳しくなりました。関税の仕組みも短い間に何度も変わっています。
ここでは、米国での販売を考える企業の担当者に向けて、出品の手順と費用、輸入者の決め方、2026年の通関ルール、関税の計算、商品の規制を解説します。
目次
1. アメリカAmazonに日本法人で出品する手順
Amazonの公式の案内では、海外から米国の購入者に販売するには、北米とブラジルの統合アカウントを作ります。米国の会社を作る必要はない場合があるとされており、日本法人のまま始められます。
公式の手順は統合アカウントの作成から
公式に案内されている流れは、統合アカウントの作成、販売する商品の選定、税金と規制と安全の要件の確認、商品の登録、在庫の発送と受注の処理の順です。日本のAmazonで販売していなくても、このアカウントから米国で始められます。アカウントの開設には、会社の情報、本人確認の書類、売上の受け取り口座、税務の情報が必要になります。外国法人の税務情報は、画面の質問に沿って登録します。必要な書類は申請の画面で案内されるので、会社の英語表記を登記の内容とそろえておきます。
市場シェアは約37.6%で競争も激しい
市場調査会社の推計では、2025年の米国EC市場でAmazonのシェアは約37.6%で、2位のWalmartの約6.4%を大きく引き離しています。購入者の多さと配送の仕組みが最大の魅力です。一方で出品者も世界中から集まり、同じ商品なら価格とレビューで比べられます。日本で売れている理由をそのまま英語にするのではなく、米国の購入者が検索する言葉と、競合の価格やレビューを先に調べてから、売る商品を絞ります。
2. アメリカAmazonの出品費用とFBAの手数料

大口の出品プランは月額39.99ドルで、そのほかに売れるたびの手数料と、納品のたびの費用がかかります。図の5つを引いて利益が残るかを、商品ごとに計算します。
大口出品と小口出品の違い
Amazonの料金は2つのプランに分かれます。売れる数が少ないうちは小口でも始められますが、事業として販売するなら、月に40点を超えて売れる見込みなら大口のほうが費用は小さくなります。
| プラン | 料金 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 小口(Individual) | 1点売れるごとに0.99ドル | 売れ行きを少量で確かめる段階 |
| 大口(Professional) | 月額39.99ドル | 継続して販売する段階 |
表:アメリカAmazonの出品プラン(2026年10月確認)
販売手数料はカテゴリで変わり、約3〜45%です。15%のカテゴリが多く、多くのカテゴリには1点あたり0.30ドルの最低額があります。本やDVDなどのメディア商品には、1点あたり1.80ドルの成約料も加わります。
FBAは配送と保管の費用を別に見込む
FBAを使うと、Amazonの倉庫からの配送、返品の受付、購入者への対応を任せられます。配送の費用は商品のサイズと重量で決まり、在庫を置いている間は保管の費用もかかります。軽くて小さい商品ほど費用の割合が小さくなり、大きくて単価の低い商品は利益が残りにくくなります。Amazonの料金シミュレーターに商品の寸法と重量を入れて、自社発送と比べます。広告費も加えて計算すると、実際に手元に残る金額に近づきます。
3. FBA納品で決める輸入者の3つの選択肢

FBAの倉庫に在庫を送るには、米国の税関に対して輸入の責任を負う輸入者(Importer of Record)を決めます。解説記事では、FBA在庫についてAmazonは輸入者にならないと説明されており、図の3つから選ぶことになります。
日本法人が外国輸入者になる
日本法人のまま輸入者になるには、CBP Form 5106で輸入者の番号を取り、税関への保証金(ボンド)を用意し、通関業者を通して申告します。米国に法人を作らなくて済みますが、2026年からは条件が厳しくなっています。継続保証が使いにくくなると、輸入のたびに保証の費用がかかります。納品の回数が多いほど負担が増えるので、年間の納品回数を決めて、通関業者に総額を見積もってもらいます。
出典:Carra Globe「Importer of Record for Amazon FBA」(2026年10月確認),米国税関・国境警備局「Strengthening Customs Enforcement」(2026年10月確認)
米国法人を作って輸入者にする
米国法人を設立すれば、米国の輸入者として手続きできます。大統領令が外国の輸入者に求める条件の対象にもなりにくくなります。売上が大きくなる見込みがあり、米国で長く販売する企業に向く方法です。一方で、設立と維持の費用、会計と税務の負担が増え、法人の活動によっては米国での課税も発生します。アメリカの会社設立の手続きはこちら。税務の扱いも、設立を決める前に見積もりに入れます。
米国の取引先に輸入者を任せる
米国の代理店や卸に商品を売り、相手が輸入者になる方法もあります。輸入の手続きと関税を相手に任せられるので、外国輸入者の条件を気にせずに済みます。その代わり、Amazonで誰が販売するのか、価格を誰が決めるのかを取り決める必要があります。卸の価格で販売するぶん利益は小さくなります。自社のブランドページを持つ権限を誰が持つのかも決めておきます。アメリカの販売代理店の探し方はこちら。
4. 2026年に厳しくなった外国輸入者の通関ルール

2026年6月3日の大統領令14411号「税関の取り締まり強化」は、外国の輸入者を特に対象にしています。多くの見直しは今も進行中なので、図の内容は「決まった運用」ではなく、大統領令が求める方向として読みます。
大統領令14411号が外国輸入者に求めること
大統領令の本文は、外国の輸入者による略式申告を禁止するよう命じています。正式申告については、歳入の保護と法令順守が確保できると税関が認めた場合を除いて継続保証に頼れないこととし、CTPATの認定を受けるか、CTPAT認定の通関業者を通すことを求めています。少額の小口配送だけでなく、FBAへの納品で使う正式な輸入にも関わる内容です。日本法人のまま輸入者になる場合は、通関業者がこの条件を満たしているかを最初に確かめます。
出典:米国連邦官報「Executive Order 14411」(2026年10月確認),RSM「Executive Order 14411 tightens rules for foreign importers of record」(2026年10月確認)
税関は登録情報の確認を強めている
米国税関(CBP)は、CBP Form 5106の情報を正確かつ最新に保つことを求めており、2026年8月19日の官報の通知で、情報が不正確または不完全な場合は輸入者番号を無効にできるとしています。少額の貨物すべてに保証を求める規則案も出ており、意見の募集は2026年12月7日までです。会社の所在地や担当者が変わったら、登録情報をすぐに直します。規則は確定前のものも含むので、納品の計画を立てる時点で、通関業者に最新の条件を聞きます。
出典:米国税関・国境警備局「Strengthening Customs Enforcement」(2026年10月確認)
5. アメリカAmazonの関税と利益の計算
関税は商品のHTSコードと原産国で決まり、2026年は追加の関税の根拠が短い間に何度も変わりました。古い税率で価格を決めないよう、納品の前に最新の税率を調べます。
2026年に追加関税の根拠が変わった
2026年2月に米国の最高裁が相互関税を違法と判断し、政権は通商法122条に基づく課徴金に切り替えました。122条の適用は7月24日までで、その後は301条に基づく追加関税への移行が進められています。日本からの商品に今かかる税率は、品目で変わるうえ変更も続いています。ジェトロの「米国関税措置への対応」で最新の情報を見て、通関業者にHTSコードごとの税率を聞きます。社内の価格表には、確認した日付を残しておくと、次の見直しのときに迷いません。
出典:ジェトロ「トランプ米大統領、IEEPA関税の停止と122条に基づく10%の課徴金賦課を発表」(2026年10月確認),ジェトロ「米国関税措置への対応」(2026年10月確認)
800ドル以下の免税はなくなった
米国は2025年8月29日に、800ドル以下の輸入品を免税にするデミニミス制度を廃止しました。少額の小口配送でも関税がかかり、輸入の申告も必要になります。ジェトロは、単価の低い商品を小口で送るメリットが減り、関税込みの価格の表示が標準になる可能性に触れています。自社発送で1点ずつ送る販売は、1件ごとの費用が重くなりました。まとめて米国に入れてFBAから配送するほうが、1点あたりの通関の費用を抑えやすくなります。
関税を入れて1商品の利益を計算する
計算は、販売価格から販売手数料、FBAの費用、広告費を引き、そこから仕入れの原価、輸送費、関税、通関の費用を1点あたりに割って引きます。関税の計算のもとは、原則として販売価格ではなく申告する輸入価格です。申告する価格の決め方は、輸入者が誰かでも変わるので、通関業者に確かめます。HTSコードの確認や関税負担を抑える方法はアメリカへの輸出コストの記事でも解説しています。
6. FDAやFCCなど商品の規制を確かめる
アカウントを作れても、商品が米国の規制に合っていなければ販売できません。Amazonも、国ごとの要件を確かめるよう案内しています。主な規制は商品の分野で分かれます。
分野ごとに確かめる主な規制
食品や化粧品はFDA、無線を使う電子機器はFCC、電気製品はUL認証などのNRTLの認証が関わることがあります。すべての商品に認証が要るわけではありませんが、Amazonが書類の提出を求める場合もあります。自社の商品がどの規制の対象かを、在庫を作る前に確かめます。表示の言語や成分の表記を直す場合は、パッケージの変更に時間がかかるので、初回の納品に間に合うように進めます。
| 分野 | 主な規制 | 詳しい解説 |
|---|---|---|
| 食品・化粧品・医療機器 | FDA | FDA認証の記事 |
| 無線を使う電子機器 | FCC | FCC認証の記事 |
| 電気製品 | UL認証など | UL認証の記事 |
表:米国向けの主な規制
商標とブランド登録を早めに進める
米国の商標を取ると、Amazonのブランド登録が使えるようになり、商品ページの見せ方や、他の出品者への対応の手段が増えます。登録までには時間がかかるので、売り始めてから慌てないよう、販売の計画と並行して出願を検討します。日本の商標があっても米国では効力がありません。他社が似た商標を持っていないかも先に調べます。商品の名前を変えることになると、パッケージや在庫にまで影響するので、在庫を作る前に調べておくと安全です。
7. アメリカAmazonは輸入者と関税と運用会社選びでつまずく
Digima〜出島〜に2025年度に寄せられた相談で、アメリカは5年連続で進出先の1位(13.5%)でした。Amazonの売上を伸ばしたいという相談もあります。アメリカAmazonで特につまずきやすいのは次の3つの場面です。
納品の直前に輸入者が決まっていないと分かる
アカウントと商品ページができても、輸入者が決まっていないと在庫を送れません。配送の手配は物流会社に頼めても、輸入者の責任まで任せられるとは限りません。商品ページを作る前に、3つの選択肢の見積もりを取ります。日本法人が輸入者になるなら保証の種類とCTPAT認定の通関業者、米国の取引先に任せるなら販売の権限を確かめておくと、納品の直前に止まらずに済みます。
売れても関税で利益が残らない
日本での原価と販売価格だけで計算すると、関税や保証、通関の費用が抜け落ちます。手数料の率は見えていても、納品のたびの費用は見落としやすいためです。代表的な商品を1つ選び、売れた場合の1点あたりの手取りを計算してから、納品の数を決めます。単価の低い商品は、セットにして単価を上げられるかも検討します。関税が変わった場合の価格の見直し方も、先に決めておきます。
米国の運用と通関を任せる会社が見つからない
商品ページと広告の運用を得意とする会社と、輸入と物流を得意とする会社は違います。1社で全部を任せられるとは限らないので、任せる範囲を分けて探します。Digima〜出島〜では、商品と予算、社内で担える範囲をうかがったうえで、米国のEC運用や物流を扱うサポート企業を絞って紹介しています。輸入者の引き受けや通関の条件は会社によって違うので、紹介の段階で確かめられます。
8. よくある質問(FAQ)
米国法人がなくても出品できるのか、FBAだけで売れるのか、運用や通関の相談先はどこかをまとめました。
Q1. 米国法人がなくてもアメリカAmazonに出品できますか?
Amazonの公式の案内には、米国で販売するために米国の会社を作る必要はない場合があると書かれており、日本法人のままアカウントを作って出品できます。ただし、これは出品の話で、在庫を米国に入れるときの輸入者は別に決める必要があります。2026年は外国輸入者の条件が厳しくなっているため、日本法人のまま輸入者になるのか、米国法人や米国の取引先に任せるのかを、通関業者の見積もりと一緒に比べて判断します。
Q2. 自社で発送せずにFBAだけで販売できますか?
できます。FBAはAmazonの倉庫に在庫を預けて、注文の処理、配送、返品の受付を任せる仕組みです。社内に米国の出荷の体制がなくても販売でき、早い配送の表示も得られます。ただし、米国の倉庫まで商品を運ぶ輸送と通関、関税の支払いは出品者側の仕事です。在庫が長く残ると保管の費用もかかるので、初回は売れ行きを見ながら少量ずつ納品し、回転の速さを見ます。
Q3. アメリカAmazonの運用や通関の体制はどこに相談できますか?
Digima〜出島〜に無料で相談できます。株式会社Resorzが運営する海外ビジネス支援プラットフォームで、専門コンシェルジュが商品と予算、米国での体制をうかがい、130カ国に対応する登録サポート企業5,000社の中から、条件に合うサポート企業を3〜5社に絞って紹介します。輸入者を誰にするか決まっていない段階でも相談でき、紹介された企業と契約する義務はありません。
9. アメリカAmazonへの出品は『Digima〜出島〜』に無料相談
アメリカAmazonは日本法人のまま出品を始められますが、在庫を米国に入れるには輸入者を決める必要があります。2026年は外国輸入者の条件が厳しくなり、関税も変わり続けています。商品ページを作る前に、輸入者と関税込みの利益を確かめます。
輸入者を誰にするか決められない、Amazonの運用や物流を任せられる会社を探したい、という段階でも相談できます。Digima〜出島〜の専門コンシェルジュが商品と体制をうかがい、合うサポート企業を3〜5社に絞ってご紹介します。
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